社員インタビュー【機電機械】

機電機械は

「ゼロから構築する仕事」

シールド工事は

計画で8割決まる。

小口 模那

名古屋支店 土木事業部 土木部 豊田北部作業所 
2018年入社

機電機械1
経歴
2018年に機電機械職採用で熊谷組へ入社。1年目は本社で土木における機電機械の仕事を学び、2年目から現場での常駐を開始。これまではシールド工事の現場を担当し、3つ目の現場である豊田北部作業所には2022年11月に着任した。熊谷組全体でも人数が少ない専門職種で、各現場に1人しかいない貴重な機電機械担当として現場で存在感を見せている。
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熊谷組を選んだ理由

機電機械2

私は大学時代に機械工学科を専攻していたこともあり、学科の一般的な進路はメーカーへの就職でした。一方でゼネコンに進む人はごく少数でしたが、私自身がインフラを構築する仕事にすごく興味があり、「スケールの大きなものを造る仕事に携わりたい」という考えから現在の進路を選びました。

就活の際は複数のゼネコンの会社説明会に参加しましたが、ゼネコン各社における機電機械職の採用枠は非常に少なかったというのが実情です。人事の方に機電機械職の採用について質問した際も、そもそも採用枠がなかったり、土木と同じ枠での採用になったりすると回答した会社が大半でした。

そんな中、熊谷組は機電機械職の採用があり、機械工学出身の私でも歓迎してくれる雰囲気を感じました。そうした熊谷組の人の温かさや職種に対する寛容な姿勢に惹かれたことが、入社を決めたきっかけです。また、個人的にクマのキャラクターと青色が好きなので、自分の好きなものが身の回りにある熊谷組の環境は良いなとも感じましたね(笑)。

熊谷組の機電機械職の1年目は、本社で研修を受けるカリキュラムです。私のように大学で土木の勉強をしていない場合、いきなり現場へ出ても分からないことばかりになります。土木の現場で機電機械が実際にどんな仕事をするのかを研修で学べる点も、熊谷組の良いところです。出張して現場を見たり、本社で開発関係の見学に行ったりするなどの研修を経て、2年目から現場に着任する流れになります。

機電機械はとにかくスケールが大きい仕事

機電機械3

機電機械は大型の機械を使う現場の計画や施工、維持管理などを行う仕事です。私は主にシールド工事という地中にトンネルを掘る業務に携わっています。大型の機械を使う現場はシールド工事以外にもダム、山岳トンネルなどがありますが、入社してから経験したすべての現場でシールド工事を担当しています。

シールド工事で面白いのは、とにかくスケールが大きく、地山の状況が見られない上に一方通行であるため、やり直しができないところです。そのため、「シールド工事の8割が計画の段階で決まる」と言われており、あらゆるリスクを想定して準備を進める必要があります。

シールド工事の現場に必要な主な機械は、土を掘る「シールドマシン」と土を運ぶ「土砂搬送装置」です。日進の目標に合わせて設備規模と電気容量を決め、適切なシールドマシンをメーカーに発注します。さらに土や資材の運び方や速度を考えて、適切な機械の選定と調達を行うことも機電機械の重要な仕事です。やり直しがきかないからと言って、過剰設備にしてしまうと予算オーバーにもつながるので、計画の精度が常に問われます。

機電機械は工事が完了する竣工のタイミングにはすでに現場を離れているのが一般的です。現場着任後は計画を立てて、マシンを入れてトンネルを掘ったら仮設備を撤去します。そして、その後の順調な工事を願いつつ次の現場に移るため、不在になっても困らないような計画を立てる必要があります。それぞれの現場で状況がまるで違うため、ゼロからの計画構築が非常に難しいところではありますが、同時にやりがいを感じる点です。

これまで現場としては、大阪と新潟、愛知の3拠点を経験してきましたが、中でも印象深かったのは新潟でした。私は新潟が地元なので「いつか故郷で仕事をしたい!」と考えていましたが、シールド工事は基本的に都市土木であるため、「田舎の現場に巡り合う機会はないかな」と半ば諦めていました。しかし、運良く2つ目の現場が新潟でした。新潟はお米が有名ですが、まさにお米の田んぼに水を引く農業用水路の現場であり、地元の役に立つ仕事ができたことは感慨深かったです。

