石貼り仕上げの低床乾式遮音二重床工法において 高い床衝撃音低減性能を実現「NSフロアーⅥ」を開発

2014年04月02日

 株式会社 熊谷組(取締役社長 樋口 靖)は、野原産業株式会社(代表取締役社長 野原数生 本社:東京都新宿区)、有限会社泰成電機工業(代表取締役 堀内一治,本社:長野県駒ケ根市)と共同で、新しい低床乾式遮音二重床「NSフロアーⅥ」を開発しましたのでお知らせいたします。

1.開発の背景

 近年、集合住宅においては、玄関・廊下・洗面室・トイレなどの仕上げ材に大理石やタイルが採用されるケースが多くなってきています。
 天然大理石(無垢大理石)を二重床の上に使用する場合、従来の工法“NSフロアーⅢ”では、石のひび割れや欠けを防止するために下地材として針葉樹合板を2枚貼りし、床仕上げ高さも150㎜を必要としていました。
 そこで新工法の開発にあたっては、森林資源の保護に配慮した下地材への変更と、低床であるために天井髙さに余裕がない共同住宅のリニューアルにも対応できる乾式二重床の開発(低床での床衝撃音低減性能の低下防止)が課題でした。

2.新工法“NSフロアーⅥ”について

 今回、開発したNSフロアーⅥは、パーティクルボードの上の下地材を針葉樹合板の一枚貼りとし、もう一枚は環境に配慮したガラス繊維不織布入りせっこう板に変更しました。
 また、乾式二重床を低床とすると、一般的には床衝撃音低減性能が低下しますが、本工法では支持脚の仕様を工夫することにより、床仕上げ高さ100mmで施工した場合でも性能の低下を起こさず、従来工法と同等の高い床衝撃音低減性能を実現しました。
 なお、本工法は、一般財団法人 日本建築総合試験所において床衝撃音レベル低減量及び耐荷重性能試験を行い、大理石仕上げの従来工法と同等の高い床衝撃音低減性能を確保していることを確認しています。 


従来工法  基本断面図(床仕上げ高さ150㎜)

今回開発工法 NSフロアーⅥ 基本断面図(床仕上げ高さ100㎜)

従来工法  基本割付図

今回開発工法 NSフロアーⅥ 基本割付図

3.特徴

○床仕上げ高さ100mm
  従来は床仕上げ高さが150㎜でしたが、床仕上げ高さを100㎜で施工できるようにしました。
  このため、天井高さに余裕がないリニューアルにも対応できます。
○高い床衝撃音低減性能を有しています。
  軽量:ΔLL(Ⅱ)-3S 重量:ΔLH(Ⅱ)-2S
○高い耐荷重性能
  等分布積載荷重は1960N/m2で2㎜以下、局部集中荷重は980Nでおおよそ1㎜。
○環境に配慮
  従来の大理石張り仕様では、下地合板は針葉樹合板2枚貼りでしたが、今回の開発工法では
  1枚をガラス繊維不織布入りせっこう板に変更しました。

4.床衝撃音低減性能

 一般財団法人日本建築総合試験所における床衝撃音低減性能試験の結果を示します。


 RCスラブ厚:200mm
 床仕上げ高さ:104mm
 試験施設:壁式構造実験室
 試験番号:ⅣA-13-0224 

図1 試験体断面図

●1~●5は床衝撃音レベル低減量試験の衝撃点を示す。
▲S1~▲S5は耐荷重性能試験の載荷中心点を□S1~□S4は変位量測定位置をそれぞれ示す。
S1~S3:等分布積載荷量、局部集中荷重および衝撃強さ(落下高さ30cm・50cm)
S4   :等分布載積荷重および局部集中荷重


                      図2 試験体割付図

床衝撃音レベル低減量試験結果

5.耐荷重性能

一般財団法人日本建築総合試験所の壁式構造実験室における試験状況を以下に示します。

6.コスト

 NSフロアーⅥの設計価格(材工)は、15,000円/㎡を設定しております。(無垢大理石の材工価格は含まず)

7.今後の展開

 今後,集合住宅の石貼り仕上げの乾式二重床に関する重要なツールとして位置づけ,デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく予定です。なお、本商品の製造(床下地)は有限会社泰成電機工業が、販売・施工は,野原産業株式会社が行ないます。

以上

[お問い合わせ先]

[本リリースに関するお問い合わせ先]
 株式会社 熊谷組  広報室
 室長:五十川 宏文
 担当:小坂田 泰宏 (電話03-3235-8155)

[技術に関するお問い合わせ先]
 株式会社 熊谷組 技術研究所 
 副所長:大脇 雅直
 担当:黒木 拓 (電話03-3235-8724)

[製造に関するお問い合わせ先]
 有限会社 泰成電機工業 
 取締役技術本部長:高倉 史洋
 担当:石丸 岳史 (電話 0265-83-1138)

[販売・施工に関するお問い合わせ先]
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 常務執行役員:今井 力
 担当:小林 秀樹 (電話03-3355-4809)