プレスリリース

次世代型の最終処分場「高吾北処理センター」完成

平成14年4月10日

安全性と機能性を高めた次世代型の最終処分場「高吾北処理センター」
(施工:熊谷・浅野・織田建設工事共同企業体)が完成

熊谷・浅野・織田建設工事共同企業体が高知県越知町で建設している一般廃棄物最終処分場「高吾北処理センター」(事業主体:高吾北広域町村事務組合)が完成しましたのでお知らせします。本施設は、現在の管理型最終処分場の問題点を解決できるように、我が国でも未だ数少ない被覆型構造を採用するとともに種々の設備を備えた、安全性と機能性を高めた次世代型の最終処分場です。

1.背景

廃棄物の管理型最終処分場は、廃棄物を適切に貯留する「貯留機能」と自然界の代謝機能を利用して廃棄物を安定化・無害化する「浄化機能」が必要です。廃棄物の安全な貯留と早期安定化を実現させるためには、浸出水を埋立地内部に貯留させずに、浸出水の漏洩防止、浸出水質の悪化抑制、廃棄物の浄化作用の促進を図ることが重要となります。

現在の管理型最終処分場では、処分場内部への浸出水貯留(水質悪化、浸出水漏洩)、廃棄物の粉塵飛散・悪臭拡散、大雨による浸出水の漏出、廃棄物の浄化・安定化(浄化作用は水みちの一部のみ)などが問題点として挙げられています。今回完成した「高吾北処理センター」は、これらの全ての問題点を解決することを目標に計画された最終処分場です。

本施設は、我が国でも未だ数少ない被覆型最終処分場構造を採用するとともに、散水設備による計画散水や廃棄物投入設備による無転圧埋立方式などを導入することで、廃棄物の貯留機能に対する安全性と浄化機能の向上、及びランニングコストを含めたトータルコストの低減を目指した最終処分場です。

2.特徴

「高吾北処理センター」の最大の特徴は、屋根付き処分場としながら廃棄物(焼却灰)の早期浄化を目指した点にあります。従来のクローズドシステムでは廃棄物の安定化に問題がありますが、本施設ではこれを計画的な散水により解決しようというものです。施設の特徴は以下のとおりです。

  • (1)屋根付き処分場(被覆型処分場構造)としては、中国・四国地方では初めての施設です(国内においても4~5番目)。
  • (2)埋立地を被覆することで埋立中の粉塵飛散・悪臭拡散の防止や浸出水の内部貯留を防止し、周辺環境と調和し安全性が向上します。
  • (3)埋立中の自然降雨を制御することで水処理量を減少させ維持管理まで含めたトータルコストが低減できます。
  • (4)埋立中の計画的散水により廃棄物の浄化促進を図ることで埋立物の早期安定化が可能です(熊谷組ルーフィングシステム)。
  • (5)貯留構造物は3槽に分割されており、各々に独立した浸出水集排水設備が設けられているため、埋立物の浄化シミュレートが埋立早期段階から可能です(熊谷組カセットシステム)
  • (6) 被覆設備にレッカー懸垂移動式のドーム型アルミ骨組膜構造(カナダ製)の軽量屋根を採用し、高耐久性で駆動装置等の不要化かつ移動時のコストが低減できます。
  • (7)廃棄物投入設備に走行式開閉ホッパー型撒布装置を採用し、埋立作業の無人化を実現しました。
  • (8)コンクリートピット構造としゃ水シートの組合せによる高い遮水性能と信頼性が向上します。
  • (9)本最終処分場は、屋根も含めた国庫補助対象施設です。
3.工事概要

(1)名 称:

高吾北広域町村事務組合 埋立処分地施設建設工事(その1)

(2)工事件名:

高吾北広域町村事務組合 高吾北処理センター

(3)発注者:

高吾北広域町村事務組合

(佐川町、越知町、仁淀村、池川町、吾川村の5町村からなる一部事務組合)

(4)工事場所:

高知県高岡郡越知町大字越知杉奥谷ノ生元地内

(5)工 期:

平成12年10月5日~平成14年3月31日

(6)設 計:

(株)東洋技研

(7)施 工:

熊谷・浅野・織田建設工事共同企業体

(8)施設内容:

  • 1) 埋立地構造システム:
    被覆型(移動屋根式)準好気性埋立構造〔ルーフィングシステム〕
  • 2) 埋立地構造形式 :
    3槽分割コンクリートピット構造〔カセットシステム〕
  • 3) 埋立地 :
    • ・ 埋立面積:2,400m2( 800 m2×3ピット)
    • ・ 埋立容量:19,000m3(6,333m3×3ピット)
  • 4) 用 地 :
    • ・ 敷地面積:28,003.2 m2(内搬入路面積 754.94 m2
    • ・ 造成面積:8,200 m2
  • 5) 埋立期間 :
    平成14年度から約15年対応
  • 6) 埋立対象廃棄物 :
    焼却残渣(熱灼減量 2~4%):日搬入量 約5t/日

(9)工事内容:

