- プレスリリース
天井クレーンの吊荷直下を可視化する安全確保システムを開発
2026年07月13日
株式会社熊谷組(代表取締役社長 上田 真)は、屋内作業における天井クレーンの吊荷直下の状況を可視化し、作業者の立ち入りをリアルタイムに検知して警告する安全確保システムを開発しました。
1. 開発背景
屋内での天井クレーンによる吊荷落下事故は重篤な事故を招く恐れがあり、危険を自動判定して警告を発報するシステムの導入が求められていました。吊荷の位置を正確に把握するために利用されるGNSS(Global Navigation Satellite System)などの衛星測位システムは、電波が遮られる屋内環境で十分な精度を期待できません。
そこで当社は屋内でもクレーンの位置を正確に把握し、同時にAI(Artificial Intelligence)による物体認識で作業者をリアルタイムに検出・警告する新しい安全確保システムを開発しました。
2. 概要
本システムは、クレーンに接続したレーザー距離計による正確な位置把握と、広角カメラの映像からAIで作業者をリアルタイムに検出する機能を組み合わせたものです。作業者と吊荷の位置関係を画面上の鳥瞰図へマッピングします。
吊荷の周囲に設定された安全円(立ち入り禁止エリア)に作業者が立ち入った場合に即座に警告を発報することで、現場内の安全を確保します。
3. 特長
本システムは、レーザー距離計を用いた正確な位置計測の結果、インターネット回線と常時接続しているカメラ映像、AIによる物体認識の結果をリアルタイムに取得し、1つのアプリケーション上で一体化している点が強みです。
技術のシステム構成は以下の通りです(図―1)。

- レーザー距離計による位置把握
クレーンの走行・横行の動きを2台の距離計で計測し、吊荷の平面座標を把握します。 - AIによる作業者のリアルタイム検出
インターネット回線と常時接続している2台の広角カメラ映像を利用して、監視アプリケーション内に含まれる物体認識AIが現場の作業者をリアルタイムで検出します。 - 鳥瞰図へのマッピングと作業者の侵入判定
独自の計算処理を用いて作業者の位置を鳥瞰図上へ重ね合わせ、安全円への侵入を瞬時に判定し、画面上で近接検知の警告を発報します。
4. 適用例
茨城県つくば市にある弊社技術研究所内の天井クレーンに本システムを試験導入し、実証実験を行いました。
実証実験では安全を期して空荷の状態で作業者を配置し、2台の距離計から1秒間隔で安定して測距データを取得し、鳥瞰図上で吊荷の位置(「+」と印字)と安全円を描画できるとともに「近接検知」と表示されることを確認しました(図―2)。
作業者の向き(正面・側面・背面)に関わらず、概ね良好な検知性能(検知率の平均値が約90%)を確認しました。

5. 今後の展望
今後は、物体認識AIの学習用データを拡充することで作業者検出の信頼性を高めます。また、距離計を使わずにカメラ映像だけで吊荷の位置を特定する技術を確立し、導入コストの削減を推進します。さらに、映像取得から画面反映までのタイムラグを最小化し、即応性の高い安全監視体制の構築を目指します。
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本リリースについてのお問い合わせ先
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