台北にそびえたつ二重螺旋の超高層芸術住宅「陶朱隠園」を受注

2013年09月26日

 株式会社熊谷組(取締役社長 樋口 靖)の100%子会社である華熊營造股份有限公司は、台湾にて富裕層向けの超高層住宅「陶朱隠園」を受注しましたのでお知らせいたします。

1.プロジェクトの概要

 株式会社熊谷組の100%子会社である台湾の現地法人 華熊營造股份有限公司は、中華工程股份有限公司より、台北市信義區の超高層住宅「陶朱隠園」(タオヂュインユェン)を受注しました。
 当プロジェクトは台北市のホテル「亜太會館」(アゴラガーデン)の跡地に、高さ93.2mの超高層マンションを新築するもので、工事金額は約100億円(内装工事を含まない)、工期は45ヶ月です。
 基本設計を行ったフランスの建築家Vincent Callebaut氏(ベルギー国籍)により、鉛直方向に断片的に配置された庭園をコンセプトに、エコ住宅建設の先駆者として、有機性廃棄物の再利用のほか、BIPV(建物一体型太陽光発電)、雨水のリサイクルなどの省エネを考慮し、設計がなされています。また、アメリカのLEED認証(*)、台湾のEEWH緑建築候補認証を既に取得しています。
 熊谷組と華熊營造股份有限公司は、台湾において、数多くの施工実績がありますが、2004年には、台湾のランドマークとなる「TAIPEI 101」(高さ508m)を施工しており、それらの実績と施工能力が高く評価され今回の受注につながりました。

(*)LEEDとは、Leadership in Energy and Environmental Designの略で、米国グリーンビルディング協会(U.S. Green Building Council)が所管している任意の認証制度です。建築物全体の企画・設計から建築施工、運営、メンテナンスまでにわたり、省エネ、環境負荷を評価し認証するものです。

2.本建物の特徴

① 建物形状はDNAをモチーフとした二重螺旋をイメージする極めて特徴的なフォルムを有する。


② 敷地は、かつてのホテル「亜太會館」(アゴラガーデン)の跡地で、既に解体されているが、地下部分は既存の山留め構造体を再利用する形で設計されている。


③ 地上建物の構造体としては、中央コア部とWING部先端のメガカラム、最上階の大トラスで 構成されている。各フロアーのWING部は、2フロアー分の高さのトラスを中央コアとメガカラムに架け渡す構造となっている。


④ WING部は、中央コア部分を中心に、フロアー毎に時計回りに4.5度ずつ回転しており、WING部先端のメガカラムがねじれた形状となっている。


⑤ 基礎免震として、アメリカのEPS社(Earthquake Protection Systems)の免震システム(FPS :Friction Pendulum System すべり振り子型免震装置)を採用している。
  このシステムは、
    1) 免震構造に要求される、アイソレータとダンパーの機能を合わせ持つ複合型である
      ことから装置がコンパクトで設置スペースがとられない。
    2) 建物重量によらず免震周期を長く設定できるため、軽荷重の建物でも免震効果を
      発揮するなどの特徴がある。
   *アイソレータ:建物と地盤を振動的に絶縁するため、水平方向の剛性を極めて小さくし、
     鉛直方向の荷重を支持できる免震部材。
   *ダンパー:アイソレータだけでは、揺れの衝撃を小さくすることはできても、振動を止め
     ることはできない。この揺れの振動を減衰させる免震部材。


⑥ 中央コアおよびWING部の複雑な鉄骨の建て方に、熊谷組が開発した「建方エース」を採用する予定。


⑦ 奇数階フロアーは住戸内に柱が無く、玄関扉を開けると135度の眺望。


⑧ 中央コアには多機能ELVがあり、乗用車の他、救急車等も各戸玄関前まで横付け可能。よってハリウッド映画の様に、F1・クラッシックカーを室内に展示可能。

3.工事概要

  建物名:陶朱隱園 (タオヂュインユェン)
  場所:台湾省台北市信義區松高路68號
  工事価格:約100億円
  発注者:中華工程股份有限公司
  基本設計者:Vincent Callebaut
  実施設計者:元宏聯合建築師事務所
  結構設計:傑聯國際工程顧問有限公司 (King-Le Chang & Associates)
  施工者:華熊營造股份有限公司
  工期:2013年8月1日~2017年4月30日(45カ月)
  用途:高級住宅(分譲)
  敷地面積: 8,160㎡
  建築面積: 3,263㎡
  延床面積:42,927㎡
  構造:S造21/4 (2戸/F×20F=40戸)
  基礎構造:杭72本 (最大径250cm)
  高さ:93.2m
  掘削深さ:18.3m
  EV=居住者用4台 多機能用1台
  駐車台数=車238台 バイク274台
  工事範囲:構造、外構、設備、共用部分仕上げ含む
  仕上げ工事:内装はスケルトン

以上

[お問い合わせ先]

[本リリースに関するお問い合わせ先]
 株式会社 熊谷組  広報室
 室長:五十川 宏文
 担当:小坂田 泰宏 (電話03-3235-8155)