サプライチェーンマネジメント
基本的な考え方
熊谷組グループが健全な事業活動を進めていくため、取引先の皆様とのパートナーシップのもとサプライチェーン全体で協調して取り組んでいくことが重要であると考えています。熊谷組は、かねてより購買管理規定を策定し、取引先選定の際の透明性の確保やリスク管理、環境への配慮に努めてきました。さらに健全な事業活動を推進するために、2021年4月、「調達方針」および「調達方針ガイドライン」を策定しました。
「調達方針」および「調達方針ガイドライン」
熊谷組グループはサプライチェーン上のコンプライアンスの向上や人権、環境の負の影響の停止・是正に努め、パートナー企業、取引先とともにバリューチェーン全体の付加価値向上に取り組んでいます。
また、パートナー企業、取引先には「調達方針」および「調達方針ガイドライン」を展開し、理解と協力を促しています。
「調達方針」抜粋
- 法令と社会的規範の遵守
- 公平・公正な取引
- 人権の尊重
- 安全衛生の推進
- 品質の確保と向上
- 環境保全
- 情報セキュリティの徹底
- 社会貢献
- 災害時における事業活動の継続
調達に関するデューデリジェンスの実施
説明会および勉強会
2025年度の調達デューデリジェンスでは、「調達方針ガイドライン」、「熊谷組グループ人権方針」の周知と理解を目的として実施しています。アンケート調査の前後に勉強会を兼ねたオンライン説明会を実施し、勉強会では有識者による講演を行いました。
アンケート調査結果(2025年度)
アンケートは主に人権、環境、ガバナンスの項目で取組み度合いを調査しました。すべてにおいて直ちに是正が必要となる結果ではありませんでしたが、当社が特に重要と考える優先的に取り組んでいただきたい項目についてはオンライン結果説明会や結果報告書の送付をもって周知しています。
| 回答結果 | 233社 / 300社( 回答率78%) |
|---|---|
| 対象企業 | 取引金額、熊栄協力会会員、木材の取り扱いがある企業等の観点から選定 |
| 実施期間 | 2025年11月~12月 |
| 調査内容 | 人権、環境、木材調達、ガバナンス、情報セキュリティ等における企業の取組み状況の確認 |
| 勉強会 | アンケート調査の前後に各1回実施(約1時間) |
調査結果の詳細からは、実質的な「人権デューデリジェンス」の実施や取引先への働きかけを行う企業はまだ限定的でした。取組みの重要性について継続して周知していきます。分野別では、リスクが高いと分析された「外国人労働者の権利」や「労働時間」への優先的対応、具体的な訓練が不足している「情報セキュリティ」なども今後の勉強会などで反映を予定しています。
また、2025年度は「木材調達」における現状把握の足がけとして型枠合板のトレーサビリティについても設問範囲としました。
アンケート調査後のヒアリング、意見交換で得られた好事例の共有や対話を通じ、取引先と一体となって課題解決と持続可能な体制構築を推進していきます。
木材調達について
当社のバリューチェーンにおける取扱い資材の中では、木材のリスクが環境におけるリスクとして高いと特定しています。特に型枠合板においては、原材料採取から施工現場への納入に至るまでの森林破壊や人権侵害のリスクについて注目が集まっています。
2025年度はサプライチェーンの状況把握を目的に一部企業へアンケート調査を行いました。当社では生物多様性の保全や持続可能な森林資源の活用は、建設業界が取り組むべき優先課題の一つであると認識しています。アンケート項目については公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(以下WWFジャパン)に監修を依頼しました。WWFジャパンが持つ専門的な知見を自社の評価基準に取り入れることで、信頼性と透明性の高い調達体制の構築と持続可能な資源利用に向けた取組みを目指します。また、一部取引先には訪問・オンラインでのヒアリングを行い、トレーサビリティの確保状況や認証材の取り扱いについて意見交換を行いました。
木材に関するアンケート設問例
- 樹種名
- 原産国や州、県、森林管理区画など
- 製品についての合法性や環境・社会面の配慮に関する何らかの証明書について
「パートナーシップ構築宣言」の公表
熊谷組は経団連会長、日商会頭、連合会長および関係大臣等により創設された「パートナーシップ構築宣言」の内容に賛同し、公表しました。
