プレスリリース

山岳トンネル完全機械化技術『新KM21TM』 

平成30年4月10日

山岳トンネル完全機械化技術『新KM21TM』
シールド工法の機械化技術と山岳トンネルの施工技術を
融合させた新しいトンネル工法

 株式会社 熊谷組(代表取締役社長 櫻野泰則)は、JIMテクノロジー 株式会社(代表取締役社長 三木孝信 本社:神奈川県川崎市)と共同で、山岳トンネルの完全機械化技術「新KM21TM」を開発しました。  本工法は、大深度・大土被りにおける土砂地山から硬岩までのトンネル施工の完全機械化を目指し、1台の機械であらゆる地山条件の変化に対応し、常に最適な掘進機構と支保で施工出来る21世紀の新しいトンネル工法です。

 


図1 新KM21TM 施工イメージ図


1.開発の背景

 山岳トンネル工法は人力に頼るところが多く、熟練工の減少や切羽災害の発生などが潜在的な課題となっており、機械化施工が望まれてきました。一方、シールド工法は完全に機械化された工法ですが、超高水圧となる大深度ではシールド本体やセグメントの強度に限界があり適用範囲に限りがあります。  今回、大深度、高水圧の地盤条件において、省人力化、作業環境改善、安全性や生産性の更なる向上を目指して、平成14年に発表したKM21TMをさらに進化させた、『新KM21TM』を開発しました。


2.工法の特徴

 本工法の主な特徴は以下のとおりです。また、本工法の対象地盤は、土砂地山から中硬岩まで対応が可能です。

【特徴1:掘削方法】
 山岳トンネル(NATM)に近い機構を有した機械式トンネル工法で、機械本体で地盤改良や水抜きを行いながら掘削します。また、掘削断面は円形断面に比べて無駄が少なく合理的な馬蹄形断面にしました。

【特徴2:支保方法】
 カッターヘッド直後の坑壁に、掘進と並行して吹付けコンクリートと鋼製支保工による一次支保構造を構築します。早期支保を実現するため、地山の緩みを最小に抑えることができます。その後、計測結果に応じてロックボルトの打設や二次吹付けを行います。

【特徴3:掘進反力】
 掘進反力は、インバートブロックと吹付け面へ拡張したフレームを利用します。

 

  以前のKM21TMと比較して、より山岳トンネル(NATM)の工法に近づけ、掘削断面を馬蹄形にして、支保材料を高価な充填式コンクリートから安価で施工性の良い(閉塞の恐れのない)吹付けコンクリートに変えたことなどにより、施工性と経済性がさらに改善され、より実効性のある工法となりました。

 


図2 工法の特徴

 


図3 特徴1掘削方法

 

3.本工法によるメリット

 ・吹き付け作業を完全機械化することで、熟練工不足の解消と切羽の災害を防止します。
 ・一工程での完全機械化掘削とすることで、高速施工が可能となり生産性が向上します。
 ・地盤に見合った掘削方式への切換えと、前方探査機構および補助工法装置を標準装備することで、
  事前の調査と対策工が可能となり、安全性が向上します。
 ・上記のような生産性の向上に伴い、コスト縮減が可能となりました。


図4 KM21TMによるメリット

 

 

4.今後の展開

  本工法は、長距離・大深度・大断面のトンネルを合理的かつ効率的に施工する技術です。今後は、鉄道トンネルや道路トンネルを対象に適用の検討を行い、積極的に技術提案を行い、実用化を目指していきます。

 

※本工法は、㈱熊谷組とJIMテクノロジー㈱の二者で共同特許を出願中の技術です。


本リリースに記載している内容は発表日時点のものですので、あらかじめご了承願います。
【本リリースに関する問い合わせ先】
株式会社 熊谷組 コーポレートコミュニケーション室 広報グループ 電話 03-3235-8155
【技術に関する問い合わせ先】
株式会社 熊谷組 土木事業本部 シールド技術部・トンネル技術部 電話 03-3235-8649
BACK
PAGE TOP