- プレスリリース
木造耐力壁の日本一を決める大会"カベワンGP2025"にて、熊谷組が総合優勝!
2025年10月31日
株式会社熊谷組(代表取締役社長 上田 真)は、10月4日・5日に埼玉県行田市のものつくり大学で開催された「カベワンGP2025」に出場し、総合優勝、トーナメント準優勝、耐震部門賞を受賞しました。
壁-1グランプリ実行委員会が主催する同大会は、木造耐力壁の設計・施工・解体を参加チーム自ら行い、その耐震性・デザイン性・施工性・環境性などの総合的な性能を競い合う対戦イベントです。
熊谷組の有志メンバーによるチームが設計製作した木造耐力壁「ひみつのシアキーちゃん」は、トーナメント部門で準優勝したほか、耐震部門賞を受賞。さらに、最もコストパフォーマンスが高い耐力壁として、総合優勝を果たしました。
1. カベワンGPとは
「カベワンGP(壁-1グランプリ)」は、木造建築における技術の発展と、人材育成を目的とした、木造耐力壁の強さと性能を競い合う実践的なイベントです。1998年から20年続いた「木造耐力壁ジャパンカップ」を前身とし、2018年から「カベワンGP」として引き継がれて開催されています。毎年、専門学校・大学・ゼネコン・ハウスメーカー・プレカット会社など、様々なチームが参加しており、第8回大会となった今回は、事前審査を突破した合計12チームが参加しました。
カベワンGPでは、「トーナメント優勝」と「総合優勝」の2つの大賞が用意されています。
「トーナメント優勝」は、トーナメント対戦を最後まで勝ち残った壁に与えられる賞です。トーナメント対戦では、2チームの壁を並べて設置し、両者を油圧ジャッキで繋いで綱引きの要領で引き合い、先に壁が破壊したほうが敗退となります。
「総合優勝」は、総合評点※(コストパフォーマンス性)が最も高い壁に与えられる賞です。総合評点※とは、トーナメント対戦により得られた最大耐力と耐震評点のほか、審査員採点によるデザイン評点の性能評点を、材料費・加工費・施工費・環境負荷費のコストで除すことで算出されます。
- 総合評点=(最大耐力点+耐震評点+デザイン評点)÷(材料費+加工費+施工費+環境負荷費)

| 主催 | 壁-1グランプリ実行委員会 |
|---|---|
| 協賛 | 株式会社AQ Group、株式会社篠原商店、前田建設工業株式会社、株式会社熊谷組、株式会社シネジック、東京木場製材協同組合、株式会社ポラス暮し科学研究所 |
| 協力 | 株式会社東京測器研究所、ものつくり大学 |
2. 「ひみつのシアキーちゃん」と挑んだ熊谷組の戦い
熊谷組が初出場した2024年の大会では、残念ながらシード権を獲得できず、無冠という結果に終わりました。2025年大会に向けて実験と改良を重ね、今回出場した木造耐力壁「ひみつのシアキーちゃん」を考案しました。
「ひみつのシアキーちゃん」は、柱と、高さの異なる3枚の壁材を、合計15枚のシアキーで接続した壁です。シアキーとは、部材と部材の間にはめ合わせて配置し、部材同士のずれを抑制する機能を持つ接合部材です。「ひみつのシアキーちゃん」では、意匠性に配慮し、シアキーをすべて壁材の内部におさめています。地震時等に水平方向の力が加わった際は、シアキーのめり込み抵抗が発揮され、高耐力かつ高靭性(粘り強さに優れていること)の耐力壁となっています。また、シアキーを含めて耐力壁を構成する木材をすべてヒノキの集成材にそろえることで、統一感と材料手配の容易さも実現しています。

熊谷組は本大会のトーナメント対戦において、3回勝ち抜きましたが、惜しくも決勝戦で50kN(5ton)を超える熱戦に敗れ、トーナメントは準優勝という結果となりました。
総合評点※におきましては、現行の評価方法が導入された2022年大会以降で2番目に高い点数を獲得し、見事「総合優勝」を飾ることができました。また、耐力壁の地震時等の粘り強さを表す指標である耐震評点において、最も高い評価を得た壁に贈られる「耐震部門賞」も受賞し、本大会で2冠を達成しました。


熊谷組は、カベワンGPを通じて木造建築や構造技術に関する知見を高め、安全で魅力的な木造建築の実現のため取り組んでまいります。
本リリースについてのお問い合わせ先
株式会社熊谷組 経営戦略本部 広報部
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