J-WAVE NEWS PR記事
ビルやダム─巨大な“ものづくり”の醍醐味は?
「大きな夢と働きやすさの両立」を建設会社・熊谷組に聞く
ダムにトンネル、商業施設に高層ビルなど、私たちの日常生活はあらゆるシーンにおいて、建設会社が作り上げたものに支えられている。誰もが便利さを享受しているが、実際に「どうやって作られているのか」は想像しにくい。また、働く人々がどのような気持ちで向き合っているかなど、素顔をうかがう機会も少ないものだ。何に手応えを感じているのか、「規模の大きい仕事」と「会社員としての働きやすさ」はどう両立されているのかーそんな疑問を、今回は当事者にぶつけてみた。
登場したのは、建設会社「熊谷組」の若手社員3名。聞き手は、ラジオ局・J-WAVEで、世界のニュースを扱う『JAM THE PLANET』ナビゲーターであるグローバーが務めた。
熊本地震で芽生えた「当たり前を取り戻す仕事」への興味
今回インタビューのために集まったのは、土木事業本部の竹下嘉人さん(2019年入社)、建築事業本部の宮崎景太さん(2021年入社)、ダイバーシティ推進部の中島真唯さん(2017年入社)の若手社員3名。
最初に話を聞いた、建設現場で施工管理を担う竹下さんと宮崎さんは、ともに熊本出身。熊谷組へ入社するきっかけとなったのは、2016年4月14日に彼らの地元を襲ったあの未曾有の大災害だった。
竹下 :当時、私は機械系の学科で災害対応用の無線機を研究している学生でした。専門分野の関連で、「無人化施工技術」を用いて阿蘇大橋地区の斜面防災対策で災害復旧に取り組む熊谷組に興味を持ったんです。実際に災害復旧現場を見学させていただいたとき、「人々の暮らしの“当たり前”を取り戻す仕事があるんだ」と感銘を受け、入社を考えるようになりました。
宮崎 :僕も竹下さんと同じで、熊本地震が熊谷組に関心を持つきっかけでした。僕が被災したのは、大学受験の1年前です。実家のある熊本市内はもちろん、祖父母が住む阿蘇も大変な被害に遭う中で、熊谷組が阿蘇の復旧に取り組んでいるというニュースを見て、「こんな会社で働けたら」と思うようになりました。
グローバー :お二人とも志があって素晴らしいですね。僕、熊本地震の直後に熊本城に行く機会があって。城内を巡る中で、かつての城主・加藤清正公が“土木の神様”と呼ばれ、地元を土木で強靭にしていった人だと知りました。清正公が大事にしていたのが、「後の世のため」という考え。自分の一生はさほど長くないけど、後の世のために行動していくべきだと。そんな清正公の言葉を、まさに人のためになる仕事を志して熊谷組さんに入社されたお二人の話から、ふと思い出しました。
宮崎 :入社後に知ったのですが、熊谷組の創業の精神として、「いつか世の中のお為になるような仕事をさせていただきたい」という創業者の言葉もあり、僕たちもこの精神を受け継いで行きたいと思っています。
グローバー :ちなみに、竹下さんがおっしゃっていた「無人化施工技術」とは?
竹下 :遠隔地からの無線通信により、遠隔操作式の建設機械を用いて施工する技術の総称です。熊本地震の時には、阿蘇大橋地区斜面防災対策工事などで導入されました。崩壊した斜面は再び崩れやすく、人が立ち入って工事を行えば、二次災害の犠牲になりかねません。こうした危険な現場において、重機を一キロ先の離れた場所から遠隔操作し、安全に施工が行える無人化施工技術はすごいなと思ったんですよね。
ゼネコンならではの「人の暮らしを支えている」実感
竹下さんと宮崎さんは現在、熊谷組で施工管理にあたっている。どのようなやりがいを感じているのだろうか。
宮崎 :施工管理は、工事現場で仕事をする専門工事業者といわれる協力会社のみなさんの、安全面や工程、納期などを全般的に管理する仕事です。僕は、千葉・幕張にある43階建ての高層マンションの建設現場で、施工管理を行っています。
グローバー :43階! 高いですね。
宮崎 :そうですね。でも現場で働いていると、どんなに大きな建物でも、結局は細部の細部まで職人さんたちの精密な仕事の積み重ねによって成り立っていて、「結局、人が建てているんだな」と日々実感しています。
グローバー :なるほど。僕は普段、ラジオのためにJ-WAVEがある高層ビルに通っているけど、「ここは人が建てたんだよな」と意識したことがなかったな。そのくらい「安全」を当たり前のように享受しているけれど、宮崎さんのように想いを持って一生懸命つくってくれた人のおかげだと、改めて感じました。一方で、竹下さんはどんなものを作っているのでしょうか?
