「コッター床版工法」高速道路床版取替工事で採用 ~NEXCO東日本 東北自動車道十和田管内高速道路リニューアル工事~
2020年07月29日
株式会社熊谷組と株式会社ガイアート(代表取締役社長:山本健司、本社:東京都新宿区)、オリエンタル白石株式会社(代表取締役社長:大野達也、本社:東京都江東区)、ジオスター株式会社(代表取締役社長:端山真吾、本社:東京都文京区)(以下、「開発4社」という)は、共同で開発した「コッター式継手を用いた道路橋プレキャストPC床版(コッター床版工法[NETIS登録No.KT-180108-A])」による東北自動車道での床版取替工事を完了いたしました。
1. コッター床版工法とは
コッター床版工法は、供用中の道路における橋梁床版の取り替え工事に用いる技術です。コッター式継手を用いてプレキャスト床版を接合することで、従来の工法に比べてより速い施工が可能です。接合は床版に埋設されているC型金物にくさび状のH型金物を挿入し、固定用ボルトを締め込むことで十分な接合強度を確保します。
――コッター床版工法の特徴・利点――
(1)急速施工・省人化が可能
現場での鉄筋・型枠組立作業が不要で、床版の設置から接合までの作業日数を約50%短縮、作業人員を約60%低減することが可能です。
(2)床版面積の99%をプレキャスト化
従来工法は、プレキャスト床版の接合部に幅30cm~40cmの現場打ち部分(間詰めコンクリート部)が必要でしたが、本工法の接合部は2cmの目地となり、床版面積の99%をプレキャスト化できます。
(3)熟練工が不要
接合作業が、ボルトを締め付けるだけの簡単な作業で済むため、従来工法のような熟練工(鉄筋工、型枠工など)が不要です。
(4)将来、部分的な取り替えが容易
コッター床版は接合部のH型金物を切断しても、まわりの床版の強度に影響しないため、部分的な床版取り替えが容易であり、供用後のメンテナンス性や、災害時の早期復旧等においても優れた性能を有しています。
(平成31年2月7日プレスリリース)
2. 東北自動車道での床版取替を完了
NEXCO東日本 東北自動車道十和田管内高速道路リニューアル工事のうち小坂川橋(上り線)において、コッター床版工法による床版取替工事を完了いたしました。
同工事では引き続き、本年度に1橋、来年度に2橋の床版取替工事を予定しており、すべてにおいてコッター床版工法を適用します。
さらに、各工事で蓄積される施工データを分析することで、コッター式継手の小型・軽量化によるコストダウン、施工方法の改善による施工の高速化、橋梁のフルプレキャスト化による品質向上などさらなる工法の改良を目指していきます。このうち、小型・軽量化された改良型コッター式継手は、来年度より市場に投入する予定です。
コッター床版の施工実績は、2021年末には約8,000m2になる見込みであり、開発完了から2年目に入り、着実に実績を積み重ねています。これに伴い開発4社による共同事業も順調に収益を伸ばしており、さらなる受注拡大が期待されています。
今後は、高速道路のリニューアルプロジェクトを中心に実績を積み重ね、海外への展開も視野に入れて更なる技術の進化に取り組んでまいります。
記事に関するお問合せ先
熊谷組 経営企画本部 コーポレートコミュニケーション室 広報グループ
電話 03-3235-8155