熊谷組が「でんさいネット」を導入 ~建設業での本格運用の先駆け~

2013年11月15日

 株式会社熊谷組(取締役社長 樋口 靖)は、取引先への手形支払を電子記録債権にするため、一般社団法人全国銀行協会が100%出資する電子債権記録機関「全銀電子債権ネットワーク(通称:でんさいネット)」を導入、11月15日から運用を開始しました。

1.全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)について

 「でんさいネット」は、手形や売掛債権に代わって電子記録債権を記録・管理し、流通させる新たな決済インフラです。
 電子記録債権については、これまで3メガバンクがそれぞれ独自のシステムを開発し、自行の取引先を中心に展開していますが、「でんさいネット」は全国の約500金融機関が参加し、メガバンクと取り引きのない企業でも利用できる高い流通性が特徴です。
 高い流通性は、取引先に多くの中小企業や零細企業を持つ建設業の業態に適しており、建設業での「でんさいネット」の本格的な運用は、熊谷組が先駆けとなります。

2.熊谷組が導入に至った経緯

 「でんさいネット」は手形の印紙税が不要なほか、盗難や紛失のリスクもなく、債権を任意に分割して譲渡することも可能なことから、中小企業の資金繰りを容易にするなどの効果があります。そこで熊谷組は電子記録債権の導入あたり、協力会社などが広く利用できるよう、流通性の高い「でんさいネット」を採用しました。
 「でんさいネット」を導入するには、新たに銀行システムと会社の基幹システムをマッチングさせる必要があり、熊谷組では昨年の夏ごろから株式会社三井住友銀行のサポートを得ながらその作業を進め、今月の運用開始となりました。

3.今後の展望

 熊谷組では「でんさいネット」を利用することで、手形の印紙代など年間で約1,600万円のコスト削減を見込んでいます。また、取引先では手形受取による領収書の印紙代や取立手数料など、一社あたり年間で数万円のコスト削減が見込まれています。
 熊谷組における運用当初の「でんさいネット」登録済みの取引先は約700社です。熊谷組では「でんさいネット」のメリットをアピールし、さらに登録する取引先の拡大をめざし、すべての手形を電子記録債権に移行する予定です。

4.参考

 株式会社全銀電子債権ネットワーク(代表執行役社長:諸江 博明)
「でんさいネット」のメリット

  支払企業のメリット
   ①手形の印紙税や搬送費用が不要
   ②手形の発行、振込準備などの事務負担が軽減
   ③手形、振込、一括決済など複数の支払手段を一本化することも可能

  受取企業のメリット
   ①手形領収書にかかる印紙代・郵送代が不要
   ②任意に電子記録債権の分割譲渡が可能
   ③取立手続が不要(支払期日に自動入金)
   ④紛失・盗難リスクの回避(現物の保管・管理が不要)

以上

[お問い合わせ先]

[本リリースに関するお問い合わせ先]
 株式会社 熊谷組  広報室
 室長:五十川 宏文
 担当:小坂田 泰宏 (電話03-3235-8155)

[電子記録債権に関するお問い合わせ先]
 株式会社 熊谷組 管理本部 財務部
 担当:福下 英毅、嘉門 大祐(電話 03-3235-8281)