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大阪・中央大通にある商業ビルの外壁約1kmを大規模改修  船場センタービル外壁改修工事

大阪・中央大通にある商業ビルの外壁約1kmを大規模改修  
船場センタービル外壁改修工事

大阪市のほぼ中央を東西に通る幹線道路・中央大通の中央に、1970年に竣工した「船場センタービル」はある。
全長約1km、延べ床面積17万0324m²という巨大な同ビル内には、現在、問屋や飲食店などおよそ800店舗が並ぶ。
しかし、完成から45年経過したいま、壁面の老朽化が進んでいることや、
その外観が近隣の景観とそぐわなくなってきたことなどから、大規模な外壁改修工事が行われることになった。
約1kmに及ぶ外壁の改修からアルミパネルの設置作業及びLED照明の取り付け。
それに加え、入居する店舗は施工中も営業を継続したままであり、
現場は人と車で溢れた繁華街の中心地、また建物の上には幹線道路が走っているなど、
特異な環境や厳しい条件のもとでの工事だ。
当工事を請け負った熊谷組は、まさに長大で、難題の多い施工に挑むことになった。
今回、完成直前の現場を訪ね、これまでの苦労や貴重な体験などを紹介する。

船場を象徴する巨大商業ビルの外壁大改修

「1000mに800店の散歩道」という商業ビルの広告コピーが、あまりにも適切な表現だったことに驚いた。それは、大阪市中央区船場中央 一丁目から四丁目の地内に位置する、船場センタービルのことだ。

一歩ビル内に入り込めば、繊維の卸問屋から、紳士・婦人のファッション洋品、ブランド品や輸入家具・雑貨、飲食店までがぎっしりと並び、途切れることなく次々に現れてくる。それらをひとつひとつ眺めていくうちに、確かに長い散歩道をゆく気分になってくるのが不思議だ。

9号館北面(改修後)
9号館北面(改修後)(クリックで拡大します)
10号館南面(改修後)
10号館南面(改修後)(クリックで拡大します)

船場センタービルは、大阪市のほぼ中央を東西に通る中央大通の中央に、東は堺筋、西は御堂筋、横長に約1キロメートルにわたって延びた巨大な建造物だ。一見するとひとつの塊に思えるが、実は1号館から10号館まで、交差する道路により10棟のビルに分かれている。鉄筋コンクリート造りで、1号館・10号館は地上2階/地下2階、2号館は地上3階/地下2階、3号館〜9号館は地上4階/地下2階と、各棟によって階層も異なる。しかし、大阪の流通を担う幹線道路のひとつ、大阪市道築港深江線と阪神高速13号東大阪(上下)線が巨大なレールのように各館の上を走っていることで、見事に一体化しているのだ。

また地下には、地下鉄御堂筋線〈本町駅〉、堺筋線〈堺筋本町駅〉、中央線〈本町駅・堺筋本町駅〉の3路線が乗り入れている。上も下も、大阪の街や人々の暮らしを支える交通網が張り巡らされている、そんな商業ビルはほかにはそうない。

こうした特殊な環境にある船場センタービルが、建設から45年を迎え、大規模な外壁改修工事を行うことになった。

着工前の各館外観風景 着工前の各館外観風景 着工前の各館外観風景
着工前の各館外観風景
着工前:10号館東面
着工前:10号館東面(クリックで拡大します)
改修後:10号館東面
改修後:10号館東面(クリックで拡大します)

地域の活性化を図り街づくりから集客力アップへ

商都大阪を代表する「船場」は、歴史のある古い街だ。豊臣秀吉の時代、大坂城築城を機に、当地に周辺から商人を集めて、経済、流通の中心地として栄え始めた。その後も幾多の苦難はあったものの、商業地区として繁栄し、繊維卸売業者が集中し、今日のように西日本全域を代表する商業地域に発展した。

新ロゴタイプ
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1970(昭和45)年、大阪万国博覧会の開催に合わせ、都市再開発計画の一環として船場センタービルは建設された。その際に、屋上部に道路を置き、地下部に地下鉄を通すという画期的な案が実現化したのだ。

それが近年、経年劣化により建物の外壁タイルの老朽化が進んだことから、大規模な外壁改修工事を行うことになった。

それと共に、新たに小紋柄などをモチーフとしたパンチングを施したアルミパネルを設置するほか、発光ダイオード(LED) 照明を取り付けて、夜間はライトアップするなど、外壁を刷新する。これによって旧いビルのイメージを払拭し、新しい「船場」の顔として地域の活性化を図り、街づくりの整備から集客力のアップにも繋げていきたい考えだ。

昼夜工事を遂行し800店舗の入居者への事前説明に配慮

現場を統括した遠藤孝治作業所長
現場を統括した遠藤孝治作業所長

今回、外壁と配水設備の改修工事を担当する熊谷組は、かつて1号館の施工を行っている。しかし当時とは施工内容はもちろん、その環境も違いすぎる。何しろ、改修する外壁の長さが直線で約1キロメートル、その工事には、また同距離にわたってアルミパネルを設置していくという、途方もない作業になる。

現場で陣頭指揮を執った遠藤孝治作業所長は、着手する前を振り返り、こう話した。

「作業そのものは、それほど難しいものではないが、1キロ先までを想像しろと言われてもできないので、目の前の棟をひとつひとつ終わりにしていこう、と自分を納得させました」。