当宣言は、新型コロナウイルス感染症の影響等により、中小企業・小規模事業者に経営環境悪化のしわ寄せが及ばないよう取引適正化等を促進し、大企業と中小企業の共存共栄の関係を構築することを目的として、各企業が(1)サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携(2)親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守について取り組むことを宣言するものです。

協力会社とのパートナーシップ
熊栄協力会
「熊栄協力会」は、熊谷組の協力会社884社を中心に組織されています。「熊谷組と熊栄協力会会員相互が良きパートナーとして連携協力しながら、QCDSE全般にわたり活動し、良好な職場環境づくりを推進する」という方針のもと活動しています。
熊栄協力会は、「安全・品質・環境・労務」の更なる向上を目指す協力会社組織として、当社のサプライチェーンにおける安全や品質の向上に大きく寄与しています。
2024年度より各地で地震や豪雨による浸水被害が頻発する等自然災害の応急復旧・復興を担う我々建設業の社会的な役割を再認識しています。熊谷組と熊栄協力会は、災害時の応急復1日業務に対応するために結成された「KUMA-DECS(クマデックス)」構成会社17社を中心として早々に復旧作業を開始し、1日も早い復興を目指して災害対応に努めています。
また、2024年度より全国で青年部会を発足させ、現在9支部112名が活動しています。2026年2月に開催された良好事例発表会では、3支部が青年部会活動の発表をし、そのうちの一つが最優秀賞を受賞しました。また、同月に全国青年部会交流会も開催され、活動は年々盛んになっています。熊谷組は、各支部の青年部会の交流を積極的に支援し、互いの知見や技術を吸収し合う研鑽の場を提供していきます。また、当社若手社員とのネットワーク構築を推進することで、共に未来の建設現場を支える強固な信頼関係の構築と、魅力ある職場環境づくりを目指します。
そして、技能者のキャリア形成を支援し、働きがいのある現場を実現するため、「建設キャリアアップシステム」(CCUS)の積極的な活用を推奨しています。パートナー企業各社が本システムを導入することは、「人財を大切にする」という姿勢を示す強力なメッセージとなり、優れた技能者の確保・育成に直結します。当社は、パートナーとの強固な信頼関係のもと、次世代の建設業を支える共存共栄の仕組みづくりに努めています。
業務改善・創意工夫提案制度
熊谷組および協力会社の安全・品質の向上、業務・作業の効率化、低コスト化等を目的として、「業務改善・創意工夫提案制度」を設けています。業務の改善、創意工夫、アイデアの提案を当社社員、協力会社社員から広く募集し、2025年度は92件の応募がありました。優秀な提案は表彰するとともに当社と協力会社共通のデータベースに登録し、各本部・支店、作業所で採用され、安全、品質、環境、生産性の向上に役立てています。
外国人技能者の環境づくりに向けた取組み
熊谷組では、担い手確保の一環として、外国人技能者が安心して長く働くことのできる職場環境づくりを進めています。その具体化に向けて「外国人技能者の環境づくりワーキンググループ」を設置し、熊栄協力会と連携しながら施策を推進しています。
同ワーキンググループでは、以下の4つのテーマを中心に活動しています。
- 外国人技能者の労働災害低減に向けた取組み
- 作業所における外国人技能者の受け入れ環境の整備
- 外国人技能者のキャリア形成の支援
- 外国人技能者の採用の促進

2025年度は、熊谷組の作業所を対象に外国人技能者の就労状況に関する調査を実施し、受け入れ状況や課題の把握を行いました。また、熊谷組の役職員と協力会社を対象として、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)による講演を実施するなど、外国人技能者への理解促進に努めています。
今後も、外国人技能者が安全かつ安心して働くことのできる環境づくりを推進するとともに、多様な人財が活躍できる持続可能な施工体制の構築を目指します。
リスクと機会
| 個別課題 | 未対応時のリスク | 機会 |
|---|---|---|
| サプライチェーン・マネジメントの強化 |
|
|