プレスリリース

スレンダーな超高層マンションに新技術を導入し免震化を実現

平成18年1月10日

スレンダーな超高層マンションに新技術を導入し免震化を実現

株式会社 熊谷組(取締役社長 大田 弘)は、超高層建物の免震化技術に積極的に取り組み、従来では不可能といわれていた形状の建物にまで適用範囲を拡大し、耐震安全性が高く、かつ更新性に優れた超高層免震マンションを建設しています。

背景

免震構造の普及初期の段階では低層の建物が主な対象でしたが、最近では超高層建物についても免震化のニーズが高まってきています。しかしながら、塔状比*1の大きいスレンダーな超高層建物を免震化するには技術的に難しい面がありました。これは、地震時に端部の免震装置に大きな引張り力が作用し、装置の持つ免震性能を維持できなくなるという欠点のためであり、一般的には塔状比3~4程度を超えると設計が大変難しくなるとされてきました。

一方で、入居者の多様な住まい方に応えることができ、ライフスタイルや社会情勢の変化にも対応できる更新可能型の長寿命住宅のニーズも増えてきています。将来における更新を可能とするための設計手法として、スケルトンインフィル(SI)*2がありますが、これを実現するためには、配管・配線などを自由に引き廻すために、各階の高さ(階高)を十分に確保する必要がます。しかしこの場合、同一高さに確保できる住宅戸数は少なくなるため住戸一戸当たりの価格が上昇してしまい、マンションデベロッパーの事業計画に悪影響を及ぼす可能性があり、これがSI住宅の普及を阻害する要因のひとつとなっていました。

  • *1 塔状比:建物の高さの幅に対する比のこと。アスペクト比ともいう。
  • *2 スケルトンインフィル:建物を“スケルトン:構造体”と“インフィル:内装・設備”に分けて設計する考え方のこと。インフィル部の変更を自由に行うことができ、家族構成変化など将来のライフスタイルの変化に柔軟に対応可能で長く暮らせる住宅が実現できる。

 

ロック機構付きオイルダンパーによる
風揺れ対策技術

風揺れ対策技術

 

アスペクト比の大きな建物の免震化を可能にした
免震装置の引抜力緩和のための接合詳細

免震装置の引抜力緩和の接合詳細

概要

熊谷組では、超高層免震マンションの技術的課題の克服に挑戦を続けており、以下に示すような技術を駆使することによって、従来では不可能といわれていた塔状比6のスレンダーな超高層免震マンションを実現しました。(実施例1)

  • (1)ハイブリッド免震による建物の長周期化、地震力の低減
  • (2)特殊な接合方法の採用による地震時の免震装置の引き抜き力緩和
  • (3)ロック機構付きオイルダンパーによる風揺れ対策

さらに、SIの思想に基づき、将来の間取り変更に対応できる超高層集合住宅を実現するために、以下に示すような設計技法を用い建物の更新性を高めました。(実施例2)

  • (1)設備配管を共用スペースに集中し、建物の更新・維持・管理を容易にする
  • (2)床コンクリート打設レベルを4段階に設定し、水廻り範囲は限定しながらも 低階高の中でインフィル(内装)の可変性を確保
今後の展開

今後も超高層建物の免震化技術を積極的に適用することによって、耐震安全性が高く、かつ、更新性に優れた超高層免震マンションを建設していく予定です。

実施例1

実施例1

実施例2

実施例2

[お問い合わせ先]
株式会社 熊谷組
[リリースに関するお問い合わせ先]
広報室
室長:藤島 幸雄
担当:石賀 慎一郎(電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
技術研究所
部長:吉松 賢二(電話03-3235-8722)
担当:前川 利雄
BACK
PAGE TOP