「シリーズ 建築の音環境入門 15周年記念号」を刊行しました
2023年04月03日
株式会社熊谷組(取締役社長 櫻野 泰則)らで構成する床衝撃音研究会は、このたび山下恭弘信州大学名誉教授監修のもと「シリーズ 建築の音環境入門 15周年記念号」を刊行しましたのでお知らせします。
※床衝撃音研究会(会長 山下恭弘信州大学名誉教授)
床衝撃音研究会は共同住宅のよりよい音環境の研究を目的として、2006年に山下恭弘信州大学名誉教授の指導のもと設立され、株式会社熊谷組(取締役社長 櫻野 泰則)、泰成株式会社(代表取締役社長 清水 雅弘)、フジモリ産業株式会社(代表取締役会長兼社長 藤森 行彦)、野原産業株式会社(代表取締役社長 髙阪 貴夫)、万協株式会社(代表取締役社長 清水 雅弘)、有限会社音研(代表取締役 石川 義治)で構成されています。
1.15周年記念号の内容
床衝撃音研究会では、2008年からデベロッパーや設計事務所、建設会社などの技術者向けに小冊子「シリーズ 建築の音環境入門」を発刊してきました。2017年3月に、100号記念号として、「実務者のための建築音響設計法」を発刊いたしました。音環境についてわからないことがあったときに、すぐ見ることができ、必要に応じてどのような音環境対策をしたら良いかわかる構成としています。
この発刊から5年が経過し、読者から最新の知見を加えた改訂版を作成してほしいと要望があり、編集委員会で改訂すべき項目を検討し、このたび「シリーズ 建築の音環境入門 15周年記念号 実務者のための建築音響設計法(改訂)」として発刊しました。
本号は「第1章 建築音響の基礎」「第2章 室内静謐性能・空気音遮断性能」「第3章 床衝撃音遮断性能」「第4章 実務的な建築音響設計法」「第5章 騒音に係る環境基準」「第6章 航空機音(参考)」の6章で構成されています。第5章、第6章は、新たに章を設けました。また、「第4章 実務的な建築音響設計法」「第6章 航空機音(参考)」については、マイクロソフト®の表計算ソフトウェアExcelによる計算シートを用意しました。使用希望の方は無償で提供します。
計算シート:
① 外部から入射する音の予測計算シート
② 室内外差圧および玄関ドアの開放力の予測計算シート
③ 航空機音予測計算シート
④ 重量床衝撃音遮断性能の予測計算シート※
※「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法の解説(改訂3版)」の刊行(2021年)と併せて
公開しています。2023年1月より最新版の予測計算シート(Ver.3.3)を公開しています。
シリーズ 建築の音環境入門 15周年記念号 目次
第1章 建築音響の基礎 | 2 | 2)室内外差圧の予測計算法 | 24 |
1.1 基礎的な用語 |
2 |
3)予測計算例 | 26 |
1.2 評価指標 | 6 | 4.2 界壁の空気音遮断性能 | 29 |
1)2室間の室間音圧レベル差の予測計算法 | 29 | ||
第2章 室内静謐性能・空気音遮断性能 | 12 | 2)2室間の室間音圧レベル差の予測計算例 | 29 |
2.1 外部から室内に入射する音 | 12 | 4.3 重量床衝撃音遮断性能 | 30 |
1)設計目標値の設定 | 12 | 1)インピーダンス法による予測計算法 | 30 |
2)設計・施工上の留意点 | 12 | 2)予測計算例 | 33 |
3)竣工時の測定・評価方法 | 13 | ||
2.2 共用設備機器稼働音 | 14 | 第5章 騒音に係る環境基準 | 38 |
1)設計目標値の設定 | 14 | 5.1 騒音影響に関する屋内指針の設定 | 38 |
2)設計・施工上の留意点 | 14 | 5.2 建物の防音性能 | 38 |
3)竣工時の測定・評価方法 | 14 | 5.3 時間帯の区分 | 38 |
2.3 固体伝搬音 | 15 | 5.4 対象騒音の範囲 | 38 |
1)設計目標とする評価値の設定 | 15 | 5.5 一般地域における環境基準の指針値 | 38 |
2)設計・施工上の留意点 | 15 | 5.6 道路に面する地域の範囲等 | 39 |
2.4 空気音遮断性能 | 15 | ||
1)設計目標値の設定 | 15 | 第6章 航空機音(参考) | 41 |
2)設計・施工上の留意点 | 15 | 6.1 航空機音の予測法 | 41 |
3)竣工時の測定・評価方法 | 17 | 6.2 予測値と実測値の対応 | 42 |
第3章 床衝撃音遮断性能 | 18 | 参考資料1 関連する法規 | 43 |
1)設計目標値の設定 | 18 | 参考資料2 関連する日本産業規格 | 43 |
2)設計・施工上の留意点 | 18 | 参考資料3 学会から出ている各種基準 | 44 |
3)竣工時の測定・評価方法 | 20 | 参考資料4 環境基準 | 44 |
第4章 実務的な建築音響設計法 | 22 | 索引 | 44 |
4.1 室内静謐性能 | 22 | ||
1)各経路から入射する音の予測計算法 | 22 |
計算シートを希望される場合は、 研究会参加の各社担当へお問い合わせください。
2.シリーズ 建築の音環境入門 のこれまでの歩み
床衝撃音研究会では、2006年2月に「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法の解説」を刊行し、翌年7月に「集合住宅の音環境-乾式二重床のQ&A-」を刊行しました※。その後、読者から「建築の音環境を判りやすく理解できる小冊子を発刊してほしい」との要望があり、「シリーズ 建築の音環境入門」を2008年11月より刊行してきました。
本シリーズは、デベロッパー、設計事務所、建設会社などの皆様にどのような内容が望ましいかなどの意見や要望を伺いながら、「読みやすくわかりやすい内容」と「適度なボリューム」とすることを編集方針として掲げ、信州大学山下恭弘名誉教授の監修のもとに制作しています。
※「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法の解説」および「集合住宅の音環境-乾式重床のQ&A-」は現在改訂3版
3. 今後の展開
引き続き共同住宅の音環境に関する重要なツールとして位置づけ、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提供していく予定です。さらに、本書をご覧になった方からの質問や忌憚のない評価・意見をふまえ、より読みやすく有用な手引書として制作していく方針です。
問い合わせ先
【本リリースに関する問い合わせ先】
株式会社熊谷組 経営戦略室
コーポレートコミュニケーション部 電話03-3235-8155
【技術に関するお問い合わせ先】
株式会社熊谷組 技術本部 技術研究所 環境工学研究室
電話:029-847-7505
泰成株式会社 開発技術グループ
電話:0265-83-1138
フジモリ産業株式会社
建材事業部
電話 03-5339-8540
野原産業株式会社
設計・積算サービス部
電話 03-3355-4809
万協株式会社
営業部
電話 03-5424-0707
有限会社 音研
電話 03-6262-9930