石貼り仕上げの乾式遮音二重床床先行工法において、高い床衝撃音低減性能を実現"NSフロアーⅢ/MTパネル仕様"を開発
2011年01月07日
株式会社 熊谷組(取締役社長 大田弘、本社:東京都新宿区)、野原産業株式会社(代表取締役社長 野原数生、本社:東京都新宿区)、株式会社ESG JAPAN(代表取締役 奥弘史、本社:東京都千代田区)は、“NSフロアーⅢ/MTパネル仕様”を開発致しましたので、お知らせ致します。
今回開発した工法は、従来の無垢大理石仕上げの乾式二重床に比べ、耐久性があり、割れにくく、しかも軽量であるマーブルタイルパネルを仕上げ材に使用した乾式二重床です。従来の工法に比べ、高い床衝撃音低減性能を実現した乾式遮音二重床です。
1.概要
現在、集合住宅において玄関・廊下・洗面室・トイレなど、仕上げ材に大理石やタイルが採用されるケースが多くなってきております。天然大理石(無垢大理石)を二重床の上に使用した場合、石のひび割れや欠けが発生しやすく、また水分を吸収しやすく変色する可能性があるなどの課題がありました。今回のマーブルタイルパネル(以下、MTパネルと略す)は3mmの天然大理石に9mmの磁器質タイルを裏打ちしたもので、従来の無垢大理石に比べて耐久性があり、割れにくく、しかも軽量であります。また磁器質タイルが裏打ちしている為、裏面からの水分を吸収しにくく変色する可能性が少ないという利点があります。NSフロアーⅢの仕上げ材としてMTパネルを使用することにより、高い床衝撃音低減性能を実現した“NSフロアーⅢ/MTパネル仕様”を開発致しました。
2.工法について
従来の無垢大理石仕様のNSフロアーⅢでは、石のひび割れや欠けの対策としてパーティクルボードの上に下地合板を2枚貼りにしておりました。また支持脚においては、支持脚ピッチを455mm×300㎜(通常は455mm×600㎜に対して倍ピッチ)としておりました。今回開発したMTパネル仕様のNSフロアーⅢでは、パーティクルボードの上の下地合板を1枚貼りとし、支持脚のピッチを455mm×600m(600方向ジョイント部のみ300mmピッチ)で可能となりました。高い床衝撃音低減性能に加え支持脚の本数が減り、下地合板も2枚から1枚になる為、コスト面でも大きなメリットのある工法となります。
なお、本工法は特許出願中です。財団法人 日本建築総合試験所において無垢大理石仕上のNSフロアーⅢ以上の高い床衝撃音低減性能を確保していることを確認しております。この工法を使用することにより従来のNSフロアーⅢの無垢大理石仕様と比較し、大幅なコストダウンが可能となりました。
3.特徴
○床仕上げ材にMTパネルを採用。
MTパネルは3mmの天然大理石に9mmの磁器質タイルを裏打ちしてありますので、
従来の無垢大理石に比べて耐久性があり、割れにくく、しかも軽量であります。
○高い床衝撃音低減性能を有しております。
軽量:ΔLL(Ⅱ)-3 重量:ΔLH(Ⅱ)-3
○石張り下地の二重床のコストダウンが可能となります。
従来のNS-Ⅲの無垢大理石貼り仕様では、合板2枚貼りに対し、今回の開発工
法では1枚貼りとなり、また支持脚本数も減ることから、コスト面でのメリット
があります。
4.床衝撃音低減性能
財団法人日本建築総合試験所における床衝撃音低減性能試験の結果を示します。
RCスラブ厚:200mm
床仕上げ高さ:130mm
試験施設:壁式構造実験室
試験番号:ⅣA-10-0167
床衝撃音低減性能 [開発工法]NS-Ⅲ/MTパネル [従来工法]NS-Ⅲ/無垢大理石
軽量:ΔLL(Ⅱ)-3 軽量:ΔLL(Ⅱ)-3
重量:ΔLH(Ⅱ)-3 重量:ΔLH(Ⅱ)-2
試験番号:ⅣA-10-0168
5.耐荷重性能
耐荷重性能試験 (変位量測定) |
(変位量測定) 載荷中心点(単位:mm) | |||
S1 | S2 | S3 | S4 | |
等分布積載荷重 (1960N/㎡) |
4.1mm | 4.0mm | 3.8mm | 1.9mm |
局部集中荷重 (980N) |
2.0mm | 2.2mm | 2.0mm | 2.0mm |
衝撃強さ | 試験体に変形・ひび割れ・損傷などの異常は見られなかった。 |
6.コスト
NSフロアーⅢ/MTパネル仕様の設計価格(材工)は、10,000円/㎡としており、従来のNSフロアーⅡ/無垢大理石仕様の設計価格(材工)13,300円/㎡と比べてコストを25%削減しております。(無垢大理石及びMTパネルの材工価格は含まず)
7.今後の展開
今後、集合住宅の石貼り仕上げの乾式二重床に関する重要なツールとして位置付け、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく予定です。なお、本商品の販売・施工は、野原産業株式会社、株式会社 ESG JAPANが行ないます。
[お問い合わせ先]
[本リリースに関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組 広報室
室長:藤島 幸雄
担当:石賀 慎一郎 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組 技術研究所 都市・居住環境研究部
副所長(兼)部長:大脇 雅直
担当:財満 健史 (電話03-3235-8724)
[販売・施工に関するお問い合わせ先]
野原産業株式会社 建材営業本部
副本部長:今井 力
担当:小林 秀樹 (電話03-3355-4809)
株式会社 ESG JAPAN
代表取締役:奥 弘史 (電話03-5809-2815)