HRパイル工法(杭頭半剛接合工法)の設計指針改定、技術評定取得

2014年06月03日

 株式会社熊谷組(取締役社長:樋口靖 本社:東京都新宿区)、青木あすなろ建設株式会社(代表取締役社長:上野康信 本社:東京都港区)、安藤ハザマ(代表取締役社長:野村俊明 本社:東京都港区)、大木建設株式会社(代表取締役社長:渡邊徹 本社:東京都江東区)、西武建設株式会社(代表取締役社長:宮本文夫 本社:埼玉県所沢市)、株式会社錢高組(社長:錢高一善 本社:大阪府大阪市)、株式会社ピーエス三菱(代表取締役社長:勝木恒男 本社:東京都中央区)、前田建設工業株式会社(代表取締役社長:小原好一 本店:東京都千代田区)は、共同で開発したHRパイル工法の杭頭接合部のコンクリートの許容応力度に関して設計指針を改定し、一般財団法人日本建築センターの基礎評定(BCJ評定-FD0202-06)を取得したのでお知らせします。

1.HRパイル工法の開発経緯

 熊谷組ら8社で構成するHRパイル工法研究会では、平成17年に場所打ちコンクリートの杭頭に生じる曲げモーメントを 低減させることができる杭頭半剛接合工法「HRパイル工法(適用杭径φ1000~2000)」を共同で開発し、平成18年には適用杭径をφ2800にまで拡大しました。また、平成21年には杭頭接合部の回転性能の評価方法について見直すとともに、杭頭接合部のコンクリートを杭軸部と同一のコンクリート強度にすることも可能にしました。本工法の普及展開を促進するために技術改定の都度、一般財団法人日本建築センターの基礎評定を取得し、個別案件への適用を図ってきました。

2.今回の設計指針改定の概要

 本工法の杭頭接合部におけるコンクリートの許容応力度は平成13年国土交通省告示第1113号第8第1項第1号により場所打ちコンクリート杭のくい体と同じように、許容圧縮応力度で長期:Fc/4、短期:2Fc/4としていました。
今回、過去に実施した構造実験を平成13年国土交通省告示第1113号第8第1項第6号に基づいた試験として位置付け、その結果を見直すことにより、杭頭接合部におけるコンクリートの許容応力度を上部構造と同じ許容圧縮応力度で長期:Fc/3、短期:2Fc/3として評価できるものとしました。許容応力度を上部構造と同等に評価しても、杭頭接合部の回転剛性の評価方法、強度の評価方法が妥当であることを確認しました。これらの指針改定を一般財団法人日本建築センターに申請し、平成26年2月に基礎評定を取得しました。
 これにより杭頭接合部に必要とされるコンクリート強度が抑えられ設計の合理化を図ることが可能になります。

杭頭接合部の出来形

3.個別案件への適用状況

 前回の評定取得後も着実に適用物件を増やし研究会全体では44件の実績があります。杭本数は1250本を超えています。
 また、今回改定した許容応力度を用いて38階建ての免震建築物の設計を行った結果、杭頭接合部におけるコンクリートの設計基準強度Fcを51N/mm2から42N/mm2に低減することが可能となりました。建物の用途は共同住宅で、適用杭径はφ2000~2500、杭本数は30本であります。

4.今後の予定

 HRパイル工法研究会では、今後、杭頭接合部の施工方法についても改良を図っていく予定です。
 東海、東南海、南海地震などの大地震の発生の可能性が高まる中、建物の耐震性の向上は上部構造だけでなく、基礎構造にも求められています。このような中で、高い耐震性を有するHRパイル工法を積極的に提案していきたいと考えています。

以上

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