鉄骨造とCLTのハイブリッド構造「木質耐震垂れ壁構法」を改定
2023年12月19日
~多用途での実現を視野に適用範囲を拡大 ~
株式会社熊谷組(取締役社長:櫻野 泰則)は、「木質耐震垂れ壁構法」の適用範囲を拡大し、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明※1を改定しました。本構法は東京大学(農学生命科学研究科 稲山 正弘 教授)と銘建工業株式会社(代表取締役社長:中島 浩一郎)とで共同開発したものです。 本構法を多様な場面で適用可能とすることで、本構法の採用機会を増やし、中大規模木造建築の実現に貢献します。 |
1.木質耐震垂れ壁構法ついて
熊谷組は2022年に鉄骨造の建物にCLT※2の木質垂れ壁を耐震要素として組み込んだ「木質耐震垂れ壁構法」を開発しました※3。この木質垂れ壁は鉛直荷重を負担せず、地震力のみに抵抗することから木材の「あらわし※4」での利用が可能です。木材をふんだんに使い、室内外から木質感を感じられる空間が期待できる構法です。
2.建築技術性能証明の改定
今般、建築物の多様なニーズにこたえるべく、(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を改定しました(GBRC性能証明 第22-02号 改1)。主な改定内容は、垂れ壁部材の寸法の範囲拡大、柱スパンの範囲拡大です。
追加の実験による性能検証と設計施工指針の更新を行い、適用範囲の拡大を実現しました。
今回の改定により、多様な建物や、建物の多くの箇所に木材を活用することが期待できます。
建築技術性能証明の主な改定内容
主な改訂項目 | 既証明 | 改訂証明 |
木質垂れ壁の断面寸法 | 幅(CLT厚)210mm × 高さ1,500mm | 幅(CLT厚)210mm × 高さ1,500mm、1,050mm |
柱スパン | 6,400mm~7,200mm | 6,400mm~9,200mm |
3.今後の予定
熊谷組では、本構法の実物件採用に向けて積極的に取り組むとともに、都市の木化を通じた持続可能な社会の実現のために、更なる研究開発を進めてまいります。
- 新しく開発された建築技術の性能を(一財)日本建築総合試験所が第三者の立場から審査し、その技術が保有する性能について、性能証明書を発行するもの
- 直交集成板(Cross Laminated Timber)の略
- 『CLTを用いた「木質耐震垂れ壁構法」を開発』https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2022/clt.html
- 木材の構造部材を素材そのままの仕上げとすること
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[本リリースについてのお問い合わせ先]
株式会社熊谷組 経営戦略室
広報部 電話03-3235-8155
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株式会社熊谷組 技術本部
新技術創造センター 木材利用開発グループ 電話 03-3235-8617