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熊谷組の今

新しいまちづくりで被災地の早期復興に貢献

釜石市中央ブロック
復興整備事業

未曾有の被害をもたらした東日本大震災から6年以上の歳月が経つ。
熊谷組は、震災直後から多くの復旧・復興事業に携わってきた。
岩手県の「釜石市中央ブロック復興整備事業設計施工等業務及び建設工事」もそのひとつだ。
それは、市内12地区を3ブロック(北・中央・南)に分け、
用地買収補助、測量調査設計、建設工事、工事監理を行う事業だ。
2013(平成25)年、同市がプロポーザルによる公募を開始すると、
熊谷組は株式会社小澤組、株式会社新日、日鉄鉱コンサルタント株式会社の4社共同提案体で応募。
厳正なる審査の結果、中央ブロック復興整備事業の最優秀提案者に選定された。
以来、一日も早い復興整備を目指して日々業務に邁進している。
今回は、その釜石市から復興整備事業の現況をレポートする。

発 注 者
国交省・岩手県・釜石市(都市整備推進室・下水道課・水道事業所・復興住宅整備室)
共同提案体
株式会社熊谷組・株式会社小澤組・株式会社新日・
日鉄鉱コンサルタント株式会社
施 工 者
株式会社熊谷組・株式会社小澤組(JV)
工事場所
岩手県釜石市東部地区及び嬉石松原地区
期  間
平成25年12月16日〜平成31年3月25日
事業内容
用地買収補助(新日)、
測量調査設計(新日・日鉄鉱コンサルタントJV)
建設工事(熊谷組・小澤組JV)、工事監理(熊谷組・新日JV)
全景

プロポーザル方式で釜石市復興整備事業に参画

2011(平成23)年3月11日、東北地方を中心に大きな被害をもたらした「東日本大震災」。全半壊家屋は40万棟以上、死者、行方不明者など2万人以上が犠牲となった。あれから六年以上の歳月が流れたが、今も約3万世帯が仮設住宅に暮らし、全国で約10万人が避難生活を送っている。

熊谷組は震災直後から今日に至るまで、各被災地において、多くの人材と持ち得る技術を導入し、さまざまな復旧・復興事業に携わっている。

そのうちのひとつとして、熊谷組は四年前から「釜石市中央ブロック復興整備事業」に取り組んでいる。これは釜石市の12の地区を3ブロックに分け、宅地造成、道路整備等に関する用地買収補助、測量調査設計、建設工事、工事監理を共同提案体で行い、設計施工協力型発注方式で実施している事業だ。

2013(平成25)年8月に熊谷組、株式会社小澤組、株式会社新日、日鉄鉱コンサルタント株式会社の4社の共同提案体で中央ブロックに応募。プロポーザル審査の結果、最優秀提案者として中央ブロック復興整備事業共同提案体に特定された。

 

東部地区東側復興事業の様子  (下のサムネイルをクリックすると写真が表示されます)

東部地区東側 東前〜浜町・着工前(2014.6) 着工開始(2014.12) (2016.10) (2017.9)

 

中心市街地で展開する大規模な復興工事

釜石市は、岩手県の南東部、三陸復興国立公園のほぼ中央に位置し太平洋に面している。東北地方有数の重工業都市としても有名である。しかし、東日本大震災により、当市でも1千名を超える人々が犠牲になり、街はほぼ壊滅状態と化した。

当事業は、釜石市の中心市街地で、釜石湾を囲む「東部地区」及び「嬉石松原地区」における復興整備だ。東部地区は、約29.8ヘクタールの区域で、主に津波復興拠点整備事業、漁港施設機能強化事業を行っている。また、嬉石松原地区は、約13ヘクタールの区域で、被災市街地復興土地区画整理事業を行っている。

この事業のうち、建設工事は嵩上げ盛土による宅地造成や津波で損傷した管渠の更新など。工事では嵩上げ盛土材を三陸縦貫道建設工事の掘削土で補うことや、嵩上げ盛土材の仕様は、粒経37.53ミリ以上100ミリアンダー以下が40%未満で管理することが決められている。そのため熊谷組(JV)は、板木山、平田、唐丹の仮置場の管理を受け持ち、1日に約1800~2000トンの混合土の製造が可能な巨大プラントを平田に設置して混合盛土材の製造管理も行っている。

さらに熊谷組は、この事業とは別に株式会社本間組、株式会社小澤組との共同企業体で、釜石市を流れる甲子川の河口部に、津波から市街地を守る海岸防潮堤となる甲子川水門新設工事にも携わっている。

東部浜町 水産加工団地・造成工事状況
(2014.12)※クリックで拡大
造成工事完成後(2017.1)
※クリックで拡大
東部只越町を望む(2017.9)
※クリックで拡大

 

嬉石松原地区の復興整備(下のサムネイルをクリックすると写真が表示されます)

国道283号旧本線・着工前(2013.6) 国道283号迂回路変更・着工前(2014.6) 国道45号嵩上盛土(2015.2) 国道45号・283号松原切り替え前(2015.3) 国道45号迂回路切り替え夜間工事(2015.3) 国道45号・283号松原交差点完成(2016.3)

 

早期復興を目標に工事全体を統括

現場を統括する釜石中央工事所の安間正明統括所長は、長年にわたり中四国支店で造成工事に携わってきたベテラン技術者だ。「この現場を自身の集大成にしたい」と考え、被災地に赴任した。安間統括所長は当復興工事におけるいくつかの問題点を指摘した。用地買収かの問題点を指摘した。用地買収交渉の難しさ、電柱の移設やライフラインなどの埋設管施工の対応の遅れ、盛土材の管理、居住者の生活道路の確保など、これらの施設管理者(事業者)が多岐にわたることから、いずれも調整と解決に時間がかかるものであった。

