米ダラス近郊にマスティンバー建築の木造7階建てオフィス ~ESGに配慮、CO2排出量を大幅削減~
2022年12月26日
住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)、飯野海運株式会社(社長:當舍 裕己 本社:東京都千代田区)、株式会社熊谷組(社長:櫻野 泰則 本社:東京都新宿区)は米テキサス州ダラス近郊で木造7階建てESG配慮型オフィスの開発に参画します。3社は米大手デベロッパーCrow Holdings(開発部門CEO:Ken Valach 本社:テキサス州ダラス 以下CHO)と特別目的会社(SPC)を設立し、マスティンバー建築※1の大規模木造オフィスを建設します。一般的な鉄筋コンクリート(RC)造に比べCO2排出量を大幅削減します。総事業費は約122百万USD(約166億円※2)で2023年10月の完成を目指します。
物件の特徴
テキサス州ダラス北部のフリスコ市に賃貸面積22,548㎡の木造7階建てオフィスを開発します。利便性に優れた立地に加え、木材の炭素固定効果などによる環境性能、従業員の健康や働きやすさにも配慮した設計・デザインが特徴です。CO2排出量を見える化するソフトウェア「One Click LCA※5」による試算では、RC造と比べ建てるときのCO2排出量を約2,600トン削減できるほか、建材等に用いる木材が約3,800トンの炭素を固定します※6。マスティンバーの採用により建設現場での作業を効率化し、RC造に比べ工期短縮も見込めます。
梁や柱は現しとし、木質感あふれる快適な空間を楽しめます。外部からもマスティンバーが見え、木質感や環境面での優位性もアピールできます。隣地には約93,000㎡の緑地公園を整備し、公園を臨むテラスをオフィスの全階に設置。ジム、レストラン、コーヒーショップなども誘致します。環境認証(LEED※3)やウェルネス認証(Fitwel※4)の取得を目指し、ESGを重視するテナントに環境的・社会的な付加価値の高いオフィスを提供します。
開発地域・立地の特徴
フリスコ市は全米平均を上回る人口増加率、雇用成長率を誇ります。企業誘致にも積極的で税制優遇等の様々な施策により、オフィス移転先としても人気の高い地域です。開発エリアはDFW国際空港、ダラスのダウンタウンから20分前後の交通の要所に位置しながら、閑静で緑豊かな住宅地に隣接しています。商業地区、スポーツ・娯楽施設などへのアクセスも良く、エンターテイメントの要素も兼ね備えた立地が魅力です。本オフィスはマスタープランの一部として開発、周辺では集合住宅、オフィス、ホテル等の建設が予定されています。
プロジェクトスキーム
住友林業の100%子会社SFA MF Holdings、飯野海運の100 %子会社IKK USA LLC、熊谷組による日系JVとCHOが共同出資したSPCが開発します。住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメント株式会社がプロジェクトを取り纏め、日本企業間やデベロッパーとの調整をサポートします。
国内外で中大規模木造建築の開発を推進する住友林業、サステナビリティへの取組と不動産業でのグローバル展開を強化する飯野海運、中大規模木造建築の技術開発を進める熊谷組のビジョンが一致し、本件が実現しました。今後も各社の特徴や知見を活かしつつ、継続して国内外の市場での事業機会を検討、収益拡大に向けた取り組みを推進します。
※1. 複数の木材を組み合わせて成形した比較的質量の大きいエンジニアードウッドを利用した建築。
※2. 1USD=136.25円(2022年12月1日の為替レートで計算)
※3. USGBC(US Green Building Council)が開発及び運用を行っている、建物と敷地利用についての環境性能評価システム。
※4. 米国連邦政府調達局(GSA)と疾病管理予防センター(CDC)が主導で開発した建物利用者の健康、労働環境等を評価・認証する仕組み。
※5. 住友林業が日本単独代理店契約を締結したソフトウェア。建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄時のCO2排出量(建てるときのCO2排出量)を精緻に算定できる。関連リリース:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-08-08.html
※6. 建てるときのCO2排出量はオフィスと駐車場棟を対象に試算。工事図面をもとにフレーム、カーテンウォール、基礎など主要な構造部分を評価。炭素固定量はオフィス棟を対象に試算。
開発イメージ
物件概要
物件名 | :Southstone Yards Office-B |
所在地 | :テキサス州ダラス近郊フリスコ市 |
賃貸面積(予定) | :22,548㎡ (242,701平方フィート) |
構造 | :1階 鉄筋コンクリート造、2~7階 木造 |
着工 | :2022年8月 |
竣工(予定) | :2023年10月 |
Crow Holdings社概要
本 社 | :テキサス州ダラス |
代表者 | :Ken Valach (開発部門CEO) |
沿 革 | :1948年に創業した米国の大手総合不動産会社 |
事業概要 | :集合住宅、物流施設、オフィスの開発事業と、稼働物件を取得・運営するアセットマネジメント事業を 全米各地で展開。70年以上の歴史があり、これまでにアセットサイズ合計で120億USDの開発案件 を手掛けている。同社傘下の集合住宅開発会社Trammel Crow Residential社と住友林業グループ はシアトルで2018年着手のAlexan Heartwood (イサクア市)、2021年着手のAlexan Alderwood (リンウッド市)とAlexan Bothell(ボゼル市)、2022年着手のAlexan Woodinville(ウディンビル市) の4件の集合住宅開発で協業実績がある。 |
SFCアセットマネジメント株式会社概要
本 社 | :東京都千代田区大手町 |
代表者 | :吉澤雄次郎(代表取締役社長) |
設 立 | :2020年11月 |
事業概要 | :住友林業グループ等が組成する投資ファンドに関する投資助言業務 |
本件に関するお問い合わせ先
株式会社熊谷組
経営戦略室コーポレートコミュニケーション部広報グループ
TEL:03-3235-8155