プレスリリース

建物と一体となった大強度加速器用の高性能ビームダンプを開発

平成20年6月17日

建物と一体となった大強度加速器用の高性能ビームダンプを開発

株式会社熊谷組(取締役社長 大田弘、本社 東京都新宿区)は建物躯体一体型大強度加速器用ビームダンプを開発しました。

1.背景

 昨今、エネルギー開発領域、材料開発領域、生命科学領域や、民間の研究開発部門で加速器を用いた研究開発が増えると同時に加速器の照射エネルギーは高密度化かつ増大する傾向にあります。
  ビームダンプは、大強度加速器をはじめとする各種加速器の開発や、加速器運転時の照射調整用に用いられる装置で、加速器で加速された粒子のもつエネルギーを安全に除去する装置ですが、エネルギーの増大に伴い、ビームダンプは大型化する傾向にあるのと同時に構成する材料の物理的限界(たとえば耐熱温度)に達しようとしています。


2.概要

 これら背景のもと、床置き型ビームダンプを建物躯体と一体化することで放熱機構を見直し、従来3×3×2.5mのサイズで加速器ビームパワー100kW連続運転が限界とされていた入力パワーを、ほぼ同一サイズで5倍の入力パワーまで許容できるビームダンプを開発しました。

 開発のポイントは、
   ①入射エネルギーを均等にビームダンプ内部に分散させる3次元構造。
   ②ビームダンプ材料の耐熱条件を考慮したコンポジット構造。
   ③放熱を確保するためのビームダンプ外周部機構。
   ④放熱を確保するために建物躯体と一体化したビームダンプ下部機構。
  以上4項目からなり、擬似加速器としレーザー照射装置を用いて模型実験を行い基本事項の確認ならびにコンピュータシミュレーションを用い実大サイズで成立することを確認しました。
 なお、本成果は熊谷組と日本原子力研究開発機構との共同研究「ダンプターゲット材料の構造についての研究開発」において実施されたものです

 

入射エネルギーを均等にビームダンプ内部に分散させる3次元構造                 入射エネルギーを均等にビームダンプ内部に分散させる3次元構造

入射面熱は2次元、熱伝導は3次元拡散          入射面は3次元、熱伝導は2次元拡散
(入射部のエネルギー密度大)                (入射部のエネルギー密度小)
     ↓                                 ↓
   入射部高温                           入射部低温

   従来型構造                           開発したダンプターゲット


        ①入射エネルギーを均等にビームダンプ内部に分散させる3次元構造

 

 

ビームダンプ材料の耐熱条件を考慮したコンポジット構造            ビームダンプ材料の耐熱条件を考慮したコンポジット構造

     従来型構造                        開発したダンプターゲット 

                        参考値 鉄(Fe) 融点1535℃ 熱伝導率80.2W/mK
                              銅(Cu) 融点1084℃ 熱伝導率401W/mK

 

                ②ビームダンプ材料の耐熱条件を考慮したコンポジット構造

 

③放熱を確保するためのビームダンプ外周部機構

 

③放熱を確保するためのビームダンプ外周部機構

 

 

放熱を確保するために建物躯体と一体化したビームダンプ下部機構

 

④放熱を確保するために建物躯体と一体化したビームダンプ下部機構

 

施工手順

施工手順

施工手順

 

施工手順

 

施工手順

 

[お問い合わせ先]
[本リリースに関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  広報室
室長:藤島 幸雄
担当:石賀 慎一郎 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組   技術研究所 建設技術研究部 先端施設研究グループ
部長:石橋 久義
担当:鈴木 宏和 (電話03-3235-8722)
 
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