IT・DX
熊谷組はDXによる建設技術革新をテーマに「DX戦略2024-2026」を策定し、DX人財育成、データ中心へのビジネス変革とデジタル基盤の強化、新基幹システムの更新とAI技術の活用による業務効率化、生産性向上、社会課題の解決と新たな価値の創出を目指していきます。
KDS(Kumagaigumi Deep Smarts)
KDSはKumagaigumi Deep Smarts(熊谷組の経験値)の略で、現在と過去の作業所データをクラウドに保存し、誰もが活用できることを可能としたシステムです。
施工から得られる情報や本支店の情報等、あらゆる情報をデジタルデータとして収集・保存し、一元管理していくことで、データの有効活用、施工のノウハウや技術の伝承をしていきます。KDSを活用することで業務の効率化を図り、さらなる生産性の向上を実現します。
業務支援アプリケーション
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工事情報簡易参照システム
- 竣工・稼働している工事情報・データを検索・参照できるシステム
竣工CD:竣工した工事の図書が検索、参照可能
作業所NAS:リアルタイム更新される作業所の情報、データが参照可能 -
Knowledge Explorer
- AIを搭載した検索システムであり、社内に蓄積された膨大なデジタル文章の中から、自分が検索したい関連資料を自動的にピックアップして通知するシステム
- 関連資料を探す時間を大幅に削減できる
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音声文字起こしシステム
- 音声からデジタル文章に文字起こしをするとともに、要約を行いユーザに提供するシステム
- 議事録作成等の業務支援を行う
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購買情報検索システム
- 各支店の購買に関する情報を検索できるシステム
- 全国的な情報を基に実行予算の作成や協力業者との交渉を行うことで、適切な単価での契約等の業務支援を行う
施工支援アプリケーション
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トンネル切羽AI診断システム
- 現場技術者がタブレット端末を用いて切羽を撮影し、写真をクラウドへアップロードすることで学習済AIが切羽観察項目毎の診断を行い結果が確認できるシステム
- AI診断は技術者の経験の有無にかかわらない客観的な評価ができ、若手技術者の判断支援を行う
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CV映像公開システム
- 360度カメラで撮影した映像に座標情報を付加することで、映像上で3D計測・情報タグ登録・2画面表示ができるシステム
- 撮影時期の異なる360映像を2画面で表示できることから施工当時の状況を迅速に確認することができる
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コンクリート打設管理システム
- 納品伝票を活用することでコンクリート打設時の時間管理の入力作業を大幅に削減し日常業務の負担軽減を図るシステム
- 遠隔地からでも打設状況をリアルタイムに把握することができる
KDSを活用した熊谷組のDXの取り組み
AI・業務支援アプリによる業務革新
当社独自構築・開発の生成AIを活用したWebアプリケーション等を日常業務で活用することで効率化を図っていきます。2024年問題である時間外労働の上限規制や労働人口の減少に対応しながら、建設DXを加速することで、安全でより良い品質の「ものづくり」を目指して取り組んでいきます。
BIM/CIMへの取り組み
膨大かつ煩雑となっている建設現場での施工情報を「CIM-CRAFT」を活用することで施工管理業務の効率化・高度化を図り、デジタルツインを実現することで現場と本支店がリアルタイムに情報共有し一体となった「ものづくり」を実現していきます。
詳細を見る建設機械施工の自動化・遠隔化技術
高齢化、新規入職者不足による建設業就業者の減少、インフラ設備の老朽化が深刻な中で、30年以上にわたり開発を進めてきた遠隔化技術を自動化に発展するとともに水中に適用していくことで、生産性・安全性の向上かつ安定した品質の「ものづくり」を進めます。
コッター継手検査システム
コッター床版工法[ NETIS登録No.KT-180108-A ]とは、プレキャスト床版を機械式継手であるコッター式継手で接合するもので、急速施工、省人化、高品質化、取替性(メンテナンス性)の向上を目的に開発された工法です。
詳細を見る工事現場での自動走行
盛土施工に関わる【積込作業】【運搬作業】【敷均作業】【転圧作業】の4つの作業で稼働する5台の建設機械を2名のオペレータで操作を実施しました。これにより、「作業の省力化」や「一人当たりの生産性の向上」が可能となりました。
詳細を見る水中バックホウ遠隔操作
水中の無人化施工に向けた水中遠隔操作のための高精度水中測位システム「AquaMarionette(アクアマリオネット)」を開発しました。今後は、目視が困難な水中での建設機械の操作が潜水士無しで施工できる、水中バックホウの無人化施工を目指して開発を進めます。
詳細を見る建設DXによる未知への挑戦
「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)の一環として、令和3年7月に決定された「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」(国交省及び文科省連携)にて、索道技術を利用した災害対応運搬技術の開発を担当し、月面での洞窟内への物資投入や月面永久影と日照域との連続運搬システムの開発に向けた技術研究開発を行っています。
内閣府のMoonshotプロジェクト目標3では、自ら学習・行動し、人と共生するAIロボットを目指して、過酷な環境での河道閉塞対応ロボットを開発しています。
また、国土交通省の宇宙建設革新プロジェクトでは、月面の日本独自技術として、無線システムと自動運転による索道技術を利用した災害対応運搬技術の開発を行っています。
関連情報
建設行為によって起こる環境変化は、建物敷地内や近隣地域まで影響することもある重要な問題です。例えば建設後に発生する可能性のある「ビル風」は、計画段階からシミュレーションや実験による予測・評価を行い、対策を設計に提案・実施をしていく必要があります。
阿蘇大橋地区斜面防災対策
2016年4月16日の熊本地震により阿蘇大橋地区では大規模な斜面崩壊が発生し、斜面下部に位置する国道57号、JR豊肥本線、国道57号に接続する阿蘇大橋(国道325号)を押し流す大災害となりました。降雨や余震等によりさらなる崩壊の危険性がある中で最新の無人化施工技術、i-Constructionを総合的に取り入れることにより安全かつ迅速に工事を進め、過去に類例のない緊急災害対応を成し遂げました。
阿蘇大橋地区斜面防災対策工事高い技術力で社会課題を解決熊谷組の「現場力」
無人化施工技術による災害復旧に携わっている土木事業本部 土木DX推進部へのインタビューとコラムを交え、熊谷組のDXの取り組みが日経電子版にて紹介されました。
日経電子版 PR記事「2022 ACECC Civil Engineering Project Award」受賞
インドネシア(ジャカルタ)で開催されたACECC第42回理事会において、当社が施工した「阿蘇大橋地区斜面災害復旧工事」が「2022 ACECC Civil Engineering Project Award(2022 ACECC土木プロジェクト賞)」として承認されました。
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