「異種強度を打ち分けた鉄筋コンクリート梁工法の 設計法および施工方法」の構造性能評価を取得

2020年06月17日

株式会社熊谷組

 総合建設会社6社(淺沼組、奥村組、熊谷組、五洋建設、鉄建建設、矢作建設工業)は共同で「異種強度を打ち分けた鉄筋コンクリート梁工法の設計法および施工方法」を開発し、日本ERI株式会社の構造性能評価を取得しました。
 今回、性能評価を取得した工法は、断面の上部と下部で強度が異なるコンクリートを使用する梁の設計および施工に関するものです。本工法を採用することで、現場打ちまたはハーフプレキャスト部材において、梁上部とスラブのコンクリートを同じ強度で打設可能となります。
 今後は、各社において設計施工物件を主としたRC建物に適用し、施工の合理化、生産性の向上を推進する予定です。

背景・特長

 鉄筋コンクリート造(以下、RC造)のプレキャスト梁は、梁の下部をプレキャスト(PCa)化し、梁の上部コンクリートを現場打ちとするケースが一般的です。梁とスラブのコンクリート強度が異なる場合、従来技術では下左図に示すようにいくつかのステップを踏むため、現場において多くの時間と労力を費やしていました。

図1 従来技術と本工法との比較
図1 従来技術と本工法との比較

 本工法を採用することにより、梁の上部とスラブを同じコンクリート強度で一度に打設することが可能となります。施工手順の①から③を省くことができ、『施工の合理化、生産性の向上』が期待できます。なお、柱と梁・スラブのコンクリート強度が異なる場合は、柱梁接合部で従来通りの打ち分けが必要となります。

工法の概要

(1)適用範囲

・ 片側もしくは両側にスラブが取り付く梁を対象とします。スラブは0.1Lo(Lo:梁の内法スパン)以上の幅を有し、厚さは梁せいの0.19倍以上とします。

・ 梁上部のコンクリート高さ(梁下部より低い強度の部分)は、梁せいに対して1/2以下の高さとします。

・ 梁上部のコンクリート設計基準強度は、梁下部に対して1/2以上とします。

・ 本工法は、梁プレキャスト工法と現場打設工法のいずれにも適用できます。

図2 適用範囲の概要
図2 適用範囲の概要

(2)使用材料

 先行技術との差別化を図るために、梁の主筋として使える鉄筋をJIS G 3112で定める範囲(SD295~SD490)に加え、大臣認定品である590 N/mm2級も適用できるものとしました。また、せん断補強筋も大臣認定品である1,275 N/mm2級まで使用可能です。

 梁のコンクリート設計基準強度の範囲は、Fc 24 N/mm2からFc 60 N/mm2です。

(3)設計法

 異なる強度のコンクリートが同一梁断面内に存するため、設計時のコンクリート強度として「等価平均強度」という考え方を導入しました。この等価平均強度を用いて、許容応力度設計と終局強度設計を行います。
 等価平均強度とは、スラブが存することによる効果と異種強度コンクリートが混在する影響を同時に考慮した強度です。この等価平均強度に基づいて算定された梁のせん断終局強度(塑性理論式、荒川mean式)が、自社データと先行他社データを安全側に評価できることを確認し、設計指針に取り纏めました。

今後の展開

 今後、共同研究各社において設計施工物件を主としたRC建物に採用し、施工の合理化、生産性の向上を進める予定です。

記事に関するお問合せ先

熊谷組 経営企画本部 コーポレートコミュニケーション室 広報グループ
電話 03-3235-8155