平成28年11月16日

台北にそびえたつ二重螺旋の超高層デザイナーズマンション「陶朱隠園」が上棟

 株式会社熊谷組(取締役社長 樋口 靖)の100%子会社である華熊營造股份有限公司が台湾台北市で施工する超高層デザイナーズマンション「陶朱隠園」が上棟しましたのでお知らせいたします。

1.プロジェクトの概要

 株式会社熊谷組の100%子会社である台湾の現地法人 華熊營造股份有限公司が建設する超高層デザイナーズマンション「陶朱隠園」(タオヂュインユェン)が、平成28年11月16日に上棟を迎えました。

上棟した陶朱隠園(左は2004年に熊谷組が施工した台北101)

 このマンションはDNAの二重螺旋(らせん)構造のような斬新なフォルムで、着工前から台湾だけでなく海外からも多くの注目を集めてきました。基本設計は、フランスの建築家Vincent Callebaut(ヴィンセント・カレボー)氏が担当。バルコニーに庭園を重層的に配置して都市環境に配慮し、有機性廃棄物の再利用の他、BIPV(建物一体型太陽発電)や雨水のリサイクル等、環境負荷の低減を考慮した設計がなされています。
 また、基礎免震として、アメリカEPS社の免震システム(すべり振り子型免震装置)を採用し、建物中央のコア部から左右に張り出すウイング部は二層一体型トラス構造を使用することで、奇数階住宅内は柱のない空間になり、玄関扉からの135度の眺望を可能にしています 。

台北101の展望台から見た陶朱穏園
上棟した陶朱穏園

 建物の中央コアには多機能エレベーターがあり、愛車を玄関先まで乗りつける事ができる計画です。このエレベーターにより、緊急時には救急車が各戸玄関前まで乗りつける事ができ、プライバシーを確保しつつ、安全且つ速やかな搬送をすることができます。

 建物地上部は構造体を2フロア分の高さのトラスを中央コアとメガカラムに架け渡す構造となっており、左右のウイング部が中央コア部分を中心にフロア毎に4.5度ずつ回転し、ウイング先端のメガカラムがねじれた形状となっています。
 この複雑な構造の設計と施工には、台湾のランドマークとなった「台北101(台北国際金融センター)」(建設当時、世界一の高さ(508m尖塔含む))の建設に携わった熊谷組や華熊営造などのチームの経験が十分に生かされています。また、鉄骨の建方には、熊谷組が開発した「ワイヤーレス建方工法 エースアップ」を使用。これは、柱にストレスを与えずに躯体施工を可能にする画期的な方法で、東京スカイツリーの建設にも採用されています(販売は、熊谷組グループのテクノス株式会社が行っています)。
 日本、台湾、ヨーロッパ、米国の英知と技術を集結した超高層マンション「陶朱隠園」。その姿は国際建設業界の未来を指し示すものとして、台湾の地で具現化しようとしています。

盛大に執り行われた上棟式

2.工事概要

  建物名:陶朱隱園 (タオヂュインユェン)
  場所:台湾省台北市信義區松高路68號
  発注者:中華工程股份有限公司
  基本設計者:Vincent Callebaut
  実施設計者:元宏聯合建築師事務所
  結構設計:傑聯國際工程顧問有限公司 (King-Le Chang & Associates)
  施工者:華熊營造股份有限公司
  工期:2013年8月1日~2017年9月30日(50カ月)
  用途:高級住宅(分譲)
  敷地面積: 8,160㎡
  建築面積: 3,263㎡
  延床面積:42,927㎡
  構造:S造21/4 (2戸/F×20F=40戸)
  基礎構造:杭68本 (最大径250cm)
  高さ:93.2m
  掘削深さ:20.05m
  EV=客用2台 多機能用1台 非常用4台
  駐車台数=車238台 バイク274台
  工事範囲:構造、外構、設備、共用部分仕上げ含む
  仕上げ工事:内装はスケルトン

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株式会社熊谷組 経営企画本部 広報部 (電話03-3235-8155)