  • 1) 貯留構造物(3分割鉄筋コンクリートピット構造)
    • ・ 全体寸法 : 長辺67.05m×短辺37.5m×高さ11.8m 底盤厚1.8m 壁厚1.8m 中仕切3槽構造  
    • ・ 1槽内寸法 : 長辺33.9m×短辺19.95m×高さ10.0m
  • 2) しゃ水設備
    • ・ 底面しゃ水工(二重しゃ水シート構造):4,866 m2
      • 下部保護マット(短繊維不織布t=10mm)
      • +しゃ水シート(FPA t=1.5mm)
      • +中間保護マット(短繊維不織布t=10mm)
      • +しゃ水シート(FPA t=1.5mm)
      • +上部保護マット(短繊維不織布t=10mm)
      • +保護土(山砂 t=500mm)
    • ・ 壁面しゃ水工(一重しゃ水シート構造):3,360 m2
      • 第1ピット:アスファルト含浸シート(t=4mm)+遮光性保護マット(長繊維不織布t=4mm)
      • 第2,3ピット:アスファルト含浸シート(t=4mm)+遮光用トップコート(アクリル系)
  • 3) 集排水等設備
    • ・ 地下水集排水管 : 幹線φ300mm 有孔ポリエチレン管〔別途工事〕
    • ・ 浸出水集排水管 : 幹線φ300mm 有孔ポリエチレンダブル管
      (各槽から浸出水取水ピットまで3系統で配管)
      枝線 耐圧型排水材(240×30×2層)+メッシュシート(♯15000)
  • 4) 発生ガス対策設備 :
    壁部ガス抜き管:φ150 ネット状ポリエチレン管
  • 5) 廃棄物投入設備  
    ・走行式開閉ホッパー型撒布装置 :定格荷重 2.0t スパン20.4m、無線操作方式
  • 6) 散水設備
    ・回転式スプリンクラー:6個所/槽、散水量 5t/日/槽 (本地域年間平均降水量2,700mm相当)
  • 7) 被覆設備
    • ・ 移動式軽量屋根 : ドーム型アルミ骨組膜構造(C種膜) カナダ・スプラング社製
      長辺39.1m×短辺21.336m×高さ9.584m
      延面積 834.24 m2(1槽分) 総重量12.5t
    • ・ 移動方式 :1槽埋立完了毎にレッカーによる2分割懸垂移動、埋立終了後は撤去  
    • ・ 建築確認用途 :汚物処理場等  
    • ・ アルミニウム建築構造協議会「アルミニウム建築構造設計基準」適合  
    • ・ 構造種別 :アルミニウム合金軸組ブレース構造・アーチ構造(主材配置 桁行方向3.0mピッチ)
    • ・ 基礎構造 : 直接基礎(RC造)
    • ・ 構造主材 : 断面 H-205×127×8×12.5 材料 アルミニウム合金AS210  
    • ・ 外装材 :ポリエステル膜(PVCコーティング) t=0.85mm
      表面 デュポン社製フッ素フィルムラミネート加工
    • ・ 設計積雪荷重 :最深積雪量30cm(一般地域) 単位積雪荷重600N/m2
    • ・ 設計風荷重 : 基準風速V0=36m/s(高知県高岡郡越知町)
    • ・ 設計地震力 : 設計用せん弾力係数C=0.2
  • 8) 換気設備 : 換気扇: 157m3/min×2基
  • 9) 屋内環境計測設備
    • ・ ガス検知システム :吸引式ガス検知器(天井部1ヶ所,貯留槽内部2ヶ所)、ガス検知警報装置、回転灯  
    • ・ 検知項目及び設定値 : メタン1.25%以下(25%LEL)、酸素18%以上、硫化水素10ppm以下、0.5%以下、屋内温度
  • 10) モニタリング設備〔別途工事〕
    • ・ 地下水モニタリング : モニタリング井戸φ100 上下流各1ヶ所
    • ・ 測定項目 : pH,電気伝導度 自動計測(手動計測切替可)
  • 11) 浸出水処理設備
    • ・ 処理能力 :20m3/日(埋立終了屋根撤去後の自然降雨による浸出水量で設定)  
    • ・ 地下調整槽容量 : 860m3
    • ・ 管理棟 : RC造 一部2F建 延床面積532.34 m2
    • ・ 処理水質 :
      処理水質
    • ・ 処理系統 :
      処理系統
4.各設備とその特徴
  • (1)移動式被覆設備(ドーム型アルミ骨組膜構造屋根)
    • 1) アルミ骨組膜構造のため軽量であり移設が容易にでき、移設時のコストが低減します。
    • 2) アルミ構造であるため、廃棄物の影響による腐食の心配がありません。
    • 3) 全面被覆型に比べコストダウンとなります。
    • 4) 埋立物の飛散が防止できるため即日覆土が不要です(焼却残査の熱灼減量2~4%)。
  • (2)廃棄物投入設備(走行式開閉ホッパー型撒布装置、無線操作方式)
    • 1) 埋立作業の無人化により、重機等による敷き均し作業にかかるランニングコストが低減できます。
    • 2) 投入設備により埋立作業を行うので、貯留槽内へ人が入ることがないため安全です。
    • 3) 重機作業がないため、遮水シートに損傷を与える危険性がありません。
    • 4) 転圧しないので焼却灰が固化しにくく、散水による洗い出し効果が確実になり、埋立物の早期安定化が可能です。
    • 5) 転圧しないので、埋立物内に空気が存在し準好気性下での浄化促進作用があります。
    • 6) 重機作業がないため中間覆土が不要となり、その分の容量確保が可能です。
  • (3)貯留構造物(3槽分割コンクリートピット構造)
    • 1) ピット構造なので敷地面積に対して十分な埋立容量が確保できます。
    • 2) コンクリートと遮水シートの組合せであるため地盤変形等によるシート損傷の危険性がなく遮水性の高い構造です。
    • 3) 未埋立の槽は水を貯留します。この水はシートの保護にも役立ち、防火用水や農業用水としても利用できます。
    • 4) コンクリート構造なので地震に対しても安全です。
[お問い合わせ先]
株式会社 熊谷組  経営企画本部広報部
部長:藤島 幸雄
担当:柴山・石賀 (電話03-3235-8155)
[技術に関するお問い合わせ先]
営業本部第1営業部   部長 大堀  卓  
土木本部 土木技術部環境土木グループ 担当 西山 (電話03-3235-8646)
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