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平乾式二重床の床先行工法 振動伝搬を低減する「アイランド工法」を開発
乾式二重床の床先行工法における 振動伝搬を低減する「アイランド工法」を開発
株式会社熊谷組は三井不動産株式会社(代表取締役社長 岩沙弘道 本社:東京都中央区)、野原産業株式会社(代表取締役社長 野原数生 本社:東京都新宿区)と共に、床先行の乾式二重床のアイランド工法を開発し、三井不動産株式会社のパークタワー秋葉原で実験して高い床衝撃音遮断性能と振動絶縁性能を確認しましたのでお知らせします。
1.概要
近年,集合住宅のフリープラン,バリアフリーやSI住宅への対応から乾式二重床の床先行工法の採用が増加してきています。床先行工法は,間仕切り壁よりも先に下地を施工する工法です。そのため,歩行などにより発生した振動が下地材を介し,隣の部屋に伝搬することがありました。そこで,図1に示すような振動伝搬経路をカットするアイランド工法を開発いたしました。本工法の用途としては,より静かな環境を必要とする主寝室などに用いることを想定しております。なお、本工法は、特許を出願中です。
今回開発いたしましたアイランド工法については,実験室における実大実験で隣室から伝わる振動伝搬を大きく低減できることを検証したうえで,パークタワー秋葉原への採用を計画し,実際に施工を行い,日本建築学会の「建築物の振動に関する居住性能評価指針」の評価で,強歩行相当で、従来工法は振動と分かる確率が90%でしたが,今回開発いたしましたアイランド工法では,振動と分かる確率が10%まで下がることを確認しました。さらに、従来工法と同等の床衝撃音遮断性能を確保していることを確認いたしました。
パークタワー秋葉原の概要
- 所在地
- 東京都千代田区神田練塀町55番地他
- 建物用途
- 共同住宅 住居108戸 店舗 1戸 機械式駐車場 34台
- 建築面積
- 487.90m2
- 延床面積
- 9246.50m2 地下1階地上21階

図1 従来工法とアイランド工法の比較
2.実際の建物における振動伝搬の低減効果
実際の建物においてアイランド工法の振動伝搬低減効果について確認を行いました。床に衝撃を加えた隣の部屋において床面の振動加速度を測定した結果を図2,3に示します。衝撃源には,歩行よりも強い,強歩行に相当する衝撃として,ゴムボールを床上10cmから落下させました。
衝撃を加えた側の振動加速度レベル(図2)は,工法によらず同じ値となっています。一方、振動が伝搬した隣の部屋の振動加速度レベル(図3)を見ると,従来工法と今回開発したアイランド工法との間に明確な差が生じていることが確認できます。従来工法では,V-90の曲線とほぼ同程度ですが,アイランド工法では,V-10の曲線と同程度までに下がり,伝搬してきた振動を感じにくくなっています。振動加速度レベルで約10dB程度の低減効果が得られています。

図2 衝撃を加えた側の振動加速度レベル

図3 衝撃を加えた隣の部屋の振動加速度レベル
3.床衝撃音遮断性能
実際の集合住宅(主寝室)において測定したアイランド工法の床衝撃音遮断性能を図4に示します。アイランド工法による床衝撃音遮断性能は,Li,r,L-45,Li,Fmax,r,H(1)-50,Li,Fmax,r,H(2)-45の高い床衝撃音遮断性能を示していました。
なお、スラブは、サイレントボイドスラブ280mmです。

図4 床衝撃音遮断性能測定結果
4.コスト
本工法のコストは、NSフロアーII/アイランド工法11,000円/m2+アイランド補強5,000円/m(床高さ130mm、フローリングを除く)と設定しております。
5.今後の展開
アイランド工法を集合住宅の音環境制御の重要なツールとして位置付け、積極的に提案していく予定です。
なお、本工法の施工は、野原産業株式会社(代表取締役社長 野原数生)が、製造は有限会社 泰成電機工業(代表取締役社長 平栗弘明 長野県駒ヶ根市)が行います。


