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熊谷組の今

安全性と利便性を追求したLCC専用の空港施設

関西国際空港
第2ターミナルビル

関西国際空港に、2017年1月28日にオープンした
格安航空会社(LCC)専用の「第2ターミナルビル(国際線)」。
国内初となるウォークスルー型ショッピングエリアや、スマートセキュリティシステムなど、
お客様の安全性や利便性を充実させた新しいターミナルビルだ。
熊谷組は、その新ターミナルビルの建設工事と既存の第2ターミナルビルの改修、
それらに伴うLCCターミナル全体の附帯施設の整備を担当した。
今回は、竣工したばかりの現場を訪れ、新しいターミナルビルを紹介するとともに
これまでの工事について作業所長に振り返ってもらった。

建 築 主
関西エアポート株式会社
基本設計・設計監修
株式会社梓設計
設計・監理
株式会社熊谷組関西一級建築士事務所
施  工
株式会社熊谷組
建 設 地
大阪府泉南郡田尻町泉州空港中11-1の一部、
13-1の一部および14の一部
構造規模
鉄骨造 一部2階建て
建築面積
32,301.36m²
延床面積
39,267.63m²
工  期
2015年7月15日〜2017年1月27日

LCC専用国際ターミナル誕生

2017年1月28日、関西国際空港に格安航空会社(Low Cost Carrier)専用の新たな「第2ターミナルビル(国際線)」がオープンした。

新第2ターミナルビルは、今後増加が見込まれる海外からのお客様に対応するため、既存の第2ターミナルビルの北側に隣接して建設された。既存の第2ターミナルビルは、2012年10月に国内初のLCC専用ターミナルとして開業し、国内線と国際線を兼ねていたが、新ターミナルビル開業後は、国内線専用の「第2ターミナル(国内線)」に名称を変更して運用される。

全景
全景
関西国際空港図
関西国際空港図
(※クリックすると拡大して表示されます)
正面入り口(外観)
正面入り口(外観)
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国際線専用として開業した新ターミナルには、物販店や飲食店から外貨両替、ATM、海外旅行保険自動引受機、観光案内などさまざまなサービス機能が設けられている。
特に物販では、国内の空港では初となるウォークスルー型の免税店舗を導入。利用者の移動ルートに沿って、ショッピングがしやすいように店舗を配置している。また保安検査場や手荷物検査などがスムーズかつ安全に行われるよう、さまざまな最新システムを導入し、待ち時間の短縮や利便性を高めている。お客様を第一に考え、より便利で快適に利用できるターミナルの誕生だ。

今回、熊谷組は、この新「第2ターミナルビル(国際線)」の建築工事を担当。そして、既存の第2ターミナルビルの改修及びそれらに伴うLCCターミナル全体の附帯施設の整備を行った。

海上人工島ならではの課題

新ターミナルビルは、ターミナル棟、チェックイン棟、コンコース棟の3棟で構成されている。平屋・一部2階建ての鉄骨構造で、延べ床面積約3万9千平方メートルを有する。

工事は2015年7月、西側のコンコース棟の建設から開始。同年11月初旬にチェックイン棟、同月末にはターミナル棟と順次着手していった。

着工に際して最初に直面した問題は、施工場所が大阪湾内に造られた人工島(関空2期空港島)であるため、電気や水道などのインフラが整備されていないことだった。そこで自家発電機により電気を確保し、散水車をタンクにして水を1期島の供給源から現場に運ぶなど、工事前にライフラインの確保が先決となった。

内部通路
内部通路
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出国手続きカウンター
出国手続きカウンター
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出国手続きカウンター
出国手続きカウンタ
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正面エントランス
正面エントランス
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林大輔作業所長
林大輔作業所長

また、海上は日常的に強風が吹き、ときには台風なみの暴風にも襲われた。これに対して最も神経を尖らせたのが、飛散防止だ。関西空港は24時間運航されており、誤って図面一枚でも飛ばされてしまうと、航空機の運航に重大な障害を及ぼす恐れがある。資材などの保護には通常使用されるブルーシートではなく、風をはらみにくいネットで覆って強風に対応した。

さらに、隣接する既存の第2ターミナルビルや2期島滑走路は通常通り稼動しているため、それらの業務に支障をきたさないよう、常に周囲への配慮を怠らず、慎重な作業を心がけた。