竹下 :私は、熊本地震で被災した「大切畑ダム」という、農業用の貯水池として利用されるダムの移転復旧工事に携わっています。
竹下さんは、手持ちのタブレット端末で現場の画像を見せてくれた。映し出されたのは、竹下さん曰く「現場を歩いて1周しようと思うと、半日でも回れるかもわからない」というほど広大な現場。グローバーは「広すぎて重機がミニチュアみたい!」と、そのスケールに感嘆の声を漏らす。
竹下 :日々、地道に完成イメージに近づけていく仕事ですが、職人さんをはじめ大勢の方と信頼関係を築きながら、出来上がっていく様子を一緒に見られることにやりがいを感じています。そして現地にいると、水を待ち望まれている農家の方々は本当にたくさんいると気づかされるんです。地元の方々の期待を背に現場に立ち、「人の暮らしを支えている」と実感できることは、ゼネコンならではの魅力だと思います。
現在、20代半ばの宮崎さんと竹下さん。熊谷組には、若手のうちから活躍できる風土がある――。そんな好例となるエピソードを、竹下さんは東京本社の土木DX推進部での体験をもとに語ってくれた。
竹下 :以前、高速道路のリニューアル工事の際に用いられる新工法「コッター床版工法」における品質管理システムの開発に従事していましたが、当時入社2年目~4年目にもかかわらず、システムの企画から開発、現場検証、メディアへの発表に至るまで携わらせてもらいました。このように、若手の意見を取り入れて、サポートしてくださる先輩方がいて、若手が活躍できる場がしっかりと設けられているのは、熊谷組ならではの特徴のように感じます。
心地よく、長く働く─全社員を支える仕組みづくりのおもしろさ
建築現場で働く竹下さん・宮崎さんと異なり、中島さんが所属するダイバーシティ推進部は内勤に当たる。就活時、安定性の高いインフラ系を中心に企業を探すなかで、熊谷組の「人と向き合う姿勢」に惹かれて入社を決めたそうだ。
中島 :採用担当が親身にお話を聞いてくださって、自分のことをちゃんと見てくれている印象を受けたんです。
グローバー :中島さんが所属する「ダイバーシティ推進部」は、どんなことをするのでしょう?
中島 :一言でいえば、社員が能力を最大限に発揮できる、働きやすい職場環境にするための施策を考える部署です。私は主に若手支援の担当として、最近では「メンタリングプログラム」というものを実施しました。若手社員が、直属の上司や先輩以外にも気軽に相談できるようにする取り組みなのですが、「参加してよかった」との声を多数いただき、今後も継続していくつもりです。
グローバー :同じ部署の人だと話にくいこともあるでしょうから、各々が視野を広げるために重要なプログラムですね。今まで関わったプロジェクトの中で、特に印象に残っているものは?
中島 :2021年に導入した「妊活支援休暇制度」「不妊治療休業制度」です。実施前に、社員へのアンケートで需要の有無を確認しました。私自身、「不妊治療は女性がやるもの」という先入観があったのですが、既に多くの男性社員が取り組んでいることを知り、男女ともに対象となる制度にしました。
グローバー :どちらも日常生活に影響が及ぶので、会社として制度が整っているのは安心ですね。もうひとつ、「ダイバーシティーパトロール」という取り組みもあるんですよね?
中島 :はい。これは現場の職場環境を確認しに行くというものです。現場では、女性専用トイレ・更衣室が整っているかをヒアリングし、要望をもとに改善しています。
グローバー :かつては「建設業界=男性の仕事」というイメージもあったけれど、今は性別を問わず働ける環境なんですね。竹下さんと宮崎さんは実際に現場でお仕事をされる中で、多様な人材が現場で活躍できている実感はありますか?
