乾式遮音二重床床先行工法において、高い床衝撃音低減性能を実現 "NSフロアーⅤ/ガラス繊維不織布入りせっこう板仕様"を開発
2012年03月26日
株式会社 熊谷組(取締役社長 大田弘、本社:東京都新宿区)、野原産業株式会社(代表取締役社長 野原数生 本社:東京都新宿区)、有限会社泰成電機工業(代表取締役社長 片桐佑介,本社:長野県駒ヶ根市)は、“NSフロアーⅤ/ガラス繊維不織布入りせっこう板仕様”を開発致しましたので、お知らせ致します。
今回開発した工法は、二重床の下地合板の代替材料として品質や供給が安定し、環境に配慮したガラス繊維不織布入りせっこう板を下地材に使用した乾式二重床です。下地合板仕様と性能が同等で、高い床衝撃音低減性能を実現した乾式遮音二重床です。
1.概要
現在、集合住宅の二重床において、合板をパーティクルボードの上に下地材として追加し、音性能と床剛性を兼ね備えた二重床が多くなってきております。下地合板においても広葉樹(ラワン)から針葉樹合板(ラーチ)などに変更し環境に配慮した二重床が現在、主流となってきております。下地材においても価格変動がなく、品質や供給が安定し、環境に配慮した二重床の下地合板の代替品が求められています。新建材を使用することで資源の有効活用やCO2削減など環境に配慮することが可能となり、またコスト削減にも繋がります。そこで、下地合板の代替材料としてガラス繊維不織布入りせっこう板を採用し、価格・品質の安定性に加え、安定供給が可能なこと、また環境に配慮し、高い床衝撃音低減性能を実現した“NSフロアーⅤ/ガラス繊維不織布入りせっこう板仕様”を開発致しました。財団法人 日本建築総合試験所において下地合板仕様と同程度の高い床衝撃音低減性能と耐荷重性能を確保していることを確認しております。
2.特徴
○ 床システムとしての性能向上
・高い床衝撃音低減性能
軽量:ΔLL(Ⅱ)-3 重量:ΔLH(Ⅱ)-2
・ 高い耐水性と寸法変化が極めて少なく床下地の伸縮抑制が可能
・ 100kgf/60万回繰返し荷重試験にも耐える優れた耐久性
○ 製品安定性
・厚さ:9.5mm、比重:1.0(9.6kg/㎡)
・価格変動が小さく、品質や供給が安定しております。
○ 環境配慮型
・資源の有効活用やCO2削減など環境に配慮することが可能となり、
またコスト削減にも繋がります。
3.床衝撃音低減性能
財団法人日本建築総合試験所における床衝撃音低減性能試験の結果を示します。
RCスラブ厚:200mm
床仕上げ高さ:130mm
試験施設:壁式構造実験室
試験番号:ⅣA-11-0209
床衝撃音低減性能
[開発工法]NS-Ⅴ/ガラス繊維不織布入り [従来工法]NS-Ⅲ/下地合板タイプ
せっこう板仕様 試験番号:ⅣA-09-0239
軽量:ΔLL(Ⅱ)-3 軽量:ΔLL(Ⅱ)-3
重量:ΔLH(Ⅱ)-2 重量:ΔLH(Ⅱ)-2
4.耐荷重性能
S1:床中央短辺方向接合面支持脚間
S2:床中央支持脚間中央
S3:床中央支持脚部
S4:壁際部短辺方向支持脚間
壁式構造実験室における試験の状況を以下に示します。
5.コスト
市場への供給と市況価格の変動により価格が安定しにくい合板に比べ、ガラス繊維不織布入りせっこう板の場合、価格変動が小さく品質や供給が安定し、環境に配慮した二重床の下地合板の代替材料となります。合板仕様とのコスト比較については市況価格によって変化致しますが、ガラス繊維不織布入りせっこう板を使用することにより、現在の合板の市況価格でみますとNSフロアーⅢ/下地合板仕様の設計価格(材工)10,000円/㎡に対し、10%程度コストダウンとなります。
6.今後の展開
今後、環境に配慮した集合住宅の乾式二重床に関する重要なツールとして位置付け、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく予定です。なお、本商品の販売・施工は、野原産業株式会社が行ないます。
以上
[お問い合わせ先]
[本リリースに関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組 広報室
室長:手島 眞之
担当:石賀 慎一郎 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組 技術研究所 都市・居住環境研究部
副所長(兼)部長:大脇 雅直
担当:財満 健史 (電話03-3235-8724)
[販売・施工に関する問い合わせ先]
野原産業株式会社 建材営業本部
副本部長 今井 力
担当 小林 秀樹(電話03-3355-4809)
[製造に関する問い合わせ先]
有限会社 泰成電機工業
取締役 管理本部長 高倉 史洋(電話0265-83-1138)