~脱炭素社会への移行の促進~ 熊谷組は「ウッドデザイン賞2022」において 2部門で4点受賞しました。

2022年10月31日

株式会社熊谷組(取締役社長:櫻野泰則)の建築・空間・部材などの木造建築技術4点が10月6日「ウッドデザイン賞2022」を受賞しました。

 ウッドデザイン賞(主催:一般社団法人日本ウッドデザイン協会)は木の良さや価値を、デザインの力で再構築することを目的として、優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価し、表彰する顕彰制度です。
 (一社)日本ウッドデザイン協会(会長:隈 研吾、東京都港区)は木を使うことによって社会課題の解決を目指す活動を「ウッドデザイン」と定義しています。木を活かして質の高いライフ&ワークスタイルを提案しているものが対象となる「ライフスタイルデザイン部門」で 3 点、木を活かして森林・林業や地域・社会の持続性を向上させているものが対象となる「ソーシャルデザイン部門」で 1 点の合計4 点を受賞しました。

 熊谷組は2010年5月に環境省から「エコ・ファースト企業」に認定されて以来、「脱炭素社会への移行」、「循環型社会の形成」、「生物多様性への配慮」に関する取組みの約束を掲げています。約束達成に向け、事業活動でのCO2の削減、再生可能エネルギーの積極導入、大幅な省エネに貢献する「ZEB」の普及促進に取り組んでいます。また熊谷組は事務所などの「中大規模木造建築」実現のために木質部材の開発や技術開発を行っています。今後も都市と森がつながる脱炭素の街づくりに貢献していきます。

受賞概要

■H1O青山/株式会社熊谷組・野村不動産株式会社・住友林業株式会社
<ソーシャルデザイン部門>【建築・空間分野】
・「断熱耐火λ-WOOD®」を用いた木造+鉄骨造のハイブリット構造を採用し、木材は全て国産材とした。
・視認性のよい前面道路側を木造化とすることでオフィスブランド、環境問題への取り組みが外観から分かる計画とした。
・天然木を直接触れる箇所に使用することで利用者が木を実感できる空間とした。1階ピロティ柱部分の仕上材はSGEC認証材の杉板を使用した。
・環境への貢献度を可視化するため木造によるCO2削減量・固定量を数値化。

 利用者が木造を実感できる計画とし、都市における中大規模木造建築物の普及に向けて取り組んだ建物です。

■H1O青山におけるCLT耐震壁と乾式遮音壁の複合壁を用いた遮音性・利便性の向上
/株式会社熊谷組・野村不動産株式会社・住友林業株式会社
<ライフスタイルデザイン部門>【技術・建材分野】
・3、4階の事務所界壁の一部に乾式遮音壁を90㎜のCLT耐震壁で挟み込んだ複合的な壁を採用。
・耐震性能を確保しつつ、事務所の遮音性能も確保。
・CLT耐震壁の厚みを小さくしたことにより、事務室の有効面積の減少を最小限に抑えた。
・事務室両側にCLTを「あらわし」で設置。意匠性が向上し、利用者が木の持つ効用(温もり、調湿効果等)を実感できる。

 CLT耐震壁と乾式遮音壁の複合壁にすることで、事務所の利便性を損なうことなく、耐震性・遮音性を向上させました。

CLT耐震壁

■熊谷組福井本店/株式会社熊谷組、住友林業株式会社
<ライフスタイルデザイン部門>【建築・空間分野】
・木造+鉄骨造のハイブリッド構造による木造耐火建築の実現(断熱耐火λ-WOOD®(ラムダウッド)の使用)。
・木のぬくもりを活かした、健康志向型オフィスの提案。
・大断面集成材を用いて8mスパンの木造無柱空間を実現。
・CLT耐震壁を配置することで剛性バランスと断熱性が向上。
・自然採光、日射抑制、壁面緑化等により空調負荷を低減。他各種省エネルギー手法の採用によるNearly ZEBの達成。
*断熱耐火λ-WOOD®(ラムダウッド):CLT床を含む柱、梁、床、壁の1時間から3時間の木質耐火構造を持った部材

 環境負荷低減と快適性・生産性の向上を兼ね備えた建物とするため、木造建築とZEBを採用し、次世代の都市型コンパクトオフィスのモデルとなることを目指した建物です。

■木質耐震垂れ壁構法
/株式会社熊谷組・東京大学大学院木質材料学研究室・銘建工業株式会社
〈ライフスタイルデザイン部門〉【技術・建材分野】
・鉄骨造の建物にCLT(直交集成板)の木質垂れ壁を耐震部材として組み込んだ新構法。
・オフィスや商業施設などの中高層建築物への適用を想定。
・木質垂れ壁が鉛直荷重を負担せず、地震力のみに抵抗する設計とすることで木材の「あらわし」での利用が可能。
・実大実験と各種要素実験を行って高い耐震性能を確認し、(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得。

 本構法により、木材をふんだんに使った空間を実現し、都市の木化を推進します。

[お問い合わせ先]

株式会社熊谷組 経営戦略室
コーポレートコミュニケーション部 電話03-3235-8155