香港・東部海底道路トンネルMOM事業

地図
EHC(香港東部海底トンネル)2016年現在

工事概要

香港東部海底トンネル(Eastern Harbour Crossing)
発注者 香港交通局
構造・規模 海底トンネル 約1.9km 山岳トンネル 約0.4km
 

日本企業として香港発の業務参画へ

MOM事業で新たなビジネス展開へ

 2016年、熊谷組は、香港東部海底トンネル(Eastern Harbour Crossing、以下「EHC」)の管理・運営・保守事業(Management, Operation, and Maintenance、以下「MOM事業」)に参画した。熊谷組はこれを海外における新ビジネスモデルへの取り組みの一環として位置づけており、日本企業としては、香港で初の取り組みとなる。

 今回のMOM事業の対象であるEHCは、熊谷組が1986年から1989年にかけて建設し、香港初のBOT(Build Operate Transfer)方式による道路運営事業(以下、「BOT」)として手がけてきた。

 香港島のクォーリーベイ地区と九龍半島のチャコウリン地区を結ぶ全長2.2キロメートル、片側2車線計4車線、一日あたりの交通量約7万5千台という海底道路トンネルで、1989年の開通から今日まで、香港の人々の暮らしや経済を支える大動脈として重要な役割を担っている。

 今年8月6日に30年の事業期間が満了し、施設は香港特別行政区政府に返還されたが、香港政府は返還後のMOM事業を業務委託する方針を打ち出した。これに五社が応札し、香港CITIC社(中国中信股 有限公司)、熊谷組並びに株式会社ニューリアルプロパティの三社による共同出資会社の所有する香港現地法人が落札。香港特別行政区政府運輸署とのあいだでMOM契約を締結し、3年間(2年、発注者側のオプションで1年追加可)の管理・運営・保守業務を行うことになった。

 熊谷組は、EHCの建設工事にとどまらず、BOT事業、さらには今回のMOM事業に参画することにより”トータルなインフラ事業”に携わることになった。それを受けて、松田邦紀在香港日本国総領事は「熊谷組による香港でのインフラ発展への貢献は、わが国として誇るべきことであり、今後も香港のインフラ整備に貢献してほしい」と語った。