企業倫理の確立とコンプライアンス経営の推進
当社は、経営理念に基づき企業倫理を確立するとともに、コンプライアンス経営を強く推進し、「企業市民」として、 お客様、株主様、地域社会はもちろんのこと、当社の事業活動に関わりを持つすべての関係者(ステークホルダー)にとって、存在価値の高い企業であり続けることを常に行動の基本に置きながら、企業活動を実践しています。
熊谷組行動指針
当社は「熊谷組行動指針」を制定し、行動の原点としています。
主な内容は以下の通りです。
●法と社会的規範の遵守
●社会との調和(環境保全/社会貢献)
●人権の尊重と公平・平等
コンプライアンスに対する基本的な考え方
当社がお客様をはじめ、社会から継続的に評価・信頼を得ていくためには、役職員が自ら日々の行動に責任を持ち、法はもとより、社会良識や企業倫理など社会のルールを遵守し、常にコンプライアンスを意識していくことが必要であると考えています。
コンプライアンス体制
当社のコンプライアンス体制は、本社・支店各部署による自律機能、管理本部その他の専門部署による支援機能、監査室による監査機能、以上3つの内部機能を中心に成り立っています。
具体的には、本社・支店の各部署が、事前判断を徹底のうえ、自律機能として法令を遵守し、これを、管理本部その他の専門部署が支援機能として法務支援を行い、そして、これらの状況を監査室が監査機能として事後的に監査を実施することにより、法令違反の早期発見、未然防止、そして再発防止に努めています。
また、それに加えて、経営から独立組織としての法遵守監査委員会が、社外の観点で定期的にコンプライアンス体制の評価を行い、不具合があれば経営に対して勧告するという体制をとっています。
法遵守監査委員会
当社では2002年6月に「法遵守監査委員会」を設立しています。
同委員会は、社外有識者、社内委員(常勤監査役、コンプライアンス担当役員、管理本部長、経営戦略本部長、監査室長)に加え、弁護士等の社外委員で構成され、熊谷組グループのコンプライアンス体制の強化のために毎年開催しています。当社の業務執行に対する客観的かつ専門的見地からの監視、指導ならびに必要に応じて経営などに対する勧告を行う役割を担っています。
コンプライアンス推進のための取組み
社内通報制度
熊谷組グループでは、コンプライアンス上の問題点の早期把握、是正、防止等を目的として社内通報窓口を設置しております。通報は当社社員のほかにグループ会社社員、協力会社を含めて広い範囲で受け付けることでコンプライアンス違反の根絶に努めています。
また、本制度の実効性を担保するため、匿名による通報の許容、通報者に対する不利益措置の禁止、リニエンシー制度(コンプライアンス違反に関与した者が自主的に内部通報し、調査に協力した場合の懲戒処分等の減免)等を規定しています。
通報があった場合は、通報者が不利益を被らない措置の下で調査が行われ、必要に応じて所管部門による再発防止策が立案、実施された後、社外の弁護士などで構成される法遵守監査委員会に報告されます。
全社員による誓約書の提出
当社は社員一人ひとりが法令遵守を徹底するという意識喚起のため、当社およびグループ会社の役職員は、事業年度の期首に「法令遵守に関する誓約書」(提出率100%)を提出しています。
コンプライアンス・プログラム
法令遵守経営を徹底するため、2004年10月に「コンプライアンス・プログラム」を策定し、導入しています。
コンプライアンス・プログラムは、当社がこれまで制定したコンプライアンスに関する規程、マニュアル類、教育資料などを再編集し、さらに法令遵守強化のための社内規程、行動ルールなどを盛り込み、一体化を図ったものです。
コンプライアンス研修の実施
法令遵守に関する基礎知識向上のため、毎年定期的に、当社とグループ会社の社員を対象に独占禁止法や贈収賄等をテーマに社内研修会を実施しています。
法遵守強化月間
当社では、毎年10月を「法遵守強化月間」として位置づけ、社員のコンプライアンス意識の高揚、日常業務等に潜むコンプライアンスリスクの再点検に努める期間としています。
一つの節目として法遵守強化月間を制定することにより、社員一人ひとりが法令遵守に対して、認識を新たにし、法令遵守に基づいた行動基準を確立することをねらいとして毎年継続実施しています。
協力会社へのヒアリング
当社では、協力会社との取引における不正な経費処理等や不適切な取引等の発生防止、早期発見等を目的として、2022年7月より協力会社に対して、当社社員による不正行為の強要の有無等に関するヒアリングを実施しております。あわせて取引先に対し、当社関係者から不正な要求があった場合は当社の社内通報窓口へ通報すること、不正行為に加担した場合には取引停止等の制裁措置を取ること等を周知し、取引先を巻き込んだ不正行為が起きない体制を整えています。
その他の取組み
2004年10月より「コンプライアンス・プログラム」を策定、導入しており、全社員に配布し、「法遵守経営」の強化に努めています。現在は2022年発行の第6回改訂版で運用しています。あわせて、日ごろの業務において、より身近にコンプライアンスに関するケーススタディ等の確認ができるようにするため、コンプライアンス・ハンドブックの配布も行っています。
訴訟の状況と法令違反について
2024年3月末時点で当社が抱える国内の民事訴訟事件数は合計12件となっています。
また、2023年度において、全国規模の指名停止措置等を伴うような重大な法令違反(行政処分および行政措置などを含む)事件は起きていません。
反社会的勢力の排除の体制
当社では「熊谷組行動指針」において、反社会的勢力に対し毅然とした態度で立ち向かうことを宣言するとともに、「コンプライアンス・プログラム」の中に「反社会的勢力対処プログラム」の章を設け、不当要求行為を受けた場合の具体的対処法を解説して社員に周知しています。
また、協力会社との取引の際に使用している「専門工事請負基本契約」および「資機材等売買取引基本契約」等に暴力団排除条項を導入しているほか、取引先との契約前に表明確約書を徴収しています。
腐敗防止のための取組み
熊谷組では「国連グローバル・コンパクト」に署名し、あらゆる形態の腐敗の防止に取り組んでいます。具体的な腐敗防止ための取組みとして、「コンプライアンス行動ルール」制定しており、いかなる理由があろうともコンプライアンス違反の事実の隠蔽・虚偽報告をしてはいけないこと、協力業者に対して接待・贈答の強要をしないこと、利益相反行為をしないことなどを明記しています。また、独占禁止法遵守のために、「独占禁止法遵守および腐敗防止・贈収賄禁止に関する規程」を定め、役職員に対し独占禁止法や贈収賄防止関連法令を遵守することを求め、公正な事業慣行の確立・維持および腐敗防止に努めています。
利益相反行為等の禁止
熊谷組は、熊谷組行動指針に沿って事業を展開しており、一人ひとりが「遵法精神」と「社会的良識」に裏付けられた高い倫理観のもと、公正な活動を行う企業集団を目指しています。
熊谷組は役職員に対して、真実の隠蔽や虚偽の報告など、会社の信用・名誉を毀損するような行為を禁止しています。
熊谷組は役職員に対し、会社における地位・職務上の権限を利用して第三者から私的に利益を受けるなど、自己の利益と会社の利益が相反するような行為を禁止しています。