こうした難しい施工環境下での工事を指揮したのは、関空LCC作業所の林大輔作業所長だ。林所長は、施工現場を指揮する立場に就いて約二十年になる。これまでホテルやマンション、大型商業施設などを手掛け、豊富な経験と実績を持つが、空港での工事は初めてだ。未経験分野への挑戦に不安もプレッシャーもあったという林所長だが、「社会的にもインパクトのあるビッグプロジェクトに参加できるという喜びや、成し遂げてみたいという気持ちの方が勝った」と施工当初の心境を笑顔で語った。

設計・施工の連携で難局を打開

そんな林所長を悩ませる問題がもう一つあった。度重なる設計変更だ。着工後に発注者が変わり、状況が一変。それに対応して、完成までに幾度となく設計変更が行われた。そのたびに、現場での作業は中断と再開を繰り返し、工程を予定通り進めるために、臨機応変な対応がしばしば必要だった。

しかし、この難局を打開できたのは、「当社の設計と施工との見事な連携があってのこと」。そう林所長は振り返る。また、施工に携わった作業員のほとんどが、林所長と同じ現場を共にしてきた旧知の者たちだった。今回のように工期の厳しい作業にはチームワークが必要であり、気心が知れた仲間との結束が必要だったからだ。

厳しい現場であったが、林所長が掲げる「やるなら楽しくやろう」という言葉をモットーに、工事関係者が一丸となって結束力を高め、明るい気持ちと緊張感を保ち、困難な工程を乗り越えて重大災害ゼロで工期内の完成を果たした。

施工風景:敷地西側より ターミナル棟基礎工事中(2015.12.25)
施工風景:敷地南側より(エアサイド) コンコース棟エアサイド側舗装完了
施工風景:敷地南側より(エアサイド) コンコース棟エアサイド側舗装完了(2016.4.15)
コンコース棟内
コンコース棟内
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インフォメーション
インフォメーション
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正面エントランス
正面エントランス
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ノウハウを生かし次世代の空港建設へ

竣工を迎え、林所長は「関西の発展につながる期待の事業に責任者として携わることができ、本当にうれしい。制約条件も多く大変な工事だったが、みんなが誇りを持ち、意義ある工事を成し遂げるという目標に向かって一つになった結果、立派な建物を完成することができた」と話す。

新ターミナルの開業により、国内線と国際線を合わせた第2ターミナルが対応可能な年間旅客数は従来の2倍以上、約800万人となった。これは、LCC専用の空港として国内最大級になる。

これまで多くの空港や関連施設を手掛けた熊谷組。その豊富なノウハウと経験で造り上げた最新の機能を備えるターミナルビルの誕生は、ますます増加する海外からのお客様に対応し、関西の経済に貢献するだけでなく、次世代型空港のスタイルとして今後も注目を集めるだろう。

熊谷組の技術は、全国で空の交通を支えています。

中部国際空港管制塔 - 愛知県
中部国際空港管制塔
発注者
国土交通省大阪航空局
設計者
国土交通省大阪航空局飛行場部土木建築課
構造・規模
S造 5/0 延床面積664m²

管制塔は航空機の安全で効率的な運行に携わる心臓部。空港全体を視認できる高さや配置の決定、さらにランドマークとしてのデザインを考慮した設計に、高度な技術と確かな施工力で対応した。

仙台空港新旅客ターミナルビル - 宮城県
仙台空港新旅客ターミナルビル
発注者
仙台空港ビル株式会社
設計者
株式会社日建設計・ヘルムース オバタ カッサバウム インク共同企業体
構造・規模
S・一部RC造 4/1 延床面積44,302m²

1997年に開業した空港ターミナルビルを施工。2011年に東日本大震災で甚大な被害を受けるも、震災翌日から支援活動及び復旧作業を開始し、半年後の9月に全面復旧を果たした。

大阪国際空港燃料供給施設〈管理棟〉- 兵庫県
大阪国際空港燃料供給施設
発注者
大阪ハイドラント株式会社
設計者
株式会社熊谷組関西一級建築士事務所
構造・規模
RC造 2/0 延面積1,372m²

大阪国際空港内の燃料供給施設の管理棟建替え及び燃料供給施設(受入設備、燃料貯蔵設備、ハイドラント給油施設、消火設備、電気計装など)を担当。操業と工程を合わせた緻密な計画を確立し、無事故無災害で施工した。


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