「黒部の太陽」をモチーフにした作品「美しき黒部の太陽 偉大な先人達へ」 が東京国際キルトフェスティバルに入選...大田社長・笹島会長も刺繍で登場

2013年02月08日

 1月24日から30日まで、東京ドームにて「東京国際キルトフェスティバル ― 布と針と糸の祭典2013 ―」が開催されました。NHK、読売新聞社らが主催するこのキルトフェスティバルは、毎回20万人以上もの人が訪れる日本最大のキルト展です。
 フェスティバルの最大イベントである「日本キルト大賞」コンテストで、「黒部の太陽」をモチーフにした作品が入選しました。 作者は富山県出身の服飾デザイナー、坂上政子氏です。

※キルト:表地と裏地の間に薄い綿を入れ、重ねた状態で指し縫いしたもの。
     日本では、多色の布を縫い合わせたパッチワークキルトが主流。 

入選作品「美しき黒部の太陽 偉大な先人達へ」の前で記念撮影 
坂上政子先生と櫻野取締役(富山県出身)

 坂上氏は、富山市のアトリエでキルトのほか様々な手芸作品を製作しています。
坂上氏のキルト作品は「富山の風景」を題材にしており、日本のみならず世界各国で高い評価を得ています。キルト作りを始めて3年余りで16もの賞を受賞しています。最近では、ヒューストンで行われる米国最大のキルトショー「International Quilt Festival Houston 2011~12」のアートスケープ部門において、日本の桜をモチーフにした作品「Cherry Blossoms」で世界第2位を受賞しています。
 また、資源再生・古い布や紙の再生など環境意識の高い坂上氏の「古新聞を使ったエコバック製作教室」はマスコミ各社に取り上げられています。

 今回の作品は「美しき黒部の太陽 偉大な先人達へ」と題した、タペストリー型の大型作品です。国内外から応募された1500点を超える作品の中から3回の厳しい審査を経て選ばれました。
 雄大な黒部ダムに太陽の光が燦々と降り注ぐ美しい景色と、その偉業を成し遂げた先人達の「ものづくりにかけた熱い情熱」を描いたそうです。坂上氏は「黒部の太陽」に関連する書籍などを読破して製作にあたりましたが、その壮絶な内容に重圧を感じ、一時は作品が作れなくなったこともあったそうです。しかし「笹島会長のご苦労なさったお気持ちをなんとしても形にしたい」と思ったそうです。
 この作品を制作するきっかけとなったのは大田社長、笹島会長との出会いだったことから、作品の左下には大田社長と笹島会長の姿も刺繍されています。

作品の左下には大田社長と笹島会長の刺繍
描かれたトラックには「熊谷組」と社名が入っています

 作品の製作には毎日夜なべをして約3ヶ月費やしました。製作の過程では、遠近感を出すために色や素材の違う布を何枚も重ねてミシンで縫っていくそうです。また、太陽の輝きには金色の布を細かく裁断して配置し、落ちないようにその上にレースを重ねるという工夫をしたそうです。

坂上氏の作品を鑑賞する来場者 細かい技法に注目しています

 東京国際キルトフェスティバルは、「日本キルト大賞」のコンテストのほか、特集企画の展示やキルトマーケットの出店、ワークショップなども行われ、多くの来場者の熱気に包まれていました。

大勢の来場者 会場の様子