技術・サービス
床衝撃音予測計算シートについて(インピーダンス法)
インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法
集合住宅における床衝撃音レベルの予測手法を開発し、 設計者が使用できるように 「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法の解説」手引書を作成
株式会社熊谷組は、信州大学工学部山下恭弘教授監修のもと、有限会社泰成電機工業、フジモリ産業株式会社と共同で、集合住宅における新たな床衝撃音レベルの予測手法を提案致しました。
さらに、設計者が簡単に床衝撃音レベルを計算し、スラブ厚さ等を算定できるように「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法の解説」として手引き書を作成いたしました。
概要
集合住宅を設計する段階で、音環境、特に床衝撃音レベルは、必須の検討事項の一つになっております。日本建築学会では「建物の遮音設計資料(技報堂出版、1988.8)」で,スラブの支配面積が、30m2以下であるRC構造の建物に対する床衝撃音レベルの予測法を提案いたしました。しかし、現在では、スケルトンインフィルやフリープランに対応できる設計が求められ、スラブの支配面積が60m2を超える大型スラブ構造が増えてきております。日本建築学会の予測手法を拡張して、大型スラブの床衝撃音レベルの大きさを予測すると、実際の建物の性能と合わないという指摘が、多くでておりました。このため,大型スラブに適用できる精度の良い、新たな床衝撃音レベル予測手法の確立が急務となっています。
このような背景に基づき、大型スラブに対応できる新たな床衝撃音レベルの予測手法の提案をいたしました。さらに、床衝撃音レベルの予測手法の精度向上を計り、広く普及させるために、「インピーダンス法による重量及び軽量床衝撃音レベルの予測計算法」の解説書と、表計算ソフトで簡単に床衝撃音レベルを予測計算できる予測計算シートを配布することといたしました。
内容
この解説書は、
- (1)日本建築学会が提案している小型スラブに対する床衝撃音レベル予測手法の解説
- (2)新たに提案した各種床構造タイプに対応できる中型~大型スラブに対する予測計算方法の説明、
- (3)提案した予測式の計算例と実際の集合住宅における実測値との対応の説明,
- (4)初心者にとって分かりにくい音響用語の解説、
- (5)設計者からの予測計算に関する質問に対する回答(Q&A)
から構成されています。
さらに、業務ソフトのディファクトスタンダードとなっているマイクロソフト社製表計算ソフトウェア「Microsoft(R) Excel」上で、簡単に床衝撃音レベルを予測計算できるように、インターネットのHPから予測計算シートを自由にダウンロードできるようにしました。この予測計算シートは、予測に必要な基本的な計算条件を入力すると、設計性能を満足できるスラブ厚さや床衝撃音レベルを得ることができます。予測計算の結果は、グラフ化され、そのまま報告書に添付して使用できるようにしています。床衝撃音レベルの予測計算結果と実測値の例を示します。

| オクターブバンド中心周波数(Hz) | L数 | ||||
| 63 | 25 | 250 | 500 | ||
| 実測値 | 69 | 55 | 46 | 41 | 46 |
| 予測値 | 72 | 55 | 46 | 42 | 49 |
| 予測値(素面) | 72 | 55 | 46 | 42 | 49 |
これまで、床衝撃音レベルの予測計算は、計算を行う人の経験に頼る部分が多く、計算結果に5~10dB程度のばらつきを生じていました。今回、上記の解説書と予測計算シートを配布することで床衝撃音レベルの予測計算方法の標準化を計ることができ、計算結果のばらつきも小さくなることが期待できます。
今後の展開
今後、集合住宅の床衝撃音レベルの予測検討を行う際の重要なツールとして位置付け、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく予定です。
さらに、床衝撃音レベルの予測に本計算手法を用いた方から、忌憚のない評価・意見を頂き、より使いやすい解説書に仕上げていくよう、今後も継続的に検討をしてく予定でおります。
なお、床衝撃音の予測計算シートは下記のホームページのどこからも同じ形式でダウンロードすることができます。
信州大学 工学部 社会開発工学科 山下研究室
http://kenchikuhp.shinshu-u.ac.jp/yamashita/toppage.html
株式会社熊谷組
有限会社泰成電機工業
フジモリ産業株式会社
有限会社音研


