- Pick up
「CLT DESIGN AWARD 2025 -設計コンテスト- 」で環境大臣賞を受賞

3月6日、当社社員によるチームが応募した作品『さともり ブランチ こもれみち』が、「CLT DESIGN AWARD 2025 -設計コンテスト- 」で環境大臣賞を受賞しました。
1. 受賞式概要
- 開催日
2026年3月6日 - 会場
木材会館7階 大ホール(東京都江東区新木場) - 受賞名
「CLT DESIGN AWARD 2025 -設計コンテスト-」環境大臣賞 - 受賞メンバー
株式会社熊谷組設計本部設計第1部第1グループ 多田 翔哉
同プロジェクトグループ 山田 優輔
同設計第1グループ 髙木 梨紗子
同設計第2グループ 石川 天
2. 「CLT DESIGN AWARD 2025 -設計コンテスト-」
CLT(Cross Laminated Timber)の特性や魅力を活かし、創造性と環境配慮を兼ね備えた実現可能なCLT建築の設計提案を募集し、優れた作品を表彰するもの。コンテストを通じてCLTの普及促進やCLTを活用した工法・技術の新たな開発を後押しし、都市における木造・木質化のさらなる推進、そして持続可能な建築の実現を目指しています。
今年度のテーマは「いきいきと暮らす、高齢者のための生活拠点」。元気な高齢者が自立した暮らしを楽しみながら、人や地域とのつながりを感じられる、新しい集合住宅型の住まいの提案が募集されました。
応募総数71点の中から大臣賞3点、日本CLT協会賞2点、日本CLT協会賞学生賞2点が選ばれ、当社社員の作品は環境大臣賞を受賞しました。当社は2023年度に環境大臣賞を受賞した作品『Re下谷小学校-CLTを用いた既存ストックの再生-』に続き、2度目の受賞となりました。
CLT(Cross Laminated Timber)とは
ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料。厚みのある大きな板で、建築の構造材のほか、土木用材や家具などにも使用されています。木材特有の断熱性と壁式構造の特性を活かし、戸建て住宅や中層建築物の共同住宅、高齢者福祉施設の居住部分、ホテルの客室などに用いられています。
CLTは構造躯体として建物を支えると共に、断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的な効果も期待できます。
3. 受賞概要
環境大臣賞 『さともり ブランチ こもれみち』
株式会社熊谷組 多田 翔哉、山田 優輔、髙木 梨紗子、石川 天
コンセプト
さとやま・さとうみの故郷 ―輪島
高齢化が進行する中で震災・豪雨の被害を受けたこのまちに、安全安心な暮らしを守り、
再び生まれる豊かなコミュニティを育む「さともりの建築」を提案する。
斜めカットしたCLTパネルで構成される「ブランチコラム」は、枝状に張り出してスラブを直接支持するだけでなく、
木立のような立姿の建築となって小さな居場所をいくつも生みだしている。
時には学童に通う子供たちが、時には出張朝市に立ち寄る地域住民がみちを介して行き交い、住まい手とつながる。
街とつながるみち、多世代をつなぐみち、いくつもの居場所をつなぐみち―
木立のような「さともりの建築」は、枝葉が木漏れ日を落とすように、
ここに住まう高齢者や地域の子供たち・人々が交歓する居場所―「こもれみち」をつくる。

4. 作品講評
本作品は、石川県輪島市を想定して計画されたもの。
CLTを使用した3階建ての木造建築で、2階、3階が居住スペース、1階は共用空間として、街の人々が通り抜けできる道があり、地元の神社の参道ともつながっていることが大きな特徴である。
地域社会とのつながりを意識した空間計画がなされていることと、外からも中からも木の存在感をたっぷりと感じられることが高く評価された。
CLTの使い方としてはシンプルで、特に1階の共用部分では斜めにカットしたCLT版を柱と梁に採用し、力学的な整合性とデザイン的な演出を両立させた面白い空間が構成されている。
こうした柱を利用して、ベンチや本棚などを設置するといった細部の工夫も注目された。特に共用部分から3階まで抜ける大きな吹き抜けは上回の圧迫感が感じられない設計がなされており、本作品の魅力を際立たせている。
CLT材として能登ヒバを使う想定となっている点も注目された。
5. 受賞者からのコメント
「CLT DESIGN AWARD 2025」は、昨今の木造化・木質化推進の社会情勢において、CLTという比較的新しい材料を用いた提案が求められる設計コンテストです。
私たちは今回、住宅と共用施設の複合的な用途の建築の提案をするにあたって、石川県輪島市を敷地に選定し、「ブランチコラム」と名付けたCLT架構による空間的な提案と、建築物の耐震性・快適な住環境を確保するための構造的な提案の2つに重点をおいていました。
このコンテストを通じて、CLTに関する知見を得るだけでなく、輪島市が現状抱えている課題について思慮する、大変貴重な機会となりました。この経験を実務に活かせるよう今後も精進してまいります。
株式会社熊谷組
設計本部設計第1部設計第1グループ 多田 翔哉