プレスリリース

自動現場透水試験システム(平 主水/たいらのもんど)を開発

平成14年7月16日

盛立材料の現場品質管理技術
「自動現場透水試験システム(平 主水/たいらのもんど)」を開発

株式会社熊谷組(取締役社長 鳥飼 一俊)は、このたびフィルダム等の盛立現場における盛立材料の現場品質管理技術「自動現場透水試験システム(平 主水/たいらのもんど)」を開発しましたのでお知らせします。

開発の背景

ロックフィルダム等の盛立現場では、定期的に盛立材料を試験し、品質管理をする必要があります。盛立材料の品質管理項目の中でも重要な項目の一つである「土の透水性」は現場透水試験により求めることができますが、現場透水試験は多大な労力や長い時間を必要としていました。

そこで、現場透水試験の計測管理と透水係数の算定、その後のデータ処理を含めた一連の試験結果出力までを自動化した「自動現場透水試験システム(たいらのもんど平 主水)」(特許出願中)を開発しました。

システムの概要

今回、開発したシステムは、透水試験方法に規定されている (1)定水位法 および (2)変水位法の何れの試験方法にも一台の装置で対応でき、さらにロックフィルダムにおける各種材料(コア材、フィルタ材、ロック材等)の最小から最大の幅として約10-4オーダーで異なる透水係数を測定することができます。また、透水係数の算定には、電力土木協会の式をはじめとする現在国内で使用されている各種試験算出方法に対応しています。

本システムは、複数孔の透水試験管理を自動で行うことによって、大幅な労力の軽減を実現すると共に、測定精度の飛躍的な向上にも寄与しています。

平成13年10月より山内ダム(発注:千葉県、形式:中心しゃ水ゾーン型フィルダム、堤高:21.6m、堤頂長:99.8m、堤体積:59千m3)で試験施工を踏まえて本採用されました。

今後の予定

今年度は、真喜屋ダム(発注:沖縄総合事務局、形式:中央しゃ水壁型ロックフィルダム、堤高:33.6m、堤頂長:171.1m、堤体積:330千m3)でも採用が予定されています。また、徳山ダム(発注:水資源開発公団、形式:中央しゃ水壁型ロックフィルダム、堤高:161.0m、堤頂長:415.0m、堤体積:13,900千m3)において、昨年度の仮締切工(上流二次締切工)で試験的に使用するとともに、本年度本採用できるかどうか検討中です。さらに、各地のロックフィルダム現場をはじめとして、大規模盛立現場などへの積極的な展開を図るとともに、(株)ファテック(東京都新宿区 社長 青野孝行)を通しての一般ユーザーへの販売も検討中です。

システムの基本構成

図-1に定水位法におけるシステムのブロック図を示します。また、図-2に変水位法におけるシステムのブロック図を示します。

定水位法による自動現場透水試験システムのブロック図

図-1 定水位法による自動現場透水試験システムのブロック図

変水位法による自動現場透水試験システムのブロック図

図-2 変水位法による自動現場透水試験システムのブロック図

本システムは、3つのメインブロックと2つの補助ブロックで構成されています。

<メインブロック>
1.制御機器(コントロールボックス)
2.定水位タンク
3.試験孔水面レベル計
<補助ブロック>
4.警報装置
5.バッテリ

以下に、各ブロックの性能について記述します。

<メインブロック>

1.制御機器(コントロールボックス)

写真-1に制御機器の外観を示します。制御機器は写真―1に示す収納ボックスに格納されており、現場における塵埃や降雨などから制御機器を保護しています。定水位法による試験時には試験孔水面レベル計の値を計測することにより、定水位タンク内の電磁弁を制御して同内の水位タンクから試験孔へ水を供給し、その供給量と経過時間より透水計数の自動測定を行います。変水位法の場合は、制御器機から直接試験孔水面レベル計を計測することとその経過時間で透水係数の自動測定を行います。また、測定された透水係数の値がリアルタイムに表示されるとともに画面上に経時変化をグラフとして表示することが可能です。

制御機器(コントロールボックス)

写真-1 制御機器(コントロールボックス)

定水位タンク内部

写真-2 定水位タンク内部

2.定水位タンク  

写真-2に定水位タンクの内部を示します。定水位タンクは、定水位法による試験時に水を供給するための水位タンクと水位タンクからの給水量を測定するための水面レベル計および給水量をコントロールする電磁弁で構成されています。この定水位タンクは、定水位法による試験時に電磁弁と連動して試験孔に水を供給し、試験孔の水位を一定に保たせる機能を有しています。ただし、変水位法による試験時には使用されません(図-2参照)。

3.試験孔水面レベル計  

写真-3に試験孔水面レベル計の外観を示します。この水面レベル計は、定水位法による試験時には定水位タンク内部の電磁弁と連動して水位を一定に保ち、変水位法による試験時には試験孔の水位を自動測定する機能を有しています。

試験孔水面レベル計

写真-3 試験孔水面レベル計

<補助ブロック>

4.警報装置  

透水係数が管理基準値を超えた場合や、計測中に定水位タンク内の水が無くなった時などの計測に不具合が発生した場合に、回転灯が作動します。

5.バッテリ  

バッテリ(12V 38A)を接続することで電源を確保し、試験場所に拘束されず装置を作動させることができます。

システムの特徴

システムの特徴を以下に、制御機器(コントロールボックス)メイン画面を図-3に示します。

  • ・現場透水試験を制御機器(コントロールボックス)により自動管理。
  • ・測定データからリアルタイムに透水係数を算出。
  • ・一般的に現場透水試験時に実施されている3孔について、同時計測が可能(最大4孔まで可能)。
  • ・上記同時計測時の孔間隔は各々最大50mまで延長コードを使用することで可能。
  • ・透水係数算定式は定水位法では4種類、変水位法では6種類があらかじめ入力されているので、各現場の算定方法に合わせて算定式を選択することが可能。
  • ・透水係数が予め設定しておいた基準値を超えたとき、または定水位タンクの水が無くなったときなどに、警報装置が作動。
  • ・測定データをPCカードなどにより他のコンピュータに送信可能。

御機器(コントロールボックス)メイン画面

図-3 制御機器(コントロールボックス)メイン画面

現場における使用状況

山内ダム
徳山ダム
[お問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  経営企画本部広報部
部長:藤島 幸雄
担当:柴山・石賀 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
株式会社 熊谷組   土木本部 ダム技術部
部長 : 田中 雄作
担当 : 佐藤・吉村 (電話03-3235-8649)
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