プレスリリース

山岳トンネル総合管理システム-Ground Mother- を開発

平成14年7月30日

山岳トンネル総合管理システム-Ground Mother- を開発

株式会社熊谷組(取締役社長 鳥飼 一俊)は、このたび「山岳トンネル管理システム(覆工管理編)-Lining Master-21-)、「山岳トンネル管理システム(維持管理編)-Ground-21-」を開発し、施工から維持管理までも含めた総合的な管理システムである「山岳トンネル総合管理システムーGround Mother-」が完成しましたのでお知らせします。

1.はじめに

現在、当社が開発した「山岳トンネル管理システム(掘削管理編)-Mother-21-」は、新設時の山岳トンネルにおける地質・支保データの管理システムとして各現場に導入されています。

今回、「山岳トンネル管理システム(覆工管理編)-Lining Master-21-」、「山岳トンネル管理システム(維持管理編)-Ground-21-」を開発し、施工から維持管理までも含めた総合的な管理システムである「山岳トンネル総合管理システム-Ground Mother-」が完成しました。

Ground Motherは、Mother-21、Lining Master-21、 Ground-21のデータベースを共有させることにより、施工データを維持管理に反映させ、効果的な補修・補強工法の支援と維持管理履歴データベースを構築するシステムです。

2.開発の背景と目的

近年、経済、社会情勢の変化により、従来にも増して社会資本ストックの効率的な維持管理が求められています。また、高度経済成長期に建設された社会資本ストックにおいては今後、大量に補修などの必要性が増してくることが考えられております。

また、技術的な面では情報処理技術の活用により、品質の向上、施工の効率化、補修維持時におけるデータの共有などが求められてきております。

当社は、このような社会的な要請に応えるべく、平成5年にトンネル切羽を対象として「画像解析による岩盤評価システム」を構築しました(平成5年6月発表)。さらに、このシステムを中核機能としてトンネル掘削に関する管理業務の効率化・省力化を目指して「山岳トンネル管理システム(掘削管理編)-Mother-21―」を開発いたしました(平成8年11月発表)。

これらのシステムは当社および他社を含め、現在までに60件以上の現場などで使用していただいております。

今回、当社では、上記の掘削時の管理システム(Mother-21)に加え、覆工時の施工デ-タを切羽掘削時と同様に一元的に管理する「Lining Master-21」と、供用されるトンネルの覆工の保守・点検の記録の電子化および維持・補修への判断材料を提供するためのシステムである「Ground-21」を開発いたしました。

今回、発表させていただく「山岳トンネル総合管理システム-Ground Mother-」はこれらの3つの管理システムを統合したもので、これにより、掘削(地質・支保情報)・覆工・保守点検の全デ-タを一元管理することが可能となりました。

3.山岳トンネル総合管理システム-Ground Mother-の特徴
  • 1.トンネルの設計・施工から点検・保守に至る膨大な情報を、統一のデータベースに距離程を用いて一元管理のもとに蓄積します。
  • 2.既設トンネルの保守点検時には、施工記録を参照することにより的確な維持管理が行えます。
  • 3.新設トンネルの設計・施工に際しては既存トンネルの実績記録から安全性・コスト縮減の方向性を維持補修段階を含めて提示します。
  • 4.各管理システムは独立したシステムとしての運用が可能です。

システム概念図と各管理システムの主な機能

システム概念図と各管理システムの主な機能

4.Ground-21の概要

Ground -21の基本機能は、(1)手書きもしくは連続画像データとして記録されている覆工コンクリート変状展開図(クラック、漏水、コンクリート劣化部等の展開図)をイメージスキャナーで入力後、簡単にCAD化することができます。また、(2)画面上で調査年度ごとの展開図を時系列で比較することができます。さらに、(3)展開図上に写真を貼り付け、写真に撮られたクラックをなぞることによりクラック展開図が作成できます。このクラック展開図をもとに(4)変状箇所の3次元表示機能を持っています。

補修・補強の要否及び優先順位を判断する機能としては、(5)変状状態を分析し、打設ブロック毎にクラックの走向傾斜、クラック密度、クラックの位置・連続性及びキーブロック等を自動的に抽出・集計します。

Mother-21とLining Master 21のデータを共有することにより、覆工コンクリートに変状が発生した地点の地質状況、支保状況およびコンクリートの打設状況が一目で分かるため、適切な補修・補強対策が選定できます。

また、(6)台帳・写真帳機能を合わせ持っているため、全ての記録がこのシステム一つで管理が可能です。

さらに、(7)複数のトンネルを管理・検索が可能なため、複数のトンネルにおいて共通する変状項目などのデ-タ検索が可能です。

5.今後の展開

コンクリート標準示方書では、供用後も施工者が覆工の工事記録を持つことが義務付けられています。本システムは結果として、このような社会のニーズに答えることができるものです。

今後は、

  • 1.本システムにより施工から維持管理・補修まで、山岳トンネルの幅広い分野でのトータルマネージメントを実施していく
  • 2.ダムの点検用通路、水路トンネルなどのような鉄道・道路トンネル以外にも幅広い分野への展開を目指す
  • 3.山岳トンネル管理システム(維持管理編)-Ground-21」を発注者、コンサルタントなどに積極的に展開していく

予定でおります。

[お問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  経営企画本部広報部
部長:藤島 幸雄
担当:柴山・石賀 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組   土木本部
部長 : 岩井 孝幸
担当 : 手塚・川越(電話03-3235-8622)
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