- プレスリリース
超高密度ナノバブルによる脱炭素化への取り組み~建設機械の燃料消費量の低減効果を実証~
2025年11月19日
株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:上田 真)は、建設機械の燃料に超高密度ナノバブルを混入させることで、燃料消費量の低減効果を実証しました。
本実証試験は、株式会社安斉管鉄(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:安斎 聡)、東京システムズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:後藤 雅則)、丸紅エネルギー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 康昭)の協力のもと、熊本県発注の大切畑ダム堤体復旧工事にて実施しました。
1. 背景と目的
近年、気候変動対策としてカーボンニュートラルの実現が国際的な共通目標となっています。
建設業界においても、地球温暖化の原因とされるCO2排出量の削減は喫緊の課題です。特に、建設現場で使用される重機やクレーンなどの大型建設機械から排出されるCO2の削減が強く求められています。
ナノバブルによる燃料の燃焼効率改善や燃料消費量の低減効果は、一部分野で確認されていましたが、装置の複雑さやコストが普及の障壁となっていました。
そこで当社は、安価で簡素な超高密度ナノバブル発生装置に着目し、建設機械での燃料消費量の低減効果を検証するために本実証実験を行いました。
2. 超高密度ナノバブル技術の特長
一般的な水中の泡は直径100㎛(マイクロメートル)程度ですが、ナノバブルは、特殊な装置で生成された直径50㎛以下の微細な泡が、自己収縮して50~300㎚(ナノメートル)サイズになったものを指します(図1)。
今回使用した技術の最大の特長は、ナノバブルの密度にあります。従来の装置では最高1mLあたり1億個が限界でしたが、この技術では1mLあたり10億個以上という超高密度を実現しました。
この超高密度ナノバブルを燃料に溶け込ませることで、燃料の粘性を低減させ、燃焼効率が向上します。結果として燃料消費量の改善とCO2排出量の削減が期待できます。

3. 実証試験結果
大切畑ダム堤体復旧工事現場において、1.4m³バックホウ、0.8m³バックホウ、45kVA発動発電機の3機種に超高密度ナノバブル発生装置を設置し、燃料消費量の比較試験を実施しました(写真1、2、3)。
その結果、全ての試験機械において、超高密度ナノバブル発生装置を使用した場合に燃料消費量の低減効果が確認されました(図2)。




4. 今後の展開と持続可能な社会への貢献
今後は脱炭素化に向けた建設機械の燃料消費量の低減によるCO2排出量の削減のため、超高密度ナノバブル技術を積極的に他工事に展開する予定です。
また、従来のナノバブル技術は、水質浄化や農業分野で広く活用されています。今回の超高密度ナノバブル技術も、燃料消費・CO2排出量削減という建設分野の枠を超え、様々な分野での応用が期待され、持続可能な社会への貢献が期待できます。
5. お問い合わせ先
本リリースについてのお問い合わせ先
株式会社熊谷組 経営戦略本部 広報部
電話:03-3235-8155
技術に関するお問い合わせ先
株式会社熊谷組 土木事業本部 土木技術統括部 環境事業部
https://www.kumagaigumi.co.jp/contact/tech-solution/