国道45号釜石山田道路工事

構造物名称は全て仮称
八雲第2トンネル 貫通式(平成25年10月19日)

工事概要

設計 トンネル/パシフィックコンサルタンツ
道路改良/復建技術コンサルタント
工事内容 トンネル4本(NATM)橋梁上部工1橋
道路改良工事 工区延長 L=2,800m
八雲第1トンネル L=635m(発破掘削)
八雲第2トンネル L=839m(発破掘削)
八雲第3トンネル L=149m(発破掘削)
水海トンネル L=445m(発破掘削)
道路改良 L=430m
水海高架橋上部工 L=184m(3径間連続PCラーメン箱桁橋)
※オリエンタル白石施工
道路改良(盛土200,500m³、補強土盛土擁壁3,142m²)
協力会社 トンネル/笹島建設株式会社
道路改良/株式会社小澤組
工事用道路/株式会社ガイアートT・K
トンネルずり運搬/株式会社栄開発
 

希望と命をつなぐ

大津波から子供たちを救った「命の道」

 平成23年3月11日、東日本大震災により発生した大津波が釜石市を襲った。そのとき、沿岸部にあった市立釜石東中学校の生徒と隣接する鵜住居小学校の児童ら約600人は、津波から逃れるために高台を目指して走った。指定されていた避難場所も津波にのまれ、ようやくたどり着いたのが、6日前に先行開通したばかりの4.6kmの釜石山田道路だった。

 雪が降り、日も暮れようとしているなか、津波を逃れた生徒・児童の全員は、通りかかったダンプやトラックの荷台に分乗し、安全な場所へと避難することができた。子供たちの尊い命を救った道路は、まさに「命の道」となった。

 この道路が「命の道」と呼ばれる理由はそれだけではない。

 震災後、市内の国道45号が寸断されて身動きがとれないなか、釜石山田道路は迂回路として被災者や救援隊の移動や救援物資の輸送のための重要なライフラインとなったのである。そこで三陸沿岸地域の一日も早い復興を目指し、先行開通区間に続く(仮称)釜石中央IC〜釜石両石IC間を完成させるのがこの復興道路事業だ。

厳しい環境のなか大ロット工事に着工

 国土交通省東北地方整備局は、復興道路の整備を効率的に推進するため複数の工種・構造物を一括して施工する「大ロット工事」を採用した。入札の結果、熊谷組・オリエンタル白石JVが当工事を担当することが決まった。これは、発注ロットの拡大工事としては整備局管内で最大級である。