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プラズマによる岩盤破砕技術(PAB)の開発
プラズマによる岩盤破砕技術(PAB)の開発
PAB: Plasma Acoustic Blast
奥村組土木興業株式会社、株式会社熊谷組、住友電気工業株式会社の3社は、薬品を使わず、プラズマのみによる岩盤等の破砕技術を開発しました。
従来の岩盤掘削工事では、一般的に発破工法を用いますが、振動、騒音や飛び石などの問題があり、重要構造物や民家の周辺などでは使用を制限される事があります。一方これに代わる大型ブレ-カ等の破砕機や静的破砕剤では、コストが高くなり、硬岩になるに従い極端に能力が低下する等の問題があります。プラズマ破砕技術はこうした問題を解決するために開発したもので、転石破砕、立坑やトンネル等の岩盤掘削、コンクリート構造物の解体工事等に適用できます。
開発の目的
近年の環境問題への意識の高まりから、環境にやさしい破砕技術へのニーズが増加しており、これに対応する高度技術が求められています。例えば、既存構造物や他の建設作業との近接並行作業において、また近隣の住民への影響等を最小限とする工法が重要となっています。これまで岩盤やコンクリート構造物の破砕では、大型ブレーカや火薬による発破工法など多岐にわたる技術がありますが、それぞれ長所もあり短所もあります。動的破砕では、大きな騒音や振動が問題となり、静的破砕では効率やコストの問題があります。
これまで、放電によるプラズマを応用した技術は発表されていますが、これらは、破砕力が小さかったり、薬品による化学反応を利用したりしていました。今回、高効率のコンデンサと優れた電極および放電回路の開発の成功により化学反応に頼らないでこれまでにない破砕効果を得られることができました。本技術は、コスト負担をできるだけ押さえながら、振動による影響や有毒ガス発生もなく、電圧により破砕力を制御できる多く優れた特徴をもつ新しい破砕技術です。
技術内容
本技術はコンデンサに蓄積したエネルギーを液中(今回は水)で一気に放電させることによってプラズマを生成し、その時に発生する衝撃波により岩を破砕するものです。従来、プラズマのみで行った岩の破砕ではその威力に限界がありましたが、電気回路の改良により破砕力を増加することが可能となりました。
この装置は充電電源部と岩盤に挿入する電極棒(プローブ)およびそれらを接続するケーブルで構成しています。充電電源部はコンデンサと充電器およびスイッチで構成されており、重量は約2tと軽量でコンパクトであり、4tトラックで積載が可能となりました。ケーブルは同軸構造となっています。電極棒(プローブ)の先端では複数の電極間で放電が生じます。電極棒(プローブ)は長さ約1mで放電時の衝撃に繰り返し対応できる強度を持たせています。電源はディーゼル発電機で可能です(今回は25kVA)。
本技術の特徴は 1)振動が少ない 2)騒音が低い 3)飛散がない 4)化学反応を伴わない 5)破砕力の調整が可能である 6)放電部は繰り返し使用することができる。などが挙げられ環境にやさしい技術となっています。
添付資料

破砕前(電極セット時)

破砕後

破砕状況
プラズマ岩盤破砕技術
プラズマ 岩盤破砕とは、プラズマにより発生する衝撃波を利用した破砕技術である。破壊対象物である岩やコンクリートに穿孔し、その孔に充填された水等の液体に電極棒(プローブ)を挿入する。この電極から高出力放電を行ない、この時に生じたプラズマが急激に膨張することにより衝撃波を生じる。これが周辺の破砕対象物に伝わり破砕するものです。
代表的な特徴
環境にやさしく、簡単
- 1. 騒音・振動が少ない。→近接構造物に影響が少ない。
- 2. 飛散がない。→退避等安全対策が容易。
- 3. 原理・構造が単純。→現場作業で扱いやすい。
- 4. 化学反応を伴わない。→周辺環境を汚さない。
プラズマ岩盤破砕技術の現状
現状の技術
- 1. コンデンサー:約500kJ
- 2. エネルギ放出時間:0.0002秒以下
- 3. ピーク電流:約300kA
- 4. DC電圧:約20kV
- 5. プローブ 径50mm 長さ 約1m
技術適用範囲

プラズマ破砕システム

技術開発の内容
- 1. プローブ
- プラズマに耐える電極の開発
- 2. 同軸ケーブル
- 作業性と耐久性を向上
- 3. スイッチ装置
- メンテナンス性と耐久性の向上
- 4. コンデンサ
- 大容量で耐久性の高い装置の導入

プラズマ破砕試験 実験状況
転石強度 :250MPa
転石大きさ:4.5m3
適用可能例
- 基礎掘削工事 転石処理への適用
- 硬岩掘削や転石処理する場合に飛石がなく、施工機械の退避 も不用である。また、周辺環境への影響が少なくかつ火薬等 の危険物の保管・管理が不用である。
- ビル解体工事・都市地下土木工事への適用
- 地下基礎工事等の大型重機が搬入できない場所での活用が期待できる。
- 硬岩トンネルの無発破工法への適用
- 岩の圧縮強度が100MPaを越える場合、機械掘削機 との併用により掘削効率が向上する。
- 近接工事への適用
- 構造物等の近接工事では、衝撃や振動が少ないため、既設 構造物への影響を極力抑えることができる。
- 環境分野への適用
- 汚染土壌の清浄化適用が将来期待されている。
実証実験概要





