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トンネル覆工の劣化を測定 TLIS工法を開発
トンネル覆工の劣化を測定する打音法を機械化するTLIS工法を開発いたしました!
株式会社熊谷組(取締役社長 鳥飼一俊)は、トンネル覆工の劣化を打音法で診断することを目的に、機械化した打撃装置による打撃音を解析し、劣化の有無等を定量的に判定できるシステム“TLIS”(Tunnel Lining Inspection System)を開発しました。
トンネル覆工のはく落事故を契機に検査の重要性が再認識されるようになり、定期的に検査を行なうことが義務付けられるようになりました。通常の定期点検では、目視と打音調査によるものですが、人力による打音調査では、個人によって打撃力や判定が異なることや長時間の調査では疲労や集中力の低下により打撃力や判断力が持続しないなどの問題点が指摘されております。トンネル覆工の劣化を打音法で診断することを目的に、機械化した打撃装置による打撃音を解析し、劣化の有無等を定量的に判定できるシステム“TLIS”(Tunnel Lining Inspection System)を開発しました。
1.概要
トンネル覆工を打撃装置で打撃し、その打撃音をあらかじめ収録しておいた健全であると想定される覆工の打撃音と比較することにより、当該箇所における覆工の健全性を定量的に判定するシステムです。
打撃装置を機械化したことにより、一定の打撃力で打撃することができます。また、打撃音を解析し評価指標(音圧レベル、音圧)を算出し、これをもとに覆工の健全性を定量的に判定することができます。このように、人力による打音法の問題点とされる打撃や判定における個人差や持続力、集中力の低下による調査精度の低下を防止できます。
覆工コンクリートの健全性は「劣化」、「要確認」、「健全」の3段階で評価し、要確認箇所についてはあらためて人力で再確認します。


2.特徴
■判定項目、範囲
はく離厚さ10cm以下、コンクリート表面から10cm以下の範囲にある空洞やジャンカの存在の可能性を判定できます。
通常は、50cm間隔のメッシュの交点となる位置を打撃し、健全性を判定します。
■打撃ハンマー
- 動作機構:ソレノイド(電磁石)を利用したピストン式
- 質 量:250g(通常のコンクリート検査用に使用)
- 打撃力:人力による打撃力と同程度の力
- 打撃角度(範囲):鉛直上向き~仰角20°
■調査速度
調査所要時間は、1側線(5打点、延長2.5m)あたり約2分です。従って、50cmピッチのメッシュ交点を打撃する場合の調査速度は約40m2/hとなります。


3.解析
覆工コンクリートの健全性を判定するための評価指標となる音圧レベルと最大音圧を求めます。 打撃音の音圧レベル(dB)は、周波数解析(FFT)を行い、2つの周波数帯域(低温域(500~2kHz)、高音域(2k~5kHz))について求めます。

4.判定
事前に健全部であると判断される箇所の打撃音の最大音圧と音圧レベルのバラツキ(平均値、標準偏差)を調査、解析・計算します。
調査箇所の打撃音の最大音圧と音圧レベルと健全部のそれの平均値を比較し、乖離度をもとに評価点(1~3点)を求め、各評価指標ごとの評価点の合計(総合評価点)をもとに覆工コンクリートの健全性を判定します。


- 打音法とは -
ハンマーなどによりコンクリート表面を打撃してコンクリート中に弾性波を発生させ、この弾性波によりコンクリート表面から空気中に放射された音の大きさや高低をもとに劣化を判定する手法です。コンクリート表面をハンマーで打撃すると、コンクリートとハンマーの両方から音が発生し、これらが混ざった形で打音として観測されます。従って、コンクリートから発生する音は、一般的に以下のような音により構成されます。
- (1)打撃位置の破壊を含む弾塑性的変形が直接空気中に放出される音
- (2)変形によって発生する弾性波(表面波、縦波、横波)がコンクリート表面や内部を伝搬して任意の位置の表面を振動させることにより発生する音
- (3)コンクリート構造物そのものが打撃によってたわみ振動することにより発生する音



