木質耐火部材「環境配慮型λ-WOODⅡ®」 建築基準法改正に対応した梁の90分耐火大臣認定取得
2023年09月12日
株式会社熊谷組(取締役社長 櫻野 泰則)は、木質耐火部材「環境配慮型λ-WOODⅡ🄬」梁の90分耐火大臣認定を取得しました。
令和5年4月に施行された建築基準法改正に伴い、建築物の耐火基準として新たに90分耐火構造が導入されました。これにより、建築物の5階以上9階以下の主要構造部に要求される耐火性能がこれまでの120分から90分に緩和され、中大規模建築物における木造化の促進が図られます。
※環境配慮型λ-WOODⅡ🄬(ラムダウッド・ツー)
熊谷組が独自に開発した木質耐火部材。①施工手間の軽減、②工期短縮、③木材と被覆材の分別廃棄を可能とする環境配慮性などの特長があります。「環境配慮型λ-WOODⅡ」は株式会社熊谷組の商標です。
開発の背景
令和5年4月に建築基準法施行令の一部が改正され、建築物の耐火基準(火災時の倒壊防止のために柱、梁等が耐えるべき時間)について、60分刻みから30分刻みに精緻化され、新たに90分耐火構造が導入されました。これまでは建物の5階以上14階以下を120分耐火構造とすることが求められていましたが、改正により5階以上9階以下を90分耐火構造とすることが可能となりました。この耐火性能基準の合理化により、木造による耐火設計ニーズの高い中層建築物の木造化が推進されることが期待されます。
当社では、2021年度から取り組んでいる中期経営計画において中大規模木造建築分野を重点分野と位置付け、注力しています。特に木造耐火技術については、都市部での中高層建築を実現するうえで必須となるため、木質耐火部材「λ-WOODシリーズ」の開発に取り組んでいます。
断熱耐火λ-WOODについては柱・梁・床・壁のすべての主要構造部において1,2,3時間の耐火大臣認定を取得していますが、環境配慮型λ-WOODⅡ🄬においても昨年度認定を取得した柱・梁1,2時間に加え、今年度は柱・梁の3時間、床・壁の1,2時間の耐火大臣認定取得を予定しています。これにより、すべての耐火建築物に木造が適用可能となります。
今後も、中大規模木造建築の競争力強化に向け、木造関連技術の更なる技術開発を進めていきます。
技術の概要
本技術の概要を以下に示します。
1.熊谷組独自の木質耐火部材である環境配慮型λ-WOODⅡ🄬において梁90分耐火の大臣認定を取得。
2.耐火性能が120分から90分になることにより、被覆厚および被覆枚数が減少し、施工手間が軽減。
3.令和5年8月29日付けで認定が交付され、梁90分の耐火構造においては基準法改正後第一号の事例(FP090BM-0753)。
お問い合わせ先
[本リリースに関するお問い合わせ先]
株式会社熊谷組 経営戦略室
広報部 電話03-3235-8155
[本製品に関するお問い合わせ先]
株式会社熊谷組 技術本部
新技術創造センター 木材利用開発グループ 電話 03-3235-8617