プレスリリース

インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(改訂)」を発刊

平成24年10月30日

インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(改訂)」を発刊

 株式会社熊谷組(取締役社長 大田弘 本社:東京都新宿区)は信州大学名誉教授山下恭弘監修のもと有限会社泰成電機工業(代表取締役社長 片桐佑介 本社:長野県駒ヶ根市)、フジモリ産業株式会社(代表取締役社長 山根光 本社:東京都品川区)、野原産業株式会社(代表取締役社長 野原数生 本社:東京都新宿区),万協株式会社(代表取締役社長 清水雅弘 本社:東京都品川区)、有限会社音研(代表取締役 石川義治 本社:埼玉県八潮市)が共同で研究した成果を「インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(改訂)」として床衝撃音研究会から発刊しました。

1.背景

 集合住宅を設計する段階で、音環境,特に床衝撃音遮断性能の検討は必須項目の一つになっています。床衝撃音遮断性能の予測計算方法としてはインピーダンス法を用いた予測計算法が提案されています。この方法は、エクセルなどの表計算ソフトがあれば計算でき、実務に広く利用されています。
  2006年2月に「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法」の解説書と表計算ソフトで簡単に床衝撃音レベルを予測計算できる「予測計算シート」を公開しました。この解説書および予測計算シートは1998年に大脇(株式会社熊谷組技術研究所副所長)・山下(信州大学名誉教授)らによって提案された大型スラブを対象としたインピーダンス法(以下、大脇・山下式)を基に作成されていました。
  一方で,国際規格であるISO規格との整合を考慮して2000年にJIS A 1418「建物の床衝撃音遮断性能の測定方法」などの関連規格が改正されました。そこで改正された日本工業規格にあわせて実建物の測定データを収集し,予測計算法の見直しを行ってきました。
  このような背景に基づき「インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法および予測計算シート」を改訂しました。この改訂した「インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法」は、「シリーズ 建築の音環境入門 山下恭弘信州大学名誉教授 監修」※No.33~No.41で解説を行いました。

 ※ シリーズ 建築の音入門:信州大学名誉教授山下恭弘監修のもと、建築の音環境
                    について判りやすく理解できる小冊子として月1回程度刊行しています。
   参考:2008年11月21日プレスリリース「集合住宅に関する音環境の手引書「シリーズ 建築の音環境入門」を発刊!」




2.概要

 「インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(改訂)」は、「シリーズ 建築の音環境入門」※No.33~No.41を読まれた方からの質問や意見を反映させて、わかりやすく集合住宅における重量床衝撃音レベルの予測方法を解説した冊子であり122ページです。
本は3部で構成されており、そのなかにそれぞれ質問と回答が載せられています。
 第1部は、インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(大脇・山下式2012)の改定内容と計算方法の解説で、15の質問と回答から構成されています。インピーダンス法による予測法を理論的に実務にたずさわる設計者が理解できるようにわかりやすく解説しています。
 第2部は、具体的な事例によるインピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(大脇・山下式2012)の計算方法及び予測精度の解説で、10の質問と回答から構成されています。実際の集合住宅において重量床衝撃音レベルをどのように予測したらよいかを具体的な事例に基づいて解説しています。さらに、竣工時における測定値と予測値の精度を統計的に検討し、解説しています。
 第3部は、床衝撃音の測定方法に関する疑問点・注意点の解説で10の質問と回答から構成されています。実際の建物で、床衝撃音レベルを測定するときに留意すべき点や測定する居室をどのように選定したらよいか等についてわかりやすく解説しています。

冊子「インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(改訂)」の表紙

 



冊子の構成(目次)を以下に示します。

はじめに

第1部 インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測法(大脇・山下式2012)の改訂内容と計算方法の解説
  Q1:インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法の現状について教えてください。
  Q2:「インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法」(大脇・山下式2012)の改訂内容について
    教えてください。
  Q3:衝撃源の衝撃力特性を教えてください。
  Q4:床スラブ断面の各種定数の算定方法を教えてください。
  Q5:「基本インピーダンス」,「インピーダンスレベル上昇量」,「インピーダンスレベル低下量」はそれ
    ぞれどのような特性を表しているのか教えてください。
  Q6:床スラブの基本インピーダンスレベルの算出方法を教えてください。
  Q7:スラブ周辺拘束によるインピーダンスレベル上昇量の算出方法を教えてください。
  Q8:共振によるインピーダンスレベル低下量の算定方法を教えてください。
  Q9:加振点別インピーダンスレベルの算出方法を教えてください。
  Q10:床スラブ内の振動減衰補正量の算定方法を教えてください。
  Q11:受音室の有効放射面積の算出方法を教えてください。
  Q12:音響放射係数の算出方法を教えてください。
  Q13:受音室の吸音力の算出方法を教えてください。
  Q14:サウンドレベルメータの動特性補正の方法を教えてください。
  Q15:オクターブバンド重量床衝撃音レベルの算出方法を教えてください。

