プレスリリース

世界初 音が見える 音の映像化装置の実用化

平成13年6月13日

世界初!音が見える!音の映像化装置の実用化
~世界初、音の発生位置を特定し、ビジュアル化する音カメラ~

中部電力株式会社(社長 太田宏次,本社:愛知県名古屋市東区東新町1番地)、株式会社熊谷組(社長 鳥飼一俊,本社:東京都新宿区津久戸町2番1号)、 信州大学(学長 森本尚武、住所:長野県松本市旭3丁目1番1号)工学部山下恭弘教授は、共同で、音の発生源を特定し、視覚的に表示する装置の実用化に世界で初めて成功いたしました。  

今回開発した装置は“音のカメラ”とも言うべき画期的なもので、音源の位置・大きさ・高低といった情報を特定します。また、同時に撮影されるデジタルカメラ画像上に音源が表示されるため、画像上の物体のどこの部分からどのような音が出ているのかが視覚的にわかるものです。

本装置には、次のような優れた特徴があります。

  • (1) 音源が複数ある場合でも、それぞれの音源の位置だけでなく、周波数特性や音圧レベルまで表示されるため、音源の特徴を視覚的に判別することが可能です。
  • (2) 屋内外を問わず、これまで難しかった低音域(機械のうなり音など)から高音域まで幅広くすべての音を特定することが出来ます。
  • (3) 装置を小型化し、バッテリー駆動としたことで、移動・設置が容易に出来、屋外で電源を確保できない場所でも使用が可能です。  

この装置の開発により、従来の騒音計では判別が不可能であった複数の音源を、個々に適切な評価をすることが出来、アセスメント等の手法として騒音源の特定や騒音対策後の評価などが正確にわかりやすく行えるようになります。また、耳の不自由な方への音情報の提供や音楽分野などへの応用展開も可能であると考えております。  

今後、さらに小型・軽量化の改良を進め、平成13年度中の商品化を目指します。

1.研究の背景

音というものは、会話や音楽、そして様々な騒音に至るまで巷にあふれていて、日常生活と非常に密接な関係にあります。しかし、音は目で見えないものなので、これまでは音を表現したい場合、音楽にしても騒音にしても、マイクを通して電気的に音を収録した後に、デシベルやヘルツという数値で表すか、再び音で再生することしかできませんでした。

特に騒音に関しては、騒音計に表示される数値に頼るしかありませんでした。また、これまでの騒音計は指向性がほとんどないため、その場に到来するすべての音情報の合計値が表示されていました。このため、機器の騒音を測定しても関係のない音まで含まれて評価され、騒音対策工事実施後の評価においても、その効果が正確にはわかりませんでした。

2.開発の概要

今回開発された装置は、カメラと5つのマイクロホンを持ち、音がそれぞれのマイクロホンに到達する時間差から複数の音源の方向を特定し、カメラから取込んだ画像上に表示されます。また、その表示には複数の音源の位置のみならず、それらの周波数特性や音圧レベルまで表示されるため、個々の音源をそれぞれ評価することが可能です。

(1)システム構成

システム構成

 

(2)音源の映像化

下の写真1は、本装置により音源の映像化をした画像です。カメラで撮影された画像上の音情報は周波数別に色のついた点で表示されており、「どこから、どのような周波数帯の音がきているか」が一目でわかります。また、その下には音圧レベルが表示され、音の大きさがわかります。さらにその下には、周波数特性の高低を点グラフで表示しています。この技術を用いることで、音の到来方向もしくは反射面を把握することができ、適切な騒音対策が施せます。

屋外における音の映像化

写真1 屋外における音の映像化(複数音の分別例)

(3)障壁の有無による音源の探査例  

次ページの写真3、4では、無響音室内においてスピーカーからノイズ音を出し、障壁がない場合と障壁を置いた場合での違いを映像化しています。 障壁がない場合、スピーカーからの様々な周波数帯の音が見ることができます。一方、音カメラとスピーカーの間に障壁を設置した場合、高音域は障壁により遮断され、低音域においては障壁を通り抜けてきた音や障壁の横を回りこんできた音を示し、音の透過特性(障壁がある場合、高音は透過しにくく、低音は透過しやすい現象)や回折効果(障壁があっても低音は音が回り込んでくる現象)を映像でよく表しています。この技術を用いることで、遮音壁の効果が正確にわかり、その有効性を評価することができます。

障壁の有無による音源の探査例 配置図

図 障壁の有無による
音源の探査例 配置図

障壁の有無による音源の探査状況

写真2 障壁の有無による音源の探査状況

 

障壁なし

写真3 障壁なし

障壁あり

写真4 障壁あり

3.研究期間

平成11年4月から平成13年5月

4.今後の進め方

今回の開発により、耳でしか聞くことができなかった音、あるいはデシベルなどの数字でしか表せなかった音が、視覚的に表現できるようになり、その応用分野への可能性は非常に大きいと思われます。具体的には工場騒音、交通騒音、工事騒音などの評価、騒音工事対策後の評価はもちろん、耳の不自由な方への音情報の提供、さらに音楽分野では音楽ホールの音響特性やそこで演奏される音楽自体の映像化などの応用展開が可能であると考えております。

音カメラ(Sound Shot)

音カメラ(Sound Shot)

音カメラ(Sound Shot)制御部

音カメラ(Sound Shot)制御部

音カメラ(Sound Shot)マイク及びカメラ部

音カメラ(Sound Shot) マイク及びカメラ部

障壁の有無による音源の探査例 設定状況

障壁の有無による音源の探査例 設定状況

[お問い合わせ先]
中部電力株式会社
[リリースに関するお問い合わせ先]
広報部
 部長:岡島 豊
 担当:宮田(電話052-961-3582)
[技術に関するお問い合わせ先]
技術開発本部電力技術研究所土木建築グループ
 グループリーダー:杉山 武
 担当:和田(電話052-621-6101)
株式会社 熊谷組
[リリースに関するお問い合わせ先]
広報室
 部長:藤島 幸雄
 担当:石賀 (電話03-3235-8155)
 

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