プレスリリース

水中不分離性高流動無収縮モルタル「マックスAZ」プレミックスタイプを開発

平成19年1月17日

水中不分離性高流動無収縮モルタル「マックスAZ」プレミックスタイプを開発

株式会社熊谷組(取締役社長 大田 弘、本社:東京都新宿区)は、土木、建築などの充填材として主に水のある場所での工事に使用される、水中不分離性高流動無収縮モルタル「マックスAZ」のプレミックスタイプを開発しました。

1.概要

近年、既存構造物のリニューアル工事や耐震補強工事をはじめ、建設市場の多様化などのニーズに応じて、土木、建築における充填材の需要が大幅に増えています。熊谷組では、こうしたニーズに応えるため、特に“水が溜まっている”あるいは“水が付いている”というような場所での工事に最適な水中不分離性高流動無収縮モルタル「マックスAZ」を開発しました。
  「マックスAZ」は、従来の混和剤とは全く異なる作用機構の高性能特殊増粘剤を用いる事により、①水中で打設しても強度の低下が少ない、②水中打設時に水の濁りが少ない、③水中不分離性を有していながら流動性が高いなどの性能を有しています。

「マックスAZ」の荷姿

                   
  従来の「マックスAZ」は、増粘剤や分散剤が液体であったため、モルタル製造時にプレミックス材とは別にこれらの混和剤を添加する必要がありました。今回、高性能特殊増粘剤の粉体化の成功により、水以外のすべての材料をプレミックスした袋詰めのモルタルが完成しました。この袋詰めタイプの完成により規定量の水を加えて練り混ぜるだけで容易に高性能なモルタルが製造できるようになりました。

2.マックスAZの特長

(1)水中気中強度比が90%以上の優れた強度特性
水中気中強度比とは気中で作製した供試体の圧縮強度に対する水中で作製した供試体の圧縮強度の比を百分率で表したものです。土木学会の「水中不分離性コンクリート設計・施工指針」中のコンクリート用水中不分離性混和剤品質規格では、水中気中強度比は80%と規定されています。「マックスAZ」は材齢に関わらず水中気中強度比が90%以上の高い強度特性を有しています。

(2)水中不分離性が高く、水中での充填作業が可能
「マックスAZ」は水の洗い作用に対する抵抗性が大きく、水中で落下させても分離しにくいため、打設時の水の濁りが抑えられます(従来の水中モルタルは、水と接触すると洗い作用により分離するため、水との接触を出来る限り避ける必要がありました)。水中である程度落下させながらの打設が可能なため、特殊な工法を用いる必要が無く作業性にも優れています。

(3)優れた自己充填性とセルフレベリング性
小さな応力で変形が生じ粘性が大きいため、材料分離を生ずることなく、高い流動性を確保します。また、高い流動性により狭い隙間や突起物等の障害のある場所にも十分に充填できるとともに、型枠に流し込むだけで打ち上がり面が自然に平坦になります。

3.マックスAZの性能

  「マックスAZ」と市販品2種類(共に水中不分離性を有していると資料に記載されているプレミックスモルタル)による比較試験の結果を示します。比較実験は、フレッシュ性状として水中不分離性と充填性を、硬化性状として圧縮強度、水中気中強度比を検討しました。

◆水中不分離性、充填性
  次表は水中不分離性と充填性の状況を示したものです。
「マックスAZ」は、水中で打設した場合にも水の濁りが少なく、かつ充填性に優れセルフレベリング性を有していますが、市販品においては、水中に打設した際に水の濁りの少ない材料(市販品1)は充填性に劣り、充填性に優れている材料(市販品2)では水中に打設した際に水の濁りが多くなります。
このように水中不分離性と充填性を同時に満足する材料は「マックスAZ」である事が確認できます。


表 水中不分離性および充填性の状況

◆強度
(1)圧縮強度
  気中および水中で作製した供試体による圧縮強度試験の結果は下図のとおりです。圧縮強度試験の結果

 

(2)水中気中強度比
  「マックスAZ」は、材齢7日、材齢28日ともに90%以上ですが、市販品では材齢7日、材齢28日のどちらかで土木学会基準(JSCE-D 104-1999)に規定されている水中気中強度比80%を下回る結果になっています。

 図 圧縮強度試験結果

 

4.従来のマックスAZとの相違点

  従来製品では、セメントと砂のプレミックス材に水と液体混和剤(ボトル2本)を添加してモルタルを製造する方法、レディミクストコンクリート工場において所定の配合で練り混ぜてモルタルを製造する方法、プレーンモルタルだけをレディミクストコンクリート工場で製造し、液体混和剤を現場で後添加する方法などがありました。これらの方法は、液体混和剤と水を別に添加するため計量ミスや投入ミスの可能性があること、レディミクストコンクリート工場などの施設が必要である事などの問題点がありました。
  この理由は液体である高性能特殊増粘剤の粉体化が非常に困難であったためです。今回、高性能特殊増粘剤の粉体化に成功したため、プレミックスタイプの製造が可能となりました。そこで新しい「マックスAZ」はプレミックス工場において、セメント、砂、混和剤を所定の配合となるように計量、撹拌して、25kgの袋詰めの荷姿として製造されています。
  「マックスAZ」プレミックスタイプは、水以外の全ての材料をプレミックスした袋詰めであるため、袋詰めの材料に水を加えて練り混ぜるだけで水中不分離性高流動無収縮モルタルを容易に製造できるようになりました。

5.今後の展開

今後、株式会社熊谷組は、下記に示すような用途をターゲットに「マックスAZ」を全面展開する予定です。販売に関しては、株式会社ファテック(熊谷組子会社)を通して実施いたします。
◆「マックスAZ」の用途
 ○地下水位の高い地中基礎部へのモルタル充填
 ○水が存在する場所における橋脚部耐震補強鋼板等への裏込めモルタル充填
 ○湧水や漏水の激しい劣化トンネルの修復のための裏込めモルタル充填
 ○セルフレベリング性を必要とする狭い隙間へのモルタル充填
◆「マックスAZ」の種類と価格
「マックスAZ」はこれまでに紹介してきた主力商品である水中不分離性に特化したタイプ(Type A:標準的な水中不分離タイプ、Type B:流動性をより高めた水中不分離タイプ)の他、通常の充填材として使用できる水中不分離性を持たない一般タイプ(Type C)もあります。
   定価:Type A、Type B :各々 4,000円/袋 (160円/kg ≒ 29万円/m3)
       Type C: 3,500円/袋 (140円/kg ≒ 25万円/m3)

[お問い合わせ先]
[本リリースに関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  広報室
室長:藤島 幸雄
担当:石賀 慎一郎 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組 技術研究所  
建設材料研究グループ
副所長:佐藤 孝一
担 当:野中 英 (電話 03-3235-8723)
[営業に関するお問合せ先]
株式会社ファテック(東京都新宿区)
代表取締役社長:青野 孝行
開発営業部 担当:石口 真実 (電話 03-3235-6269)
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