竹下 :はい。私が配属されているダム建設の現場でも実際に、女性の方が活躍されています。
宮崎 :僕の現場では、僕と同じ施工管理をしている職員の中に女性もいますし、多くの外国人もいます。現場では安全管理をする上で標識を作ったりするんですけど、英語で書いてみたり、わかりやすくイラストを添付してみたりといった細やかな工夫を、女性スタッフが率先してやってくれています。一方、外国人の施工管理職員は、外国人にしかわからない感覚や感性を現場に浸透させてくれている。そんなふうに、適材適所で人材が活躍する姿をよく目にします。
中島 :多様性でいうと、当社では障がい者雇用に関する取り組みも積極的に推進しています。様々な特性をお持ちの方がいるので、一人ひとりにあった環境を作れるように最善を尽くしています。
グローバー :会社の中でダイバーシティを重要視するその姿勢が、施設づくり、ひいては街づくりに反映されているんでしょうね。
これまで先進的な社内制度と、多様な人材の活躍を促進させる取り組みを数多く立ち上げてきたダイバーシティ推進部だが、中島さんが導入にかかわった制度の中で、活用が進んでいるのは「テレワーク制度」とのことだ。
中島 :当社では多様な働き方につながる施策の一つとして、内勤全社員にテレワーク制度と時差出勤制度、加えて現場勤務社員においてはフレックスタイム制を導入しました。テレワークは勤務場所が変わるだけで効率的に働くことができます。例えば、私は子育てしながら働いていますが、テレワーク時は通勤時間がかからないため、子供の送り迎えに余裕ができ、集中して業務に取り組むことができ導入できてよかったなと実感しています。
グローバー :ご自身含めた子育て世代が働きやすい環境を作っていると。
中島 :そうですね。私のように子育てをしながらでも働き続けられますし、介護休業・時短勤務制度や病気の治療・メンタルヘルスが原因で休業された方に対応した制度もあります。事情がある場合も、なるべく働き続けられる環境にしていきたいというのが、ダイバーシティ推進部みんなの想いです。
それぞれが「大きな夢」を抱ける環境
最後に「熊谷組で今後実現したいこと、やりたいこと」を3名それぞれに聞いてみた。
竹下 :土木業界のDXに興味があります。ゼネコンでは今、無人化施工やドローンなど様々なICT機器を導入してDXが推進されているんです。私がいる現場でもあらゆる現場の課題にICT機器を導入してDXに取り組んでいます。今後も最先端の技術を、熊谷組の現場でより幅広く活用できるように開発・検証・普及に取り組んでいきます。
宮崎 :僕が熊谷組に入社した理由のひとつに、「高い建物を建ててみたい」という思いもあるんです。僕の出身地である熊本には高い建物がほとんどないので、純粋に憧れがあって。現在、43階建てのマンション建設に携わっていますが、高層の建築物を建てるのは、熊谷組が培ってきた技術力があるからこそだと考えています。この会社でしか作れない建物が今後も次々と建てられていくはずなので、そういった事業・プロジェクトに参画できる人材になりたいと思っています。
中島 :若手がより働きやすさを感じられるように、また、就活生に「魅力的な会社だな」と思ってもらえるように、引き続き環境改善に取り組んでいきます。これから熊谷組に入社する方の、主体的な行動や新たな挑戦をサポートする万全の体制を作っていけたらと思います。
グローバー :竹下さんと宮崎さんはスケールの大きなものを手掛けられていて、中島さんは新しい制度・取り組みを生み出し、新しい働き方を作っている。カッコいいし、楽しそうだなというのが率直な感想です。建物を建てるのも、会社の内側を変えていくのも、未来を少しでも良くしていきたいという取り組みじゃないですか。そんな未来に向けた仕事に取り組む皆さんのキラキラした言葉が聞けて、幸せな気持ちになりましたね。そして、自分のいる場所次第で、自分が見れる夢のサイズは変わってくるものです。そういった意味で、熊谷組さんで見れる夢は本当にデカいなと感じました。
(取材・文=小島浩平、撮影=竹内洋平、製作=J-WAVE 81.3FM)
- 本記事中の役職名称はインタビュー当時のものです。