放射性物資による環境汚染の再生に対する総合的な支援体制を構築
2012年03月29日
当社は、日本原子力研究開発機構の公募により採択された「除染技術実証試験事業」を昨年12月より福島県大熊町内で行い、下記に示す実験結果が得られました。また今年に入り、環境省より緊急除染実施業務の事業者に選定があり、落葉等の減容化、排水の処理方法、除去の土壌等の保管方式などを企画提案に盛り込み採用され、大熊町で公的施設の緊急除染業務を実施しています。
また、今後本格化する福島県を中心とした除染作業、除染により発生する土壌等の中間貯蔵施設建設など、放射性物資による環境汚染への再生に対して、総合的な支援(技術・営業・施工)を行う専門部署として、平成24年4月1日付で土木事業本部特別プロジェクト室に「環境再生エンジニアリング部」を設置し取り組みを強化してまいります。
■平成23年度「除染技術実証試験事業」での実績
「特殊洗浄機による放射能汚染土壌の減容化および一時保管方法に関する実証試験」
1.実証試験の目的
放射性セシウムが粘性土に吸着されていることに着目し、校庭や公園等の生活圏から発生する土壌を特殊土壌洗浄機システム(SRS:スパーリサイクロンシステム)により洗浄・分級処理することで一時保管すべき高濃度汚染土壌の量を減容化する。
2.実証試験結果の概要(速報版)
洗浄・分級後試料の除染率:82~97%
粒径0.075mm以下の放射能濃度割合:87~94%
洗浄・分級後の試料(No.5-1) 左から未洗浄、粒径5mm、 粒径0.075~5mm、粒径0.075mm以下 |
洗浄・分級後の試料(No.10-1) 左から未洗浄、粒径5mm、 粒径0.075~5mm、 粒径0.075mm以下 |
3.結論
空間線量率が10μSv/hr程度では、特殊土壌洗浄システムにより洗浄・分級処理することで230,000~360,000Bq/Kgレベルの超高放射能濃度の微粒子(粒径0.075mm以下)と3,000~7,000Bq/Kgレベルの放射能濃度の粗粒子(粒径0.075mm以上)に分別することが可能であることが確認された。
洗浄効果については、土壌の性状(例えば粒子の空隙量等)により異なる傾向を示しており、要求される処理レベルによっては、補助処理が必要となる場合がある。
■平成23年度大熊町公的施設等拠点施設に係る緊急除染実施業務
1.業務の目的
本格的な除染等の実施に向けて、大熊町の公的施設等拠点施設の除染作業を行うとともに、その効果の調査等を実施するもの。
2.除染対象地域
①大川原ライスセンター
②坂下ダム管理棟
以上