プレスリリース

本設地盤アンカー工法の高耐力化を図り、建築技術性能証明を取得

平成23年11月29日

本設地盤アンカー工法の高耐力化を図り、建築技術性能証明を取得

 株式会社熊谷組(取締役社長:大田弘、本社:東京都新宿区)は、地下水による浮力または地震力による建物の浮上り防止に採用してきた本設地盤アンカー(STKアンカー)の高耐力化(1本当たりの引抜抵抗力を従来の1.5倍に)を図り、財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第11-08号)を取得しましたのでお知らせします。

1.背景

 STKアンカー*1は、地下水位が浅い地盤で建物が浮力を受ける場合または地震力や風荷重により高層建築物、搭状構造物の基礎に引抜き力が生じる場合などの対策に用いる本設地盤アンカー工法(鉛直型)です。熊谷組では本アンカーの開発以降、14件の個別物件に採用してきましたが、その間、建設汚泥発生量の抑制を目的とした施工法の改良(セメントミルクの注入後にアンカー部材を挿入する手順Aに代えて、アンカー部材挿入後にセメントミルクを注入する手順Bを追加)などを行ってきました。
 一方、地下階が深い場合あるいは建物の搭状比*2が大きい場合、建物に生じる引抜き力が大きくなるため、必要なアンカー本数が多くなり、アンカーの配置が困難となる場合が生じます。このような場合の対応策として、既往アンカーを改良し、アンカーの高耐力化を図りました。高耐力のアンカーを採用することにより、アンカー本数は少なくなり、工期の短縮ならびにCO2排出量の削減にも寄与することができると考えられます。

 

*1:STKアンカーは、ゼネコン2社(清水建設株式会社、株式会社竹中工務店)との共同開発による。
*2:建物の高さの幅に対する比であり、アスペクト比ともいう。

 

2.開発アンカーの特徴

 STKアンカーは、アンボンド加工した引張材と定着長部に耐荷体(リブ付鋼管)を用いた圧縮型地盤アンカーであり、注入材に引張力を生じさせず、安定した引抜抵抗力を発揮するのが特徴です。既往アンカーの削孔径は170mmとしていましたが、削孔径を225mmに拡大することにより、引張材の使用可能本数を増やすことができ、アンカー1本当たりの引抜抵抗力の向上を図っています。削孔径を拡大した高耐力のアンカー(大口径アンカー)1本当たりの許容引張力(定着完了時)は最大で既往アンカー(一般口径アンカー)の1.5倍である2370kNとなり、現在、建物に適用されている本設地盤アンカー工法の中では最大級の引抜抵抗力を有します。なお、大口径アンカーの基本構成ならびに施工手順は一般口径アンカーと同じとしています。

 

STKアンカーの基本構成

 

STKアンカーの主な仕様

 

 

3.性能確認試験

 削孔径を拡大した大口径アンカーの施工性について検討するために、原位置試験を実施し、大口径アンカーの施工性に問題ないことを確認しました。また、施工を行った大口径アンカーに対して引抜試験などの載荷試験を行い、所定の引抜抵抗力を有することを確認しました。

 

 

4.今後の予定

 削孔径を拡大した大口径アンカーについては、STK-Ⅱアンカー工法として、平成23年7月25日に財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(性能証明 第11-08号)を取得しました。適用可能なアンカータイプが増えたことから、従来よりも合理的な設計提案が可能となりました。今後は、地下水による浮力を受ける建物あるいは地震力などにより高層建築物、搭状構造物の基礎に引抜き力が生じる場合などの対策に、本アンカー工法のさらなる普及展開を図っていく所存です。

 


[お問い合わせ先]
[本リリースに関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  広報室
室長:藤島 幸雄
担当:石賀 慎一郎 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  技術研究所 地球環境・地盤研究部 地盤基礎研究グループ
部長:森 利弘 (電話03-3235-8721)
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