工程上、2棟ごとに区切って工事は進められた。最初に1〜2号館、次に3〜4号館、という具合だ。まさに、ひとつひとつを積み重ねていくように順次取り掛かっていった。

しかし、作業内容よりも遠藤作業所長らが頭を痛めたのは、その周辺環境にあった。

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夜間:外部足場組立作業状況(中央通り面)
夜間:外部足場組立作業状況(中央通り面)
夜間:車道上部天井塗装作業状況
夜間:車道上部天井塗装作業状況
夜間:鉄骨建方作業状況(御堂筋面)
夜間:鉄骨建方作業状況(御堂筋面)
夜間:鉄骨建方作業状況(御堂筋面)
夜間:鉄骨建方作業状況(御堂筋面)
夜間:鉄骨建方作業状況(御堂筋面)
夜間:鉄骨建方作業状況(御堂筋面)
夜間:箱文字サイン取付作業状況(堺筋面)
夜間:箱文字サイン取付作業状況(堺筋面)

 

現場は、まさに大阪の中心街にあり、ビルを取り囲むように流れる車も、その周辺を行き来する人も、想像以上に溢れんばかりの数だ。そこで、作業の性質上、昼間の状況では難しい資材の搬入や足場を組む作業を、夜の9時から翌朝6時までとする夜間の時間帯に回した。また昼間は当然ながら改修工事を進めたが、どうしてもビルに隣接する道路の使用や車線規制、入居する店舗への商品搬入の車の出入り口の確保などもあり、頻繁に警察とも打合せを行い、適切な道路使用の許可などをお願いした。こうして、昼間と夜間、どちらも慌ただしいまま24時間フル稼働体制が続いた。

さらに、神経を使ったのは、800店を越える入居者への配慮だった。ビル内に入居する800店が、改修工事中も通常の営業を維持していくことを条件に挙げている以上、それを妨げることは絶対にできない。そこで、工事を行うごとに、各棟に入居する店の責任者に対し、工事内容等の詳細について説明会を開き、事前にチラシで知らせた。そのチラシの作成も、店舗への持ち回りも遠藤作業所長が自ら行った。

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ロゴマークサイン取り付け作業状況(堺筋面)
ロゴマークサイン取り付け作業状況(堺筋面)
新ロゴマーク
新ロゴマーク
筋部アルミバ—取り付け作業状況
筋部アルミバ—取り付け作業状況
アルミパネル 下地アンカー穿孔作業状況
アルミパネル 下地アンカー穿孔作業状況
アルミパンチングパネル取り付け作業状況 アルミパンチングパネル取り付け作業状況
アルミパンチングパネル取り付け作業状況
アルミパンチングパネル取り付け完了(中央通り面・堺筋面) アルミパンチングパネル取り付け完了(中央通り面・堺筋面)
アルミパンチングパネル取り付け完了(中央通り面・堺筋面)
パネル取り付け完成の外観
パネル取り付け完成の外観
鉄骨建方・鉄骨塗装完了
鉄骨建方・鉄骨塗装完了
道路改修工事:敷砂均し作業
道路改修工事:敷砂均し作業
道路改修工事:コンクリート平板敷設作業
道路改修工事:コンクリート平板敷設作業
道路改修工事:コンクリート平板転圧作業
道路改修工事:コンクリート平板転圧作業

チーム一丸となって人々の暮らしや社会に貢献

この現場に担当者として常駐し、主軸となって働いたのは遠藤作業所長を始め、6名のプロフェッショナルたちだ。

その中には、建物のリニューアル工事を専門とする熊谷組のグループ会社ケーアンドイーからの出向者もいる。まさに熊谷組グループからプロ中のプロが集結し、この特異な厳しい条件のリニューアル工事をスムーズに進めてきたのだ。

もちろん、昼間で一日平均50名、夜間で約20名にのぼる作業員の尽力と発注者の船場センタービル区分所有者会・入居テナントや建物管理者の株式会社大阪市開発公社を始めとした関係者の協力がなければなしえなかったことは言うまでもない。

完成を目前にして、遠藤作業所長は「心身ともに大変つらいこともありましたが、夜になると、工事の終わった建物の前を通る人たちがライトアップされている光景を観て、綺麗になったね、とかすごいね、と言って立ちどまっている姿を見ると、この工事に関われたことに誇りが持てます」と照れ笑いを浮かべながら語った。

改修工事と一口にいっても、単なる補修工事ではない。今回のように建物に付加価値を加えることで新たな街のイメージが創出され、地域全体が活性化してお客様の資産価値の向上にもつながる。熊谷組は、お客様や社会のニーズに合わせたさまざまな形での建物の再生を通じ、より多くの人たちの暮らしや社会に貢献したいと考えている。

 

建物の新たな付加価値と資産価値向上につなげる熊谷組のリニューアル工事

熊谷組は、お客様の大切な建物の長寿命化を図るだけでなく、快適性や安全性の向上など新たな付加価値をご提案し、リニューアルやコンバージョン、歴史的建物の保存改修まで幅広く取り組んでいます。

パセオ - 北海道
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近江町いちば館 - 石川県
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原宿リハビリテーション病院 - 東京都
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