「小口さんがいるから大丈夫」
という存在になるために

機電機械4

私が初めて担当したのは大阪の鉄道のシールド工事でした。当時の所長に言われた「熊谷組が施工を担当している意味を考えろ、自分たちは『技術者』なんだから」という言葉が、今でも強く印象に残っています。シールド工事は他のゼネコンで対応できますが、どのゼネコンでも同じではなく、熊谷組だからこその付加価値を示さなければなりません。

明確に「熊谷組だからこそできるものとは何か」を答えるのは難しいですが、それが何かを考えながら日々の仕事に向き合うことが大切だと思います。いつも自分の中で立ち返る言葉になっていますね。また、熊谷組では「掘れないトンネルはない!」と豪語しているので、常に違う現場の環境を楽しめるような技術者を目指しています。

近年は機械化や情報化などのテクノロジーの発展が著しいですが、シールド工事の現場ではそうしたテクノロジーだけですべてに対応できるわけではありません。また、材料費や工法なども含めて安く工事できる方法はたくさんありますが、現場に最適な工法や手段を適宜判断するのは、人でないとできないと考えています。土木は「経験工学」と言われるほど、それまでの経験値の蓄積が重要になります。私自身も培ってきたすべてを現場に還元できるように、予算を考慮しつつも、機電機械として起こり得るリスクへの対処法も含めた提案をし続けていきたいです。

機電機械は機械と電気の知識はもちろんですが、土木の知識も不可欠になります。現状はまだまだ知識不足であり、恥ずかしながら専門業者の方と話す際も教えてもらうことも少なくありません。勉強を重ねて自分が会話で主導権を握れるようになることが目標です。

3つの現場を経験してやっと機電機械の3割くらいの仕事ができるようになったと感じています。今の現場で初めてゼロから計画構築する経験をさせてもらっているのですが、本当に考えることが多くて大変です。以前の現場では機電の先輩職員のもとで業務を行っていましたが、今の現場では独り立ちして機電機械業務全般を任されています。「小口さんがいるから大丈夫」「大変そうだけど小口さんがいるから上手くいく」と思ってもらえるような存在になりたいですね。

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転勤が多い職種における各地での交流の魅力

熊谷組では女性技術者を増やすことを目指していて、「女性土木技術者交流会」を定期的に開催しています。女性土木技術者交流会では現場見学や技術共有だけでなく、ライフプランに不安を抱える人に向けた情報発信も取り組みの1つです。女性向けのリクルートパンフレットも作成しました。

女性土木技術者交流会は年に一度行われるのですが、その場では女性同士で不安解消のためのアイデア出しも行われます。現在は30名強が参加していて、人数は年々増加中です。私の同期も何名か運営に携わっているのですが、会社のことを考えた活動に同期が賛同しているのはとても心強く感じています。特にその中の同期の1人は、月イチで一緒に旅行に出かけるくらい仲良しです。

機電機械職は各現場を担当するため、転勤が多くなります。私もこれまで東京、大阪、新潟、愛知と転勤を経験してきましたが、いろんな土地の人と仲良くなれるのはすごく良いことだと思います。これまでの現場でお世話になった方からは、「いつ戻ってくるの?」と聞かれるくらいの関係性を築けているので、「また戻りたい」と思える場所が増えました。長期休暇は旅行やお世話になった地に赴くだけで予定が埋まってしまいますね。

SCHEDULE

1日のスケジュール

朝礼
材料の搬入
次工程の計画など

休憩
翌日の作業内容などの打ち合わせ

トンネル坑内測量
掘進指示書作成、事務所作業
現場の進捗確認
退社

就活生へのメッセージ

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熊谷組には成長を助けてくれる土壌があります。誠意がある人が多く、1人ひとりのことをきちんと見てくれると感じています。学生の頃に抱いていた社会人のイメージを遥かに超える業務経験が積める、変化と多様性に溢れた会社です。私自身、ここまで全国に転勤すると思っていませんでしたし、入社前の自分では考えられない経験をたくさんさせてもらいました。

社会に出ると大変なことや難しいと感じることも多いですが、そうした逆境や変化を楽しむことも重要だと思います。そうした経験の1つひとつが、きっとみなさんの成長につながるはずです。

  • 所属・役職・内容は取材当時のものです。
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