第2部 インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測法(大脇・山下式2012)の具体的な事例による予測計
     算方法及び予測精度の解説
  Q16:インピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(大脇・山下式2012)について具体的な事例に
     基づいて解説してください。
  Q17:実際の建物での実測結果と予測計算結果との対応性について教えてください。
  Q18:統計的に見たインピーダンス法による重量床衝撃音レベル予測計算法(大脇・山下式2012)の精度を教
      えてください。 
  Q19:インピーダンス法(大脇・山下式2012)を用いて設計値を満足させるスラブ厚を算出するときのチェッ
      ク項目について教えてください。
  Q20:予測計算シートを用いて基本計画を行う場合の入力用計算シートの使い方を教えてください。
  Q21:予測計算シートを用いて実施設計を行う場合の入力用計算シートの使い方を教えてください。
  Q22:計算結果シートの見方を教えてください。
  Q23:居室が大梁一辺拘束の場合に垂壁を付加することがありますが,その場合の床衝撃音レベルの計算方法
     を教えてください。
  Q24:居室に中間柱が接している場合の重量床衝撃音レベルの計算方法について教えてください。
  Q25:予測計算シートで「スラブ段差」を選択したときに留意すべき点を教えてください。
 
  第3部 床衝撃音遮断性能の測定方法に関する疑問点・留意点の解説
  Q26:床衝撃音遮断性能の測定方法について教えてください。
  Q27:JIS A 1418-1,-2:2000では加振点は,「室の周壁から50cm以上離れた床平面内で,室中央付近1点を含ん
     で平均的に分布する3~5点とする。」とありますが,具体的な加振点のとり方の例を教えてください。
  Q28:竣工前に床衝撃音遮断性能を測定する場合,対象となる居室はどのように選定するのでしょうか?
  Q29:床衝撃音遮断性能の測定を実施するときの留意点を教えてください。
  Q30:床衝撃音遮断性能を測定するとき,上下階で居室の配置が異なる場合にはどのように測定を行えばいい
     のでしょうか?
  Q31:加振点位置と受音点位置は異なっていてもいいのでしょうか?
  Q32:ルーフバルコニーの直下に居室がある場合の床衝撃音遮断性能の測定はどのように行えばよいのでしょ
     うか?
  Q33:施工途中に床衝撃音遮断性能を測定するとき,現場はどのような準備をしたらよいでしょうか?
      また,注意点を教えてください。
  Q34:床衝撃音遮断性能を測定する機器の使用上の留意事項を教えてください。
  Q35:床衝撃音遮断性能の実測結果から暗騒音の補正はどのようにして行うのでしょうか?

あとがき



3.今後の展開

  今後、集合住宅の重量床衝撃音レベルの予測検討を行う際の重要なツールとして位置づけ、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に本冊子を提案していく予定です。さらに、本冊子を読んで本予測法を使っていただいた方から忌憚の無い評価・意見をいただき、より使いやすく精度の高い予測計算法に仕上げていくように今後も継続的に検討していく予定でいます。

 なお、本冊子で解説している重量床衝撃音レベルの予測計算シートは下記のウェブサイトのどこからも同じ形式でダウンロードできます。

株式会社熊谷組        http://www.kumagaigumi.co.jp/
有限会社泰成電機工業    http://www.bankyo.co.jp/
フジモリ産業株式会社     http://www.fujimori.co.jp/
有限会社音研          http://www.otoken.co.jp/


インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法
 予測計算シートは、業務ソフトのディファクトスタンダードとなっているマイクロソフト社製表計算ソフトウェア「Microsoft Excel」上で動作します※。誰でも簡単に重量床衝撃音レベルを予測計算できるようにインターネットのウェブサイトから自由にダウンロードできるようにしています。この予測計算シートは、予測に必要な基本的な計算条件を入力すると設計性能を満足できるスラブ厚さや重量床衝撃音レベルを得ることができます。予測計算の結果は、グラフ化され、そのまま報告書に添付して使用できるようにしています。
※ Microsoft Windows XP上のMicrosoft Excel2000/2003,Windows Vista上のMicrosoft Excel2007およびWindows 7上のMicrosoft Excel2010で動作確認しております。
  

 

 

 



[お問い合わせ先]
[本リリースに関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  広報室
室長:手島 眞之
担当:小坂田 泰宏 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  技術研究所
副所長:大脇 雅直
担 当 :黒木 拓 (電話 03-3235-8724)
   有限会社 泰成電機工業
   常務取締役:堀内 一治
   担 当 :石丸 岳史 (電話 0265-83-1138)
   フジモリ産業株式会社
   取締役建材事業部長:浜口 浩孝
   担 当 :西野 嘉一 (電話 03-5789-2381)
   野原産業株式会社
   建材営業本部副本部長:今井 力
   担 当:小林 秀樹 (電話 03-3355-4809)
   万協株式会社
   営業2部 部長:鴇田 文男
   担 当:北洞 武志 (電話 03-5424-0707)
   有限会社 音研
   代表取締役:石川 義治
   担 当:杉木 陽次 (電話 03-6279-7294)


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