釜石市中央ブロック復興整備事業

東部地区東側復興事業の様子
嬉石松原地区全景

工事概要

発 注 者 国交省・岩手県・釜石市(都市整備推進室・下水道課・水道事業所・復興住宅整備室)
共同提案体 株式会社熊谷組・株式会社小澤組・株式会社新日・日鉄鉱コンサルタント株式会社
施 工 者 株式会社熊谷組・株式会社小澤組(JV)
工事場所 岩手県釜石市東部地区及び嬉石松原地区
期  間 平成25年12月16日〜平成31年3月25日
事業内容 用地買収補助(新日)、
測量調査設計(新日・日鉄鉱コンサルタントJV)、
建設工事(熊谷組・小澤組JV)、工事監理(熊谷組・新日JV)
 

新しいまちづくりで被災地の早期復興に貢献

プロポーザル方式で釜石市復興整備事業に参画

 2011(平成23)年3月11日、東北地方を中心に大きな被害をもたらした「東日本大震災」。全半壊家屋は40万棟以上、死者、行方不明者など2万人以上が犠牲となった。あれから六年以上の歳月が流れたが、今も約3万世帯が仮設住宅に暮らし、全国で約10万人が避難生活を送っている。

 熊谷組は震災直後から今日に至るまで、各被災地において、多くの人材と持ち得る技術を導入し、さまざまな復旧・復興事業に携わっている。

 そのうちのひとつとして、熊谷組は四年前から「釜石市中央ブロック復興整備事業」に取り組んでいる。これは釜石市の12の地区を3ブロックに分け、宅地造成、道路整備等に関する用地買収補助、測量調査設計、建設工事、工事監理を共同提案体で行い、設計施工協力型発注方式で実施している事業だ。

 2013(平成25)年8月に熊谷組、株式会社小澤組、株式会社新日、日鉄鉱コンサルタント株式会社の4社の共同提案体で中央ブロックに応募。プロポーザル審査の結果、最優秀提案者として中央ブロック復興整備事業共同提案体に特定された。

中心市街地で展開する大規模な復興工事

 釜石市は、岩手県の南東部、三陸復興国立公園のほぼ中央に位置し太平洋に面している。東北地方有数の重工業都市としても有名である。しかし、東日本大震災により、当市でも1千名を超える人々が犠牲になり、街はほぼ壊滅状態と化した。

 当事業は、釜石市の中心市街地で、釜石湾を囲む「東部地区」及び「嬉石松原地区」における復興整備だ。東部地区は、約29.8ヘクタールの区域で、主に津波復興拠点整備事業、漁港施設機能強化事業を行っている。また、嬉石松原地区は、約13ヘクタールの区域で、被災市街地復興土地区画整理事業を行っている。

 この事業のうち、建設工事は嵩上げ盛土による宅地造成や津波で損傷した管渠の更新など。工事では嵩上げ盛土材を三陸縦貫道建設工事の掘削土で補うことや、嵩上げ盛土材の仕様は、粒経37.53ミリ以上100ミリアンダー以下が40%未満で管理することが決められている。そのため熊谷組(JV)は、板木山、平田、唐丹の仮置場の管理を受け持ち、1日に約1800~2000トンの混合土の製造が可能な巨大プラントを平田に設置して混合盛土材の製造管理も行っている。

 さらに熊谷組は、この事業とは別に株式会社本間組、株式会社小澤組との共同企業体で、釜石市を流れる甲子川の河口部に、津波から市街地を守る海岸防潮堤となる甲子川水門新設工事にも携わっている。