さらに後藤俊一副所長も続けて、「今まで経験しなかった施工の連続で、戸惑うばかりです」と話す。 今回の震災で、低い場所は津波で被災し、高い場所は津波の被害を逃れた。高い場所に残った人々の生活に支障のないように、低い場所の盛土工事を進めるためには、電柱や埋設管、道路を何度も移設しながら施工する必要があった。工事を進めるためには多数の地権者すべての同意も必要であった。これは普通の造成工事にはない、極めて特異な施工環境だ。

また、本事業に関わる担当者のひとりが、ファストトラック方式*を採用しているので、設計変更が生じるたびに施工も変更せざるを得ないという現場の厳しさを挙げた。
*全体の設計が完成するのを待たずに設計が終わった部分から工事を進める

嬉石松原地区 現区10-3路線3号公園
着工前(2013.7)※クリックで拡大
嬉石松原地区 嬉石交差点
着工前(2013.7)※クリックで拡大
嬉石松原地区全景(2017.9)
※クリックで拡大

しかし、安間統括所長は穏やかにこう話す。「問題や課題は確かにあるが、関係する官民が一体となり、それらをしっかり検討し合って、辛抱強く、柔軟に対処していくことが最善策。誰もがみな、早期復興を目標に頑張っているのだから、解決の糸口は必ず見つかるはずです」。後藤副所長も、「復興工事における法や制度が現場のニーズにマッチしていない中で、こうしたライフライン事業者と協議しながら、工事全体を統括して進めるのは、われわれゼネコンにしかできない仕事です」と続ける。

安間正明 統括所長
安間正明 統括所長
後藤俊一 工事所副所長
後藤俊一
工事所副所長
山口孝志 工事所副所長
山口孝志
工事所副所長
町屋孝浩 工事所副所長
町屋孝浩
工事所副所長
石川晋 所長
石川晋
所長
江藤宗英 所長
江藤宗英 所長
齊藤輝幸 副所長
齊藤輝幸 副所長
牧田孝之 副所長
牧田孝之 副所長
城土直 所長
城土直 所長

 

工期の終盤を見据え新しいまちづくりに大きく貢献

取材に応じた多くの工事担当者らは、この四年間を振り返って「着工当初は資材や人材の不足もあり、本当に大変な日々だったが、最近ようやく落ち着いてきたように思う」と話す。宅地造成が進み、引渡しが加速しており、街に人が戻ってきている。

いままで積極的に各地区の行事に参加したり、住民の要望に耳を傾けたりするなど、被災地に溶けこむために地域とのコミュニケーションを図ってきたが、いまでは信頼度も増し、密度の濃い情報を得られるまでになった。

平田地区仮置場盛土材受入プラント(2017.9)
平田地区仮置場盛土材受入プラント(2017.9)

2019(平成31)年には、ラグビーワールドカップの開催地のひとつに釜石市が決定している。かつては”北の鉄人”と呼ばれたラグビーチームがあった釜石である。これをまた復興への励みにしたいと願う地域の方々の想いに寄り添い、本事業も一日も早い復興を目指し、安間統括所長をはじめ、多くの担当者らはあらためて身を引き締める。

街が元の姿に戻るまでの道のりは遠い。でも、着実に、一歩ずつ進んでいる。これからも熊谷組は、こうした復興事業への参画を通じて、次の世代に安心して引き継いでいける街づくりに貢献していく。

 

熊谷組の土木技術を駆使して、今も東北各地で復旧・復興に尽力しています。

二級河川甲子川筋甲子川水門土木工事

大津波から人命や財産、地域全体を守るため、釜石市を流れる甲子川の河口部に、釜石湾海岸防潮堤とつながる水門を新たに建設している。水門本体並びに防潮堤の高さをT.P.(東京湾平均海面)+6.1mに設定。これは、数十年から百数十年に一度発生する津波を想定。しばしば台風などによる自然災害で水没し、施工の中断を余儀なくされるも、2020年の完成に向けて施工中だ。

発注者
岩手県
設計者
株式会社東京建設コンサルタント
構造・規模
水門本体工 1基/基礎工(鋼管杭)438本/護床ブロック1,018個/管理桟橋工118.8m/特殊堤工80.0m/仮設工 一式
甲子川水門(着工前)
(現 況 2017.9)
自然災害による水没で施工が中断
イルミネーションで装飾し、復興への想いを共感
気仙沼線桜川橋梁改築工事

津波によって流された気仙沼線桜川橋梁の解体及び改築工事。これは宮城県が設定する河川堤防嵩上げとの整合を図り、安全性を高めるための重要な工事として、現在完工を目指している。

発注者・設計者
東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所
構造・規模
安全設備:1式/場所打ち杭(オールケーシング工):φ1200 L=15.5m(16本)、L=17.5m(9本)/橋台(RC):2基/PRCランガー桁:橋長L=74m/掘削土留工:鋼矢板㈿型 N=300枚 L=12.0m 作業構台工:下部工91.2t、上部工154.3t/保安費:1式/労務経費:1式/地盤改良:φ2200 L=13~15.5m N=553本/盛土:19,425.7m³
桜川橋梁下流側より(着工前)
桜川橋梁下流側より(着工前)
(現 況)
(現 況)

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