- プレスリリース
コッター床版品質管理システム「KIS-C」を外部へ提供開始
2024年12月25日
株式会社熊谷組(代表取締役社長:上田 真)は、2022年度より社内向けに開発してきた「コッター床版品質管理システム KIS-C(Knowledge Information System for Cotter Slab)」を、株式会社ファテック(代表取締役社長:青野 孝行)を通じて外部提供します。これにより、コッター床版工法を採用する施工者がKIS-Cを広く利用できるようになります。KIS-Cは7橋梁での導入実績から、現場管理業務を50%削減できることを確認しています。本システムによって、コッター床版工法の品質向上と管理業務の効率化が可能となります。
1. KIS‐Cの開発目的
コッター床版工法の更なる普及が見込まれる中、部材点数が増えることで管理が煩雑になるため、新たな管理手法としてデジタル技術を活用したシステムの開発が必要になりました。このため、社内において、2022年よりKIS-Cを開発・改良してきました。
https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2022/nw-20221219-kisc-1.htmlKIS-Cの導入により、この課題を解決すると同時に現場業務の効率化や品質管理の迅速化・見える化を図ります。また、デジタル化によるペーパーレスの推進、協力業者の支援、入力ミスの防止が期待でき、併せて維持管理への貢献が可能となります。これらにより、業務全体の生産性向上と品質管理の効率化を実現します。


2. 外部提供版KIS‐Cの概要
KIS-Cはコッター床版工法に関連する部材製造工場と施工現場の間でリアルタイムに情報共有し、施工全体の最適化を図るサプライチェーンマネジメントシステムでもあります。
品質管理情報をクラウド上で一元管理し、部材製造工場を含む工事関係者がリアルタイムに情報の共有・連携ができます。また、製造番号と品質管理情報を紐づけることで、製造品質の信頼性向上や業務効率化、施工の品質・生産性の向上が期待できます。
さらに、利用者からの要望を基に、機能の追加と改良を重ね、初めてのユーザーでも視覚的・直観的に使用できるようにしました。
KIS-Cの基本機能
現場アプリ
専用のトルクで締付けを行い、その値が自動で専用の端末へ転送されます。端末の画面でトルク値を確認後クラウドにデータが転送されます。これによりトルク値管理の野帳記入、調書への手入力作業が不要となり業務の省力化を実現します。
トレーサビリティ管理画面(2D)
「トレーサビリティ管理(2D)」では,各床版,継手ごとの現場計測情報を一覧で参照できます。さらに現場で使用することによって、継手の締付け忘れを防止することが可能です。
継手締付けトルク調書
締付けトルク調書の出力や、トルク値が基準値外となった継手位置の参照が可能です。
発注者維持管理業メンテナンス
発注者などの作業所職員以外の方も登録でき、「トレーサビリティ管理(2D)」の機能を共有することができます。
- オプション機能を契約することで、その他の品質管理や現場管理の効率化を図る機能もご利用いただけます。
3. KIS‐Cの機能追加と改良
KIS-Cの外部提供にあたり、利用して得られた課題や要望を基に機能の追加と改良を重ねてきました。具体的な内容は以下の通りです。
- 契約会社が安心・安全にアクセスできるクラウド型のプラットフォームを構築しました。
- 工場生産部材は、コッター式継手、床版に加え、壁高欄・伸縮装置も品質管理ができるように機能の拡張を行いました。
- 発注者をKIS-Cに招待することにより、KIS-Cに取り込まれたデータをリアルタイムで閲覧することができます。
- 目地材や無収縮モルタルの試験を管理する機能では、計測値をモバイル端末に入力することで自動的に処理され、帳票として瞬時に出力することができます。
また、端末を使用しての電子サインにも対応しています。
4. 参考価格
KIS-Cの参考価格は下記となります。
- 初期導入費:30万円~
- システム利用費:5万円/月~
- 資機材レンタル費:10万円/月~
(タブレットPC1台、トルクレンチ2本、整備費・運搬費を除く)
5. 今後の展望
外部提供版KIS-Cの今後の展望として、製造から消費の各部材の流れを容易に管理できる機能や、品質情報を自動的に集約し報告書を作成する機能の開発を計画しています。これらにより、KIS-Cは業務の効率化を更に推進し、強力なサプライチェーンマネジメントシステムとなり、同時にユーザービリティの高いシステムを目指していきます。
そしてKIS-Cは、コッター床版工法の普及を後押しすることにより、床版取替工事の省力化と効率化に貢献します。
お問い合わせ先
本リリースについてのお問い合わせ先
株式会社熊谷組 経営戦略本部 広報部
電話:03-3235-8155
導入に関するお問い合わせ先
株式会社ファテック
電話:03-3235-6268
技術に関するお問い合わせ先
株式会社熊谷組 土木事業本部技術統括部土木DX推進部
電話:03-3235-8627
株式会社熊谷組 土木事業本部技術統括部橋梁イノベーション事業部
電話:03-3235-8646