集合住宅に使用できる軽量床衝撃音低減性能の大きい石張り直床を開発

2010年07月05日

 株式会社熊谷組(取締役社長 大田弘、本社:東京都新宿区)、株式会社ESG JAPAN(代表取締役 奥 弘史 本社:東京都千代田区)は、集合住宅に使用できる軽量床衝撃音低減性能の大きい石張り直床を開発しましたので、お知らせ致します。
 今回開発した石張り直床は,玄関たたきや室内廊下部分等に使用できます。

1.背景

 集合住宅の玄関たたき部分は、コンクリートの上に直に石やタイルを張る場合が一般的でした。近年、フリープランに対応できる集合住宅が増えてきており、玄関たたきの直下に居室が配置される場合もでてきます。このような場合に、従来は、湿式浮き床工法や乾式2重床の石張り工法を採用しておりました。しかし、湿式浮き床工法や乾式2重床の石張り工法は、床スラブを130mm程度下げておく必要があり、フリープランに対応しにくいのが現状でした。

2.概要

 今回開発した集合住宅に使用できる軽量床衝撃音低減性能の大きい石張り直床は、厚さが20~25mmであるため、スラブに段差をつけることなく通常の石張り床と同様に施工することができます。
天然石は、衝撃でひびが入る可能性があるため、天然石の裏に磁器質タイルをエポキシボンドで接着し一体化させることによって剛性を向上させました。この磁気質タイルの裏に帯状に独立発泡させた特殊ゴムを貼り付けることで高い床衝撃音低減性能を実現させました。本工法は特許出願中です。

図1 天然大理石と磁気質タイルを一体化
図2 断面構成

3.特徴

 本工法の特徴は、
①天然石の裏に磁器質タイルを接着し一体化することによって石の剛性を向上させております。
②独立発泡特殊ゴムを防振材として採用することによって接着剤の浸み込みを防止しております。 ③ハイヒールやサンダルの衝撃周波数となる1000Hz帯域~4000Hz帯域に高い床衝撃音低減性能をもたせています。
④通常の石張り床と同じ厚みで施工できます。

4.遮音性能

 今回開発した床の床衝撃音低減性能は、ハイヒールやサンダルの周波数帯域である1000Hz帯域で13dB、2000Hz帯域で23dB、4000Hz帯域で27dBです。

5.施工状況

 石張り床の施工状況を以下に示します。

写真1 石に磁器質タイルを接着後、独立発泡特殊ゴムを帯状に接着、そのゴムに接着剤を塗布
写真2 石張り床施工状況
写真3 石の目地間にシール材を施工
写真4 施工完了

6.コスト

 軽量床衝撃音低減性能の大きい石張り直床のコストは、18,200円/㎡(材工)としており、乾式二重床の石張り工法と比較して15%程度(スラブ下げ費用を含まず)コストを低減することができます。

7.今後の展開

 今後,集合住宅の音環境に関する重要なツールとして位置付け,デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく予定です。なお、本商品の販売は,ESG JAPANが行ないます。

[お問い合わせ先]

[本リリースに関するお問い合わせ先]
 株式会社熊谷組 広報室
 室長:藤島 幸雄
 担当:石賀 慎一郎 (電話03-3235-8155)

【技術に関する問い合わせ先】
 株式会社 熊谷組  技術研究所
 副所長(兼)都市・居住環境研究部 部長:大脇 雅直
 担当:財満 健史 (電話 03-3235-8724)

【販売に関する問い合わせ先】
 ESG JAPAN事業部長 佐藤嶺秋 
 担当:池田辰子 (電話03-5809-2815)