関西国際空港第2ターミナルビル

第2ターミナル(国際線)全景
出国手続きカウンター
施工風景:敷地西側より ターミナル棟基礎工事中(2015.12.25)

工事概要

建 築 主 関西エアポート株式会社
基本設計・設計監修 株式会社梓設計
設計・監理 株式会社熊谷組関西一級建築士事務所
施  工 株式会社熊谷組
建 設 地 大阪府泉南郡田尻町泉州空港中11-1の一部、
13-1の一部および14の一部
構造規模 鉄骨造 一部2階建て
建築面積 32,301.36m²
延床面積 39,267.63m²
工  期 2015年7月15日〜2017年1月27日
 

安全性と利便性を追求したLCC専用の空港施設

LCC専用国際ターミナル誕生

 2017年1月28日、関西国際空港に格安航空会社(Low Cost Carrier)専用の新たな「第2ターミナルビル(国際線)」がオープンした。

 新第2ターミナルビルは、今後増加が見込まれる海外からのお客様に対応するため、既存の第2ターミナルビルの北側に隣接して建設された。既存の第2ターミナルビルは、2012年10月に国内初のLCC専用ターミナルとして開業し、国内線と国際線を兼ねていたが、新ターミナルビル開業後は、国内線専用の「第2ターミナル(国内線)」に名称を変更して運用される。

 国際線専用として開業した新ターミナルには、物販店や飲食店から外貨両替、ATM、海外旅行保険自動引受機、観光案内などさまざまなサービス機能が設けられている。
 特に物販では、国内の空港では初となるウォークスルー型の免税店舗を導入。利用者の移動ルートに沿って、ショッピングがしやすいように店舗を配置している。また保安検査場や手荷物検査などがスムーズかつ安全に行われるよう、さまざまな最新システムを導入し、待ち時間の短縮や利便性を高めている。お客様を第一に考え、より便利で快適に利用できるターミナルの誕生だ。

 今回、熊谷組は、この新「第2ターミナルビル(国際線)」の建築工事を担当。そして、既存の第2ターミナルビルの改修及びそれらに伴うLCCターミナル全体の附帯施設の整備を行った。

設計・施工の連携で難局を打開

 そんな林所長を悩ませる問題がもう一つあった。度重なる設計変更だ。着工後に発注者が変わり、状況が一変。それに対応して、完成までに幾度となく設計変更が行われた。そのたびに、現場での作業は中断と再開を繰り返し、工程を予定通り進めるために、臨機応変な対応がしばしば必要だった。

 しかし、この難局を打開できたのは、「当社の設計と施工との見事な連携があってのこと」。そう林所長は振り返る。また、施工に携わった作業員のほとんどが、林所長と同じ現場を共にしてきた旧知の者たちだった。今回のように工期の厳しい作業にはチームワークが必要であり、気心が知れた仲間との結束が必要だったからだ。

 厳しい現場であったが、林所長が掲げる「やるなら楽しくやろう」という言葉をモットーに、工事関係者が一丸となって結束力を高め、明るい気持ちと緊張感を保ち、困難な工程を乗り越えて重大災害ゼロで工期内の